高齢者が増えていくにつれて、中高年の女性に対する呼び方が迷走している。
昔は女の子から成長すると、おねえさん、おばさん、おばあさんとその年代によって呼び方が変化して、それに対して特に文句をいう人もいなかった。
しかしある時期から、「おばさんと呼ばれるのは許せない」という女性が増えた。
還暦を過ぎたら明らかに老人に片足を突っ込んでいるが、現代は昔に比べて精神も肉体も若いので、とてもそうは呼べない。
老人をシニアと言い換えたりしているが、実態は同じなのに表現を変えて錯覚させる方式もあるが、「おばさん」はいったいどう言い換えたらいいのか。
マダムと呼ぶのもおかしいし、美魔女と呼ぶのも変だ。
結局便利に使い始めたのが、「女子」だ。
10代から20代までは「女子会」でも全く問題ないと思うけれど、30代からはちょっと恥ずかしい気がする。
しかし実際はそうではない。
40代から60代まで使っている。
中高年の女性が、同性で集まるときに、平気で「女子会」という神経がわからない。
だいたい「女子会」といったって、自分たちが若返るわけではない。
「ふん、ただのおばさんの集まりじゃないか」、と言いたくなるのを、ぐっと我慢しているのであった。