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寒気がやや緩んだので「菊ヶ池」「お菊の祠」の訪問。場所は
甘楽・宝積(しゃく)寺の南に位置する山の中。お菊とは?
手っ取り早く「菊女蛇責」の事を記した「小幡伝説」の要旨を引用する。「上総介信貞殿、菊という女を召し使ひ給ひけるが、或る時、この女信貞殿への御膳を据ゑけるに何とかしたるけん、御食椀の内へ針を取り落としけるを知らずして御膳を据ゑければ菊が運命の尽くる時か。信貞殿(おのれ我に針を呑ませ殺害せんとしたる曲者
なり。言語道断の奴、身を寸々に切り裂きても飽きたらぬ)と下部共に申付けられ蛇を数多く取り集め大なる桶に菊を裸にして押し
こめ、蓋の穴から蛇を入れ塞ぐ。蛇共中にて上になり下になり?合ひ潜合ひ夫より菊が身の内に喰い入る。
其の桶を宝積寺山の奥なる池に沈めける。懸かる所へ小柏源六という侍、猪狩りに立出て其処を通りけるが、女の泣き叫ぶ声聞えければ池の邊に立ち寄りて見てあれば桶一つ浮かび女の首計り出してあり。源六不憫に思い弓の弭にて掻き寄せ桶の蓋を打ち破れば蛇共夥しく出でにけり。女喜びて誰様にておわしますと問いければ小柏源六なりと答う。女申すよう、このご恩には今より後、御家の中へ蛇参りても怨を致させ申すまじ、御心安かれと云う声と共に死にけり。さるによって小柏の家にては其の子孫今に至りて繁盛す」と、まあ こんな話だ。その現場と伝えられるのが、これから行く菊ヶ池。
R-18の岩井からR-10に乗り換えて富岡に向かう。下高尾でR-197、
福島を経て小幡の町中を抜けて宝積寺から0.4Kのこの東屋に駐車。
写真右に見える細い林道から登山開始。ここは「水越沢」の右岸。
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入口近くに錆び付いた道標(9.04)。
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沢側の事故防止用金網のフェンス沿いの道が続くが沢は直接見えない。
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何基かの堰堤を見ながら登り最後の大堰堤。
その先が崩落沢の手前。ここは南牧村に大水害を齎した2007-9-11の9号台風の余波で
大崩落を起こした沢(9.21)。
見上げると大分落ち着いて来ているが真中には細い流水、両サイドはかなり面倒な
藪と化している。
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別のルートを探して一寸戻ってこの林道に入って見た。だが
高度を稼ぐのは最初だけで山筋を平坦に迂回するだけで駄目らしい。諦めて再び
崩落沢(9.41)。
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右岸の藪を進んだらやがて左岸に修復された道が現れる。道と
云っても沢筋を固めたようなものだが。
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この倒木で直進は不能、大木を潜って右に迂回してからぐるっと
廻って元の道に復帰。
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蛇行しながら歩き易く落ち着いては来たが、傾斜の増した道を進むと
錆びで読めないくらいの「菊ヶ池」のへの道標。ルートには間違っていないと一安心(9.58)。
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やがて、左上方にガードレール、カーブミラーも新品らしく光ってる。
こんなところに新道? 良く考えたら天狗山途中の桜の園手前で
数年前から林道工事をやっていたからそれがここまで伸びたのか?

何となく合流すると幅広の立派な車道、
だが分断された旧林道は何処へ行ったのかな? 繋ぎを探しながら
車道を100Mほど登ると道標で再び林の中へ誘導される。
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ここは左右に分岐、矢印は右を指しているが、途中で鷲翎山を
北尾根から乗り越してみたいので左の藪道を行く。「しゅうれい山」とは地形図に
600Mとだけ記載されている小山だ。

遮二無二、藪を突っ切って北から山上へ。僅か等高線四本。頂上には図根点や境界杭。
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鷲翎山を西に乗り越しで林道に復帰、再度の分岐を左に曲がって
こんな道を上り詰めると、左に熊倉山からの大稜線の垂れが
近づく。
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大岩の折り重なる菊ヶ池に到着、池と称するのは右下だが
その痕跡は無い(11.12)。
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岩山に登ると「空菊女之霊位」や仏像、石宮など。
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小休止の後、もう一登りでお菊の祠に到着。熊倉山からの吹き降ろしで猛烈な
寒風が吹き付ける。
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祠の中はこんな感じ。
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記帳してから持参の鎮魂の鈴や線香などを供えて参拝。菊女のために栞を
残した(11.33)。
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何時もはここから東に廻って林道を下るのだが寒風の中、全てが
日陰なので、今日は往路を新車道合流まで引き返し陽だまりで昼食。
そして本日の爺イ。
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今度は新道の探索にかかる。林道の防災壁の下段には林道開削時の伐採材を
利用したのか? 丸太が利用されている。
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長い蛇行道を下ると西に妙義と浅間が重なって見えた。
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最後は強烈な急登を大きく蛇行して林道の頂点に向かう。やがて想定どおり
桜の園手前で天狗山への道に合流(12.57)。
この道の車走行が可能となったからにはこの辺のハイクコースの
組み合わせは激変するな。

