今回の、2月25日で閉幕した札幌国際芸術祭SIAF2024について小川秀明ディレクターは「100年前の札幌、100年後の札幌」なんていう言い方をしていましたが、とりわけ100年後=未来に関して言えば
気候変動
が、最大のテーマになっていたことは、多くの皆さんがすでに気づいていることと思います。
欧洲ではとりわけ強い危機感を抱かれているイシューですが、日本は昔から気象災害が多いということもあって、それほどの話題にはなっていないというのが、正直な現状だと思います。
そして、その中心的な議題を象徴的にとらえた作品が、地下街オーロラタウンで、さっぽろ雪まつりの期間中にループ上映された、この「Climatic Reflector」ではないでしょうか。
三菱電機統合デザイン研究所+慶應義塾大学脇田玲研究室によるこの作品は、複数の作品からなっていました。
・ウグイス、桜、アブラゼミ、アキアカネといった過去66年分の季節の風物詩をデータに基づき可視化したReflector “PHENOLOGY”
・過去60年で海中に蓄積された特定フロンのデータを可視化したReflector “FREON”
・南極オゾンホールの42年間の観測データを可聴/可視化したReflector “SONIFIED OZONE”
・海面が上昇した札幌附近をAIが予想して地図に落とし込んだReflector “WATER CITY”
です。
なかでも分かりやすかったのは、Reflector “WATER CITY”でした。
その予想によると、海岸線は大きく南に進出し、現在の茨戸や屯田、石狩市花川などは水没して丘珠空港附近までが海になります。
「五六水害の実況図じゃん」
などと冗談を言っている場合ではありません(1981年の水害では、札幌市の北区、東区、白石区など広い範囲が冠水した)。
世界で唯一天然の雪を保存している施設が観光地となり、シークワーサーが名産になるというテロップも出ていました。
シークワーサーが名産、と明るく言われても…。
逆に「これはヤバいのでは」と思わせる感じがあります。
これらの映像では、手前の列にすわった観客のシルエットが、作品に取り込まれていました。
小さなビデオカメラがスクリーンのすぐ前に置かれており、それを反映させていたようです。
「ひとごとではありません。あなたも当事者なんですよ」という作者のメッセージだったのでしょう。
2024年2月5日(日)~11日(日)午後5―10時
地下街オーロラタウン・オーロラプラザ
気候変動
が、最大のテーマになっていたことは、多くの皆さんがすでに気づいていることと思います。
欧洲ではとりわけ強い危機感を抱かれているイシューですが、日本は昔から気象災害が多いということもあって、それほどの話題にはなっていないというのが、正直な現状だと思います。
そして、その中心的な議題を象徴的にとらえた作品が、地下街オーロラタウンで、さっぽろ雪まつりの期間中にループ上映された、この「Climatic Reflector」ではないでしょうか。
三菱電機統合デザイン研究所+慶應義塾大学脇田玲研究室によるこの作品は、複数の作品からなっていました。
・ウグイス、桜、アブラゼミ、アキアカネといった過去66年分の季節の風物詩をデータに基づき可視化したReflector “PHENOLOGY”
・過去60年で海中に蓄積された特定フロンのデータを可視化したReflector “FREON”
・南極オゾンホールの42年間の観測データを可聴/可視化したReflector “SONIFIED OZONE”
・海面が上昇した札幌附近をAIが予想して地図に落とし込んだReflector “WATER CITY”
です。
なかでも分かりやすかったのは、Reflector “WATER CITY”でした。
その予想によると、海岸線は大きく南に進出し、現在の茨戸や屯田、石狩市花川などは水没して丘珠空港附近までが海になります。
「五六水害の実況図じゃん」
などと冗談を言っている場合ではありません(1981年の水害では、札幌市の北区、東区、白石区など広い範囲が冠水した)。
世界で唯一天然の雪を保存している施設が観光地となり、シークワーサーが名産になるというテロップも出ていました。
シークワーサーが名産、と明るく言われても…。
逆に「これはヤバいのでは」と思わせる感じがあります。
これらの映像では、手前の列にすわった観客のシルエットが、作品に取り込まれていました。
小さなビデオカメラがスクリーンのすぐ前に置かれており、それを反映させていたようです。
「ひとごとではありません。あなたも当事者なんですよ」という作者のメッセージだったのでしょう。
2024年2月5日(日)~11日(日)午後5―10時
地下街オーロラタウン・オーロラプラザ