汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

短歌 2

2015年06月21日 | 短歌
手を招く淀む白月渾沌の我見失うままに連れ去る

繋いだ手見つめ紛うは風下に消ゆる蜉蝣声に出せずと

白波の立つ瀬に貴女俯いた顔にくすむは愛亡き姿

熱帯夜踊り明かすは胡乱な瞳茹だる叫びにしなる肉体 ※瞳(め)

一滴想い知れずと流れるは琥珀の涙浮かぶ月影

小波に揺られし霞果てし無く幻想混じる朧な瞳

風の中振り向き様に舞い上がる枯葉の陰に見つめる瞳

温かいその手につられ張り詰める瞬きの瞬間触れ合う心 ※瞬間(とき)

風下へ消える眼差し冷酷な時間を行き交う不意のくちづけ ※時間(とき)

抱き締めて融け合う愛に感じるの知り行く程に離れる心
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短歌 1

2015年06月21日 | 短歌
最果てに待ち侘びるのは恋情と覚す体温掠める涙

予期せぬと身体溶け合う恋情に覚束ぬ手の観る月の夜に

潮の音眠りに落ちた流る葉のあなたの声に満たされるまに

黄昏に沈む瞳の暮れなずむ想い流離う河川の光り

触れ合えば悲しみの待つこの絆触れられぬ距離だから判るの

確かめる貴方の向く眼いずれ逝く季節の中でまた還る時

静寂の街影融ける赤月に燃ゆる花弁残像の刻

春時雨舞う花びらに霞み行く想い象る接吻の跡

優しき眼月影揺れる湖に沈む涙と弔いの花

寂しげに見つめる貴女その手には萎れた薔薇の恥じらいの微笑
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