静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

平成30年度(第49期生)をふり返って 3

2019年03月22日 09時20分16秒 | 所感

5月の実習はカッター訓練が加わります。    
毎年
 「手にマメができた」
 「ケツが痛いから休みたい」
 「手を抜いているやつがいる」
 ....
などの不平、不満が続出するカッターです。
49期生は、それを職員にこぼす生徒がゼロ。
これは、本当にすばらしかった。
仕事でも与えられたことを、しっかりやってくれるでしょう。


一方、残念だったのが魚をおろす練習。
これは生徒に責任はありません。
魚を提供してくれる水産技術研究所が少し離れた影響なのかな。
もらえる魚が減って、練習する回数が少なくなりました。
ちょっと残念です。
50期生は人数が増えるので、練習用の魚の確保を考えないといけませんね。


Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
学園の見学、お待ちしてます。
詳しくはホームページをご覧ください。

 園長のつぶやき
県職員の異動内示がありました。
(航海専攻担当のM先生が近くの水産技術研究所に異動です)

学園は1人が転出で、転入が2人。
つまり、プラス1です。
職員が増えるなんて、県の職場ではめったにないんですよ!
それだけ、学園が大事にされていると言うことです。

転入の1人は、元学園の職員。
ちょっとブランクはありますが、スタートからエンジン全開でやってもらいます!
機関担当ですしね!
もう一人は航海担当となる水産技師。
彼は学園の経験はありませんが、乗船は慣れているし、適応力も高い優秀な人物。
こっちもガンガンやってもらいます。

あとは園長を替えれば完璧!
...なんですが、もうしばらく先になりそうです。

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平成30年度(第49期生)をふり返って 2

2019年03月20日 09時29分21秒 | 所感

話しは49期生に戻ります。
入学後に、さっそくロープワークの実習が始まります。
ロープワークを練習するとき、お馴染(なじ)みなのが、この光景。



実習棟にはロープワーク練習用の手すりがあります。
この手すりを使うんですが、問題があります。
 先生が生徒の手元を見にくい
 ムダにロープを力まかせに引っぱる生徒がいる
 先生を背にするので、見られていないと思っておしゃべりが増える
・・・などです。
私としても、「写真が撮りにくい!」と言う切実?な問題があったりします。

そこで、人数が増える50期生には別の方法でやります。
ヒントは「さば祭りのロープワーク教室」にありました。


実習棟で使うものを職員が自作しました。
実物は4月にご紹介します。

そして、「わかたか実習」。
初めてのときは、べた凪が多くなります。
それでも、毎年数名が船酔いダウンです。
なかには船酔い初体験でビックリする生徒もいます。


わかたか実習も、来年度から少し変わります。
それは船の生徒定員が20人となっているからです。
分割して乗船させるしかありません。
ただし、午後は風が吹いてくることが多くなります。
どうなるかなぁ?

ご質問のEメールはこちら。
学園の紹介はホームページでもやっています。
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940

 園長のつぶやき
昨日、4月からの給食業務を委託する業者さんが入札で決まりました。
今年度とは違いますが、一昨年にやっていただ業者さんです。
学園の給食は小学校、中学校の給食と違いがあります。
それは、業務委託費を県で負担していることです。
県の予算は年単位なので、毎年業者さんと新しい契約になるんです。

内情を言うと、県の予算も厳しいし、学園は生徒数が少ないので現場で調理してもらうのは割高です。
以前は一部の食事を宅配弁当にしたときもありました。
苦労は多いですが、作りたての食事を提供することに拘(こだわ)っています。
漁船生活でも、食事は一番の楽しみですからね!

そんな理由もあって、入札で無事に業者さんが決まると私も一安心です。
毎年、入札の日まで心配です。

業者さんが変わると、食事のメニューもガラッと変わります。
4月からはどんな食事を作ってもらえるのか?
私も楽しみです。

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第50期生入学オリエンテーション

2019年03月19日 09時35分17秒 | 学園行事

平成31年度入学の第50期生。
最初の行事である入学オリエンテーションを行いました。
いよいよ新年度の始まりです!
新入生が26人となり、研修室もいっぱいです。
北は岩手県、南は鹿児島県まで日本各地から学園に来てくれました。
中学卒業生も10人に増えました。


そして、なんと。
現役漁師が1人います。
これは学園初じゃないかな?

入学式で生徒代表の「誓いの言葉」を誰が言うかも決めました。
あっさり、最年長に決まったようです。


さっそく、実習服やサンダル(学園の上ばき)の採寸をしました。
入学式までにネームの入った実習服を用意します。


希望者には寮の見学をしてもらい、持ち込む私物を考えてもらいました。


それでは、50期生の皆さん、入学式にまたお会いしましょう!
入学者は増加しましたが、このまま全員が卒業して欲しいと切に願ってます。

Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
今週末は学園の見学会があります。
詳しくはホームページで!

 園長のつぶやき
来年度の入学生と久しぶりの再会でした。
これまでも、学園見学、入学試験、漁業就業フェアなどで会っていますからね。
さすがに全員、緊張(きんちょう)した表情でした。
この引き締まった気持ちを忘れず、一年間がんばって欲しいです。

さて50期生の特徴(とくちょう)です。
現時点で分かっているのは中学卒業者が多いこと。
約4割になります。
中学卒は減少傾向だったのに???

