こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

墓を守る?

2016年07月13日 00時58分45秒 | 文芸
暑いさなかだけれど、少しは涼しい朝早く、村の共同墓地に向かった。

実は、一角に権利を買った墓の予定地がある。5年前に墓地の管理を担当した隣人に、「ちょうど空いている敷地があるから、権利を手に入れて置いたらどうだ?」という親切な助言に従って手に入れた。2メートル四方で権利金5千円。村の住人ならこその破格な条件だった。

さて、墓地の予定地は手に入れたものの、すぐ必要なものでもない。自分の寿命が尽きた時に墓地の整備をすればいいわけだ。それはそれでいいのだが、それまでの管理が大変なのだ。

夏には雑草が生い茂り、見た目に甚だよろしくない。盆や墓参りの時期に多くの村人たちが墓参する。それぞれの墓をきれいにする中に、わが墓が草ぼうぼうでは弁解のしようがない。

梅雨に入った早々に草刈りをやったものの、温度の高さと〉雨が続いたおかげで、また草が敷地を覆っている。これはいかんと、草刈りにやって来たのだ。

墓地周辺も丈の高い草が目立つ。それをかき分けるようにして敷地にたどり着く。ちょっと手を合わせて、さあ、草刈り開始だ。

エンジン音がけたたましくうなる。刈り払い器を右左とふる。小気味よく草は刈られていく。やっと敷地の全貌が現れた。

それを眺めながら、思案を巡らす。あの当時と違い、最近は墓地不要論が注目を浴びている。多額の費用をかけて墓地造成を実現しても、果たして、わが子らが墓参を継続してくれるだろうか?

遠地で仕事をしていて、盆正月すら帰ってこない現状を見れば容易に予測がつく。墓は放置される定めかも知れない。

「う~ん……」悩みはいや増すばかりだ。ここ2、3年ぐらいで結論を出さないと、間に合わない。70に近づく体の衰えと健康不安、いつその時が来てもおかしくないのだ。

やけに暑い。振り仰ぐと、太陽が頭の上に移動している。暑くなる時間が来たのだ。手際よく刈り払い機を片付け肩に乗せて墓地を後にした。次は盆前に草刈りに来なければならない。

焦っても仕方がない。雑草の面倒を見ながら、わが墓のありようをゆっくりと考えればいいだろう。顔の汗をぬぐいながら、そう結論づけた。
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