汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

短歌 3

2015年06月27日 | 短歌
鼓動する海鳴り潜む胸の奥瞳に問うはあなたの姿

揺れる舟そよぐ海原嵐の眼彷徨い果てる嗤う月の夜

町陰に偲ぶあなたの顔浮かぶ風に吹かれし弔いの鐘 ※偲ぶ→しのぶ

騒々し空に暗黒撒き散らす寂れ人影豪雨の跡で

泣き叫ぶ暗雲の道風なびき町の崩壊友引の朝

安らかな寝顔の陰に木漏れ日の散る花の相永遠の旅

艶やかに舞い散る仕草誘惑を象る瞳風下の哀

心地良く沈む鼓動に降り積もる海雪の声流浪の闇へ

笑い合い暮れなずむ一瞬見つめるも心静かに 交わす接吻 ※一瞬→とき

手を取りて火照る花の散りゆく間交わす視線に映る蛍火
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溶け行く輪郭から流れ出る喧騒

2015年06月27日 | 奇想の詩
寂れた町 溶け行く輪郭から 流れ出る喧騒
奏でられし リズム 町の灯りは煌々と 唸り続けて
人々の陰を 押し流して行く

やがて散り散りになった 人々が溶けて行く
町の喧騒は 華々しい 旋律を奏で
溶け合う人影が 重なるように 降り積もる
唸り 熱微睡む 赤い肉体は 交わり合い
跡形も無く この町の形を 溶かしていく

寂れた町が 音を立てて 崩壊するとき
あなたの胸の内には 確かな鼓動が 発生する

人々の 声が 煌々と 唸り続けて
寂れた町の存在を 掻き消して行く
この熱のうねりに 身体は 高揚する

あなたの声が 掠れたまま 夥しい人影に流されて
喉を締め付けられながら 窒息して行く
町の喧騒は 夥しい人影に 煌めきながら
あなたの存在を 掻き消してしまう
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光の中で息絶えるまで

2015年06月27日 | 妖艶の詩
胸元の薔薇 刺々しい肌の傷に 滴る吐息
わだかまりを抱え 記憶の隅に 隠れていた情景が
嗤う あなたの口元に 蘇る

一瞬の煌めきに ほとばしる 感情の綾を
辿る指が 悲しそうに 滑る
想い焦がれ あなたの肌に遺る 傷に 接吻する
張り詰めた感情が 鼓動を高め
鮮やかなる 光の中で 息絶えるまで

ずっとそばにいて欲しい
その眼の奥に輝く 虚しさは 何処までも深く
この身体の芯まで 食い込んで来る

さらなる奥地へ 行きたい
甘い香りに そそのかされて
あなたが微笑む その幻想の彼方まで
いつまでも揺蕩っていたい

終わらない瞬間に 酔い痴れ
裸のままの 薔薇が 散って行く その時まで

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肉体への迷宮

2015年06月27日 | 妖艶の詩
弾ける言葉の 瑞々しい
滑らかな 口溶け
その唇に 燻る 感情は
視線の流れる方へと 堕ちてゆく

視線を交わし 身体を求めて
あなたの声に 陶酔した唇が
呼吸のリズムに重なり合う
愛蕩ける 暗黙の瞳に触れ
渇くこの身体が 悦びに満ちる程に
あなたは 寂しげに 微笑んで 涙を流した

その涙の 醸す 寂しさに
触れたくて この身を捧げたい
強く抱きしめる度に 感じるの
ねえ 愛を知る程に 離れて行く あなたの瞳は
もう 二度とは 感じられないの

あなたに溺れ くちづけ交わす その眼には
鮮やかなる死の匂いが 立ち込める

ねえ この身体が 溶けるまで
あなたの優しい声を聴かせて
渦巻く この心臓の高鳴りは
身体交わる最中の 吐息に呼応する 肉体への迷宮
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