雪国の切り絵もいいなあと思い立ち、切り刻んだ。やりはじめた蔵票は一時ストップ。こういう状態だからストップの作品がかなりある。これが私のスタイルかもしれない。
まあ、いいか。白黒だけでなく、色紙も使おうと店に買出しにいった。買った紙を包装してくれた紙が良かったので、それを下部に使った。捨てるものでも、ボロイものでも使い道で生きるのだ。
ま、そういうことだ。ところでタイトルは「一本橇(そり)である。山から木を伐り出して里に運ぶ。春が近くなって雪がザラメになった頃、この仕事が始まるのだ。
こういう仕事は力仕事だから、昼めしなどおどろくほどの量を食べ、力をつけて仕事をしてたのだ。私のおやじも戦争から帰ってしばらくこれをやっていた。「肉がねえと力がでねえ」とおふくろにブツブツ言っていた。当時、田舎で肉と言えば鶏の首をしめるか、ウサギを捕まえるか・・・・それも毎日とはいかない。おふくろはどこから調達してきたかしらないけど、クジラの肉を使っていた。