こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

懲りました

2016年10月05日 00時34分17秒 | 日記
芸能人の結婚披露宴の
ニュースをやっている。
司会は有名なアナウンサー。
さすがプロ、そつがない。
そういえば、
わたしも友人の結婚披露宴の司会をしたことがある。
人見知りで人前でしゃべるのが苦手だと
相手が知っていれば
まず頼まれることはなかったろうが、
当時の私は、
アマチュア劇団の舞台で役者のまねごとをやっていた。
それを見知っていた友人に頼まれたのが最初の司会。
ひやひやものながら、何とか務め上げると、
次の友人が頼んできた。
その友人、実は普通の仕事ではなかった。

「結婚披露宴の司会を
やって貰いたいんや」

高校時代のクラスメートの彼。
警察官で、
お父さんも警察官だったが殉職。
弟と妹も警察官の警察一家。

わたしはレストランのコック。
どう考えても釣り合わない。
第一、
高校を卒業後の付き合いは年数回、
それも同窓会でだけ。
個人的に頼まれるほどの間柄ではない。
それがどうして?


実は彼と共通の友人の結婚式の司会を
引き受けたことがある。
その司会ぶりを見て、
結婚する時は
絶対わたしに頼むと考えたらしい。

彼の懇願に、
ついに断れなくなった。

ところが、
警察官の結婚式は想像を絶した。
仲人の警察署長と面談、
警察官にふさわしい司会進行プランを練り、また署長と面談の繰り返し。

気が抜けず
緊張は積み重なった。

 
披露宴の客は警察官が目立った。
その独特の雰囲気に、
負けてたまるかと懸命に司会した。
終わった瞬間、
ガクッと力が抜けた。


「ええ司会でしたなあ。
ご苦労様でした」

署長の言葉に、
(終わった!)と
つい涙をこぼしてしまった。

それに懲りて、
もう二度と司会は引き受けなかった。

それにしても、
今となれば、
普通では味わえない
貴重な体験だったのだ
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