なにがうまいの、かにがうまいのといっても、結局のところお腹をすかせて食べるものが一番おいしいのである。
「すきっ腹に、まずいものなし」と昔の人も言っている。
「ウーン、このレストランのステーキの肉は、どうも旨くありませんな」
「そうですな、やはり○○レストランの松坂牛の炭火焼、あれは美味しいですからねぇ」
などと話しながら食べている人は、要するにお腹がすいていない人なのである。
山登りなどして、山頂で食べた梅干し入りのおにぎりが、いかに美味であったか。
大抵の人は記憶があると思う。
こういうときに、おにぎりを食べながら「ウーン、このおにぎりのコメはどうも旨くないですなぁ」
「やはり宮城県のササニシキか新潟県のコシヒカリで握ってくるべきだったですな」などという人はまずいない。
おにぎりの中身たる梅干しについて言及する人もまずいない。
山頂で食べるおにぎりは、とにかくうまいのだ。
とにかくうまいものを食べたいと思ったら、とりあえずお腹をすかすことだ。
それには、とりあえず運動をすることだ。
マラソン大会で走り終わった後、疲れた足を温泉につかってモミモミとほぐし、内と外がぽかぽかになった後、カラカラに乾いたノドに流し込む冷たい生ビールの旨さ。
あれこそまさに、アタクシのささやかな人生のなかでは、大きなヨロコビであったのだ。
ということで、まずは歩くことから始め、そして少しづつ走れる体制に持っていきたい。
BS3の旅ランを見てたら、急にそう思った夜であったのでした。