熊本市は、市民の水道水源の100%を地下水で賄っている日本一の地下水都市です。
人口 73 万人を擁する都市で、水道用水の全てを 地下水で賄っているところは、全国でも例がありません。
先日、熊本市は国連から世界水大賞を受賞しました。
熊本平野を貫流する白川、緑川の主要河川、坪井川、井芹川などの中小河川や江津湖、八景水谷など人に
潤いとやすらぎをあたえる水辺環境も豊かですが、
地下水かん養量の減少による 地下水位の低下や、硝酸性窒素などによる水質の悪化がみられる事も現実です。
また、熊本市の地下水は、熊本市を含む11市町村からなる熊本地域に広がる地下水盆の帯水層に存在し ていることから、
広域的な保全の取り組みをしていることが今回の視察で理解できました。
熊本市の地下水保全活動は、
昭和 48 年度から2 カ年にわたって、熊本市と熊本県が共同で実施した「熊 本市及び周辺地域地下水調査結果」
昭和51年3月 健軍水源地近くのマンション建設反対運動をきっかけに市議会で決 議された「地下水保全都市宣言
昭和52年には「熊本市地下水保全条 例」を制定
地下水保全の組織を置き、熊本県や研究者等の協力のもと、地質や土地利用調査 など地下水流動機構に
関する調査研究や地下水利用の実態把握、地下水観測体制の整備を行いました。
水源かん養林事業や水田湛水事業などの水量保全事業や市民協働による節水市民運動、学校での地下水に
関する教育も行っています。 雨が降り地中に浸み込んだものが地下水として使われるまでに約25年かかるそうですから、
今の取り組みは20年以上先に結果が出るということになります。努力無しに質と量の確保は難しいのです。
佐倉市の水は65パーセントが地下水ですから、熊本市の取り組みに学ぶ点そして今後について考える点が多くありました。