こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

父のしあわせ

2016年07月19日 00時18分05秒 | 文芸
父の笑顔に接すると嬉しい。
親不孝しか、
してこなかった息子だから
なおさらである。
「親父の作品、
展示してみやへんか?」
 自分ができることは
これぐらいだと思い、
声をかけ、
実現した素人親子二人の作品展。
図書館を会場に
七月いっぱい開催している。 
九十三歳の父。
息子は六十七歳と老々作品展だ。
器用な父は絵や工作が趣味。
手元に残っていた武者絵を描いた和凧。
骨組みからすべて手作りの
大作が八点もある。
私は新聞の文芸欄に掲載された
小説やエッセーの切り抜きと、
二年前に絵手紙講座で学び
描き続けた絵手紙を、
百点近く展示した。
 理解しあえる創作の思い。
展示会など無縁の父に
夢を叶えてやれるのは、
私だけだった。
「お前しか
わかってくれへんわのう」
 展示された手作り和凧を眺め、
満足げに漏らした言葉。
くしゃくしゃになった父の顔が
、息子を幸せにしてくれる。
私にしかできない親孝行は、
なんとか成功したようだ
コメント
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