こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

運動会

2016年10月04日 00時23分22秒 | 日記
校区の小学校から
運動会の案内が届いた。
私も息子や娘らも通った母校だ。
「運動会か……?」
チラシのプログラムに目を走らせる。
準備体操……学級リレー……騎馬戦……!
もう子供らのすがたはないけれど、
ちょっと行ってみるかな。
もう運動会を毛嫌いはしない。
息子のおかげで、
わたしも成長したのだ。

60数年も前になるんだよな。
運動場で遊ぶより
図書室にこもっている小学生だった。
体育は大の苦手。
だから運動会は
大げさではなく
地獄の苦しみだった。
そんな私が
運動会を天国に思える日が
やって来た。

 
息子の運動会である。
親と違い
外で遊びまわるほうが好きなタイプ。
キャッチボールの相手をしても
ボールを受けられずに
オロオロするのは父親。
それでも、
息子が学校でも
運動を得意にしていたとは
考えもしなかった。

「集合!前へならえ!」

 目を疑った。
運動会の準備体操で
グラウンドに整列した
全校生の前の朝礼台。
立って笛を吹いているのは
紛れもなく息子だった。

 父親には別世界
そのものだった朝礼台で、
準備体操をリードするのは
わが息子。
その姿は輝き眩しい。
すぐぼやけた。
「イチ、ニー、サン、シー……!」
声だけが耳に心地よく響く。
嬉し過ぎ目が潤んで、よく見えない。

 騎馬戦の大将、
リレーのアンカー……、
息子の活躍に
人生初めて
運動会が好きになった。

あの日は
もう二度と戻らない。
最近は息子らも
めったに家に戻ってこないのが
現実である。
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