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■鈴木秀明展 (2月1日まで)

2009年01月29日 23時59分06秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 Suzuki Hideaki,painter,lives in Hakodate.
 He paints pictures by "Illusinistic Rearism".
 Destoyed sculuptures and ruind gardens are his main motif. Decadand mood like the end of the century in Europe covered his works.


 鈴木秀明さんは函館在住の画家。新道展や美術文化協会北海道支部展、北海道現代具象展で、毎年精力的に発表をしているので、作品をご存知の方も多いことでしょう。
 ただし、札幌での個展となると、意外に少ないわけで、大作を中心に9点を展示した今回、個展ならではの見ごたえがありました。

 なんといっても、会場に入ってすぐ、左手の黒い壁にかけられた「NECROPOLIS」が圧巻です。
 193.9×390センチという巨大な画面に、鈴木さんらしい、崩れかけた石彫、がれき、色づいた葉などが、ひしめいています。
 この崩壊感覚が、彼の絵画世界の中核をなしているといえそうです。
 ちなみに「ネクロポリス」とは、(とくに古代都市の)大規模な共同墓地の意味。たしかに、背後の直方体は、古い石棺のように見えます。

 ロビーの「三美神」も、キャンバス3枚からなる超大作。
 もちろん、ルーベンスのような華麗な三美神ではなく、石化した直方体の中から掘り出されたばかりのような女性を中央に、左のキャンバスには朽ちかけたトルソが、右側は古びた立像が、それぞれ描かれ、世紀末の様相を感じさせます。

 「古代追想」は、背景がユニーク。古代ギリシャの壺絵を思わせる素朴な人物画が、金箔に描かれているのです。
 鈴木さんにはめずらしいアプローチですが、日本画っぽいところはほとんどありません。

 展示方法がおもしろいのは「古代追想2」。
 壁が折れ曲がる角の左右に、縦に細長いキャンパスをくっつけて掛けています。
 したがって、双方の画面を同時に見ることができません。
 右側にある絵は、なんだか、ハンムラビ法典が刻まれた古代の柱のようにも見えます。

 そのほか「追想」「春を呼ぶ女」「地」「残照」「想」。
 西2丁目通を歩く人にも窓越しに見えるよう展示されている、冒頭画像の絵は「残照」です。


2009年1月12日(月)-2月1日(日)9:00-18:00(最終日-16:00)
STV北2条ビル エントランスアート(中央区北2西2 地図A

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