川があればカッパの話がつきまとう。
中学までプールなどなかった。高校へ行ったら卒業の年、プールができた。だからプールで泳いだのは成人になってからだ。当然小さい頃から川がプールの変りだ。
それは姫川と言う川だ。姫というからおとなしい川と思ってしまうが、雪解けの頃になるとすごい濁流の川となる。
ある日、毎日のごとく友達数人と川遊びにでかけた。この川は小さなダムがあり、時々放流していた。今だと事前のサイレンを鳴らしたりする。当時はそういうサービスはなかったような気がする。それでもいきなりドーーンと来ない。じわじわと川の水が増えていくから気がついたら逃げるのだ。これが水遊びに夢中になってると危ない。その時、村会議員をやってる君が流されたのだ。私をふくめ他の者は逃げれた。これがまた石がぬるぬるしてすべってしまうので遅れたやつをかまっていられない。
流された彼はドンドン流され頭が見えたり、沈んだり・・・・・・・川が岩でくの字になるところで渦になり・・・・そこでアップアップしていた。こりゃだめだと覚悟して、見てるしかないのです。・・・・・・運がよかったのか。しばらくして水が引いて、彼が浮き上がってきた。
その時、これはカッパの仕業だと確信した。
川の水が引くと、逃げ遅れた魚がピチピチしてる。これを獲るのが楽しい。あのカッパの被害にあった村会議員をほっておいて魚に夢中だった。
帰り道、すっかり元気をなくした村会議員のために畑からスイカをいただいてみんなで食べた。
おいしかった。