料理の香りづけにするか、冬至の晩に入る風呂に浸けるかで、他にあまり出番がない柚子。
同居ばばが思い付きで梅酒、ならぬ柚子酒を造ると言って張り切っている。
遊び心なので失敗しても、それはそれで楽しいかな。
なんて思ってる次第 
ささやかなヨロコビであります。
テレビショッピングやCMは何であっても、視聴者に対して「あなたにはこれが足りない」「これを使っていないと損をする」「持っていないと遅れてますよ」と不安感情を駆り立てるようにできている。
高齢者をターゲットにした商品は、とにかく痛み、しみ、口の臭いなど、老いに強く訴えかけるものが目立つ。
有名なタレントではなく、一般人に近いリアルな中高年を登場させ、そしてその痛がり方も「ちょっと痛い」というような軽いものではない。
ソファから立ち上がったとたんに、明らかに普通ではない姿勢で腰を押さえたり、一歩踏み出したとたんに崩れて膝に手を押し当てて顔をしかめ「ぐああ」「ぐおおお」といった苦悶の叫び声が聞こえてきそうな表情なのだ。
明らかに「これは尋常ではありません」といった雰囲気の作り方になっている。
高齢者は「これは私も同じ」「今はそれほどでもないけれど、俺もいずれはこうなるのか」と不安になるに違いない。
そこで薬がドーンと登場して、服用した人がどんなに身体が楽になったを説明する。
飲み忘れの心配がある高齢者のために、一日一錠でいいとか、彼らの心理をよく考えて作っているのだ。
おまけに値段の高さに対する不安にも応えて、今すぐ申し込めば初回のみ70パーセントオフなどというとてつもない値引き。
それを見て高齢者がお得とばかりに購入するのが目に見えるようだ。
高齢者の身体は、直球がツボに当たるととても痛いのである。
そこを財布を開けないでぐっと我慢するか、ヘナヘナとすぐ電話注文をしてしまうのかはその人次第だ。
騙されないと思いつつ、次はどんなCMが流れてくるか、じっと画面を見つめているのである。
