真綿色したシクラメン
冬を彩る花。
その品種は、はかりしれないほど多いと思いますが、昔ながらのシンプルな花がいいですね。
顔は常にフワフワした柔らものに覆われがたっている。
冬、マフラーを首に巻いて最後の一巻きで口の周りを覆う。
顔の下半分にマフラーの障壁ができ、自分の吐く息で障壁の中が温かくなったとたん、なぜか急にほっとする。
ほっとして自分を取り戻す瞬間でもあり、世間から離れて我に返る瞬間でもある。
だったら顔半分ではなく、顔全体を覆ったほうがより効果的ではないか、という意見があると思う。
もっともだとは思うが、それだと前が見えなくなっしまう。
マスクでも同様のことが起こる。
マスクをして口の周りが温かくなったとたん、同様な経験をする。
マスクの場合は、急に世間が遠ざかったような感覚も同時に覚える。
顔の皮膚感覚が、マフラーやマスクに接触した瞬間、五感がもたらす様々な刺激のうち、皮膚ほど個々の快・不快を誘起するするものはないでしょうか。
本日の一句
マスクして しばし世間を 遠ざける
お粗末…