豆本の製本前。
昔、越後と信州の境に大久保というところがあった。ここに蛇の住んでいる池があった。ある日、村の子供が遊んでいる足をすべらし池にはまってしまった。村の衆は蛇のしわざと、火をはなって蛇を焼き殺してしまった。かろうじてつがいの蛇は逃げることができた。そして泣きながら野尻湖に逃げた。その涙のあとが、いくつもの池になって残っている。村の衆は野尻湖へ用があって出かける時、決して大久保から来たとは言わなかったとか。
昔、越後と信州の境に大久保というところがあった。ここに蛇の住んでいる池があった。ある日、村の子供が遊んでいる足をすべらし池にはまってしまった。村の衆は蛇のしわざと、火をはなって蛇を焼き殺してしまった。かろうじてつがいの蛇は逃げることができた。そして泣きながら野尻湖に逃げた。その涙のあとが、いくつもの池になって残っている。村の衆は野尻湖へ用があって出かける時、決して大久保から来たとは言わなかったとか。