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■第4回生田宏司 銅版画新作と自選展(2018年4月12~25日)と、さっぽろ東急内の画廊の移転改称

2018年04月19日 16時59分28秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の百貨店のうち、三越と大丸には画廊があります。
 丸井今井は2014年末でなくなり、カテプリやロビンソンには無いようです。
 東急画廊は5階にありましたが、東急ハンズが南1条通の店を閉めてさっぽろ東急百貨店内に引っ越してくるのにともない、店内の配置がいろいろ変わってきていまして、3月から6階に移りました。
 名前も「プレミアムスクエア」となりました。

 5階時代は、ほぼ正方形の形状で、中央に大きな柱がありましたが、こんどはやや奥に長い長方形です。
 若干狭くなったようですが、柱がなくて見通しは良くなりました。壁の面積はそんなに変わっていないように感じます。

 これまで東急画廊は、道外の画家の個展や、いかにもデパートっぽい「世界の名作版画展」といった展覧会を開くこともあれば、「クラフトAger(アゲル)」を運営する「いぷしろん」主催の工芸・クラフト展も行うことがあり、さらにはブランドバッグのセールなども日程に入るなど、さまざまな使われ方をしてきました。
 今後どうなるかはわかりませんが、東急ハンズ移転で全体の床面積が小さくなるなかで、とにもかくにも画廊が残ったことは、ありがたいことです。

 新装なった「プレミアムスクエア」で現在ひらかれているのは、生田宏司さんの銅版画展。

 非常に精緻に、猫やフクロウ、花などを描写しています。
(ギャラリーの方によると、自宅でも猫を5匹飼っているらしい)
 メゾチントならではの濃厚な黒が魅力的ですが、この作者のすごいのは、その黒を生かしたままカラーにした作品があることです。
 「芍薬しゃくやく」など、闇をバックに浮かび上がる赤い花が、シンプルな写実にして同時に幻想的であるという、深みのある世界になっています。セキレイなどを題材にした作品も見応えがあります。
 このような、濁りのない多色を駆使する銅版画家は、ほかにあまりいないのではないでしょうか。

 一方、フクロウを何羽も配した「古木守 コタンコロカムイ」や、仲の良さそうなフクロウと猫を並べた「結婚」など、半数以上の作品はモノクロです。
 色はありませんが、毛並みや羽のリアルな描写には驚かされます。

 版画が好きな方は足を運ぶ価値があると思います。

(一昨年が「第3回」で、昨年には回数表示がなく、今年が「第4回」である理由はよくわかりませんが…)


4月12日(木)~25日(水)午前10時~午後8時(最終日は5時閉場)
さっぽろ東急百貨店 6階 プレミアムスクエア(中央区北4西2)

※21日(土)午後2時からと22日(日)午前11時から作者在廊




生田宏司 展覧会最新情報 ~Koji IKUTA recent schedule of the Mezzotint Exhibition~

第3回生田宏司 銅版画(メゾチント)新作と自選展 ~マニエール・ノワールの世界~ (2016)


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