夏休みになると、
いつも思い出す。
今は亡き兄と、
よく花火を楽しんだ。
性格は正反対。
年子の兄弟なのに、
花火の好みは極端に違った。
兄は打ち上げ花火。
私は手持ち花火。
中でも線香花火が
好きだった。
打ち上げ花火に火をつけるのは
兄の専属。
私は怖くて点火できない。
ドーンと上がった花火を眺めるだけ。
それでも花火に仕込まれた
小さい落下傘を拾いまわるのは
楽しかった。
手持ち花火も激しく噴き出すのは
兄に任せた。
「おびんたれやのう」
とからかいながら、
兄は得意満面に
花火をかざしたものだ。
打ち上げも仕掛けも怖かった私が、
線香花火だけは違った。
火薬部分が火の玉となって
か細い火花を散らしながら、
ポトンと落ちる時間の競い合いは、
なんといつも兄に勝った。
「こんなもん花火やあるかい」
負け惜しみで
文句をいう兄が
忘れられない。
兄が亡くなり、
打ち上げ花火は買わなくなった。
最近は線香花火を
ひとり楽しんでいる。
いつも思い出す。
今は亡き兄と、
よく花火を楽しんだ。
性格は正反対。
年子の兄弟なのに、
花火の好みは極端に違った。
兄は打ち上げ花火。
私は手持ち花火。
中でも線香花火が
好きだった。
打ち上げ花火に火をつけるのは
兄の専属。
私は怖くて点火できない。
ドーンと上がった花火を眺めるだけ。
それでも花火に仕込まれた
小さい落下傘を拾いまわるのは
楽しかった。
手持ち花火も激しく噴き出すのは
兄に任せた。
「おびんたれやのう」
とからかいながら、
兄は得意満面に
花火をかざしたものだ。
打ち上げも仕掛けも怖かった私が、
線香花火だけは違った。
火薬部分が火の玉となって
か細い火花を散らしながら、
ポトンと落ちる時間の競い合いは、
なんといつも兄に勝った。
「こんなもん花火やあるかい」
負け惜しみで
文句をいう兄が
忘れられない。
兄が亡くなり、
打ち上げ花火は買わなくなった。
最近は線香花火を
ひとり楽しんでいる。