私も中学生に対して
「高校に行かずに漁師になる」
ことをお勧めはしてないですから。

私の印象では中学生とは言え、しっかりした人が多いです。
だから「なんとなく高校進学」とは考えなかったのでしょう。
自分の仕事を考え、何をするべきか考えた結果だと思います。
学歴という看板に惑わされず、学園を選んでくれたことをうれしく思います。

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平成30年度(第49期生)をふり返って 1

2019年03月18日 09時33分14秒 | 所感

年度末と言うことで、一年をふり返りたいと思います。
まず入学オリエンテーション。
ここで私が入学者に話したのは
「入学おめでとうは言いません。
 私がおめでとうと言うのは卒業式です。
 全員が卒業してください」
と言うこと。


オリエンテーション前に問題が起きていました。
入学試験合格者の入学辞退です。
それも「併願校に行く」なら例年あります。
どうも理由を聞いてもハッキリしません。
「気が変わった」ってことでしょうけど、私はショック。
その結果、追加募集も間に合わず、入学者が19人でスタートしました。

そして、入学式。
1人の生徒が来ていません。
入学式のスタート時刻を集合時間と思っていたんですね。
結局、ギリギリで間に合いましたが式の前から職員は疲労困憊(ひろうこんぱい)でした...


式後にさっそく整列と点呼の練習を行い、旗の掲揚を指導。
みんな表情が硬いのがなつかしいです。


波乱の幕開けとなった49期生。
果たして卒業できるのは何人いるのか?
毎年、職員の悩みは尽きません。

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今週末は見学会があります。詳しくはホームページで!

 園長のつぶやき
ある入学辞退者です。
親に「タバコが吸えないのはガマンできない」と漏らしたそうです。
でもね、この人は高校を出ていますが未成年です。
いろいろ聞くと、タバコは口実。
引きこもりの過去もあって、寮で集団生活をする自信がなくなったのが本音のようでした。

彼のような人は実際には多くて、その場合、ほとんどは学園の受験すらしないと思われます。
彼は勇気をだして受験をした。
もう一歩のところまで来ていたんです。
もったいないなぁ。

集団生活に馴染めない若者は明らかに増加しています。
例え漁師でなくても、周りの人と協調して生活するのは社会人の基本です。

だから、集団生活への適応(てきおう)は誰しも通る道なんです。
あと一歩、踏み出す勇気が未来を拓(ひら)くんですよ。

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近海カツオ漁船と遠洋カツオ漁船

2019年03月15日 09時06分02秒 | その他

宮崎県高等水産研修所のブログに、近海カツオ一本釣り漁船の出港がアップされていました。
https://blogs.yahoo.co.jp/kotosuisan_kenshujo/69008435.html
https://blogs.yahoo.co.jp/kotosuisan_kenshujo/69009525.html
宮崎は近海カツオの水揚げが多く、このクラス(119トン)の漁船が多いみたいです。
どのくらいの大きさかというと119トンです。

一方、静岡では近海のカツオ船は激減しました。
今は御前崎に一隻しかありません。
かつてはたくさんあって、卒業生も多く就職しました
現在の学園卒業生は遠洋の大型一本釣り漁船に就業します。
500トン前後ある遠洋カツオ漁船はこんな感じです。


同じカツオ船でも、近海と遠洋では違いはたくさんあります。
カツオを釣り上げることは、小型船の方が適しています。
船が小さいと、甲板が海面に近いので釣りあげるのが楽だからです。
その代わり、船が小さいので居住区は窮屈(きゅうくつ)になりがち。
他にも航海日数や、漁場(魚を捕る場所)、給料など違いはたくさん。

就職する人は、事前にどう違うか確認するのをお勧めします。
もちろん、学園生には学校で教えます。

でも、カツオ漁船に就職するなら大型船の幹部を目指しませんか?
あなたには、その適性があるかも知れませんよ!

Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940

3月16日に朝日テレビ系列で放送のごはんジャパン。
学園の47期卒業生(21才)が乗るサバ漁船が登場です。
こちらは全国放送です!
https://www.tv-asahi.co.jp/gohan-japan/

 園長のつぶやき
漁業就業支援フェアでは、漁師になりたい人とお会いします。
そこで思うのは、
「漁師という仕事をあまりに知らない」
ことです。
  知らないからフェアに来た・・・
ってことなんでしょう。

ただし、漁師の仕事がわかり、各漁業会社のブースを廻れば、自分に合う漁業が見つかるか?
・・・と言えば、難しいと思います。
一番の問題は、「自分の適性は自分ではわからない」と言うことです。

上で書いたカツオ漁もそうですが、例えば「まき網」。
近海で行う10トン以下のものから、500トン以上の「海外まき」もあります。
魚を網でまいて捕るのは同じ。
でも、日数も、給料も、必要な資格も大違いです。
なので給料だけで選んでも、適性が悪ければ続きません。
学園では、それを職員がアドバイスするとできます。

どんな仕事でも、就職するまで詳細は分かりません。
でも、漁師の仕事は一般に知られていないだけに、想像と現実のギャップが大きいんです。
それだけにアドバイザーの重要なんですよ。

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