駐車場所までの1.6Kを山々を眺めながらのんびり下り、帰着は
(13.27)。表示は林道起点まで2.5Kとあるがそれは寺を通り越してR-197に出る
地点までのこと。因みに寺は起点から0.5K。
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序に折角だから宝積寺に寄り道。正面に巨大な「菊女観音」
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本堂の裏の墓地に小幡氏歴代の墓地と並んで菊女とその母の墓。
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本日の伝説探訪は終了。走行距離54K 13.500歩。
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ご来訪のついでに下のバナーをポチッと。
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甘楽・宝積(しゃく)寺の南に位置する山の中。お菊とは?
手っ取り早く「菊女蛇責」の事を記した「小幡伝説」の要旨を引用する。「上総介信貞殿、菊という女を召し使ひ給ひけるが、或る時、この女信貞殿への御膳を据ゑけるに何とかしたるけん、御食椀の内へ針を取り落としけるを知らずして御膳を据ゑければ菊が運命の尽くる時か。信貞殿(おのれ我に針を呑ませ殺害せんとしたる曲者
なり。言語道断の奴、身を寸々に切り裂きても飽きたらぬ)と下部共に申付けられ蛇を数多く取り集め大なる桶に菊を裸にして押し
こめ、蓋の穴から蛇を入れ塞ぐ。蛇共中にて上になり下になり?合ひ潜合ひ夫より菊が身の内に喰い入る。
其の桶を宝積寺山の奥なる池に沈めける。懸かる所へ小柏源六という侍、猪狩りに立出て其処を通りけるが、女の泣き叫ぶ声聞えければ池の邊に立ち寄りて見てあれば桶一つ浮かび女の首計り出してあり。源六不憫に思い弓の弭にて掻き寄せ桶の蓋を打ち破れば蛇共夥しく出でにけり。女喜びて誰様にておわしますと問いければ小柏源六なりと答う。女申すよう、このご恩には今より後、御家の中へ蛇参りても怨を致させ申すまじ、御心安かれと云う声と共に死にけり。さるによって小柏の家にては其の子孫今に至りて繁盛す」と、まあ こんな話だ。その現場と伝えられるのが、これから行く菊ヶ池。
R-18の岩井からR-10に乗り換えて富岡に向かう。下高尾でR-197、
福島を経て小幡の町中を抜けて宝積寺から0.4Kのこの東屋に駐車。
写真右に見える細い林道から登山開始。ここは「水越沢」の右岸。
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沢側の事故防止用金網のフェンス沿いの道が続くが沢は直接見えない。
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何基かの堰堤を見ながら登り最後の大堰堤。
その先が崩落沢の手前。ここは南牧村に大水害を齎した2007-9-11の9号台風の余波で
大崩落を起こした沢(9.21)。
見上げると大分落ち着いて来ているが真中には細い流水、両サイドはかなり面倒な
藪と化している。
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別のルートを探して一寸戻ってこの林道に入って見た。だが
高度を稼ぐのは最初だけで山筋を平坦に迂回するだけで駄目らしい。諦めて再び
崩落沢(9.41)。
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右岸の藪を進んだらやがて左岸に修復された道が現れる。道と
云っても沢筋を固めたようなものだが。
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この倒木で直進は不能、大木を潜って右に迂回してからぐるっと
廻って元の道に復帰。
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蛇行しながら歩き易く落ち着いては来たが、傾斜の増した道を進むと
錆びで読めないくらいの「菊ヶ池」のへの道標。ルートには間違っていないと一安心(9.58)。
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やがて、左上方にガードレール、カーブミラーも新品らしく光ってる。
こんなところに新道? 良く考えたら天狗山途中の桜の園手前で
数年前から林道工事をやっていたからそれがここまで伸びたのか?
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何となく合流すると幅広の立派な車道、
だが分断された旧林道は何処へ行ったのかな? 繋ぎを探しながら
車道を100Mほど登ると道標で再び林の中へ誘導される。
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ここは左右に分岐、矢印は右を指しているが、途中で鷲翎山を
北尾根から乗り越してみたいので左の藪道を行く。「しゅうれい山」とは地形図に
600Mとだけ記載されている小山だ。
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遮二無二、藪を突っ切って北から山上へ。僅か等高線四本。頂上には図根点や境界杭。
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鷲翎山を西に乗り越しで林道に復帰、再度の分岐を左に曲がって
こんな道を上り詰めると、左に熊倉山からの大稜線の垂れが
近づく。
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大岩の折り重なる菊ヶ池に到着、池と称するのは右下だが
その痕跡は無い(11.12)。
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岩山に登ると「空菊女之霊位」や仏像、石宮など。
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小休止の後、もう一登りでお菊の祠に到着。熊倉山からの吹き降ろしで猛烈な
寒風が吹き付ける。
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祠の中はこんな感じ。
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記帳してから持参の鎮魂の鈴や線香などを供えて参拝。菊女のために栞を
残した(11.33)。
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何時もはここから東に廻って林道を下るのだが寒風の中、全てが
日陰なので、今日は往路を新車道合流まで引き返し陽だまりで昼食。
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今度は新道の探索にかかる。林道の防災壁の下段には林道開削時の伐採材を
利用したのか? 丸太が利用されている。
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長い蛇行道を下ると西に妙義と浅間が重なって見えた。
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最後は強烈な急登を大きく蛇行して林道の頂点に向かう。やがて想定どおり
桜の園手前で天狗山への道に合流(12.57)。
この道の車走行が可能となったからにはこの辺のハイクコースの
組み合わせは激変するな。
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駐車場所までの1.6Kを山々を眺めながらのんびり下り、帰着は
(13.27)。表示は林道起点まで2.5Kとあるがそれは寺を通り越してR-197に出る
地点までのこと。因みに寺は起点から0.5K。
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序に折角だから宝積寺に寄り道。正面に巨大な「菊女観音」
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本堂の裏の墓地に小幡氏歴代の墓地と並んで菊女とその母の墓。
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本日の伝説探訪は終了。走行距離54K 13.500歩。
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