難聴者の生活

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情報通信審議会に放送アクセシビリティを説明

2008年03月02日 23時18分19秒 | 放送・通信
080301_1805~002.jpg080301_1810~001.jpg2月29日、情報通信審議会通信政策部会の「デジタル放送推進に関する検討会」で、視覚障害者、ろう者の代表とデジタル放送の放送アクセシビリティの確保が取り上げられた。
(※日経ITPro2008年2月29日)

情報通信審議会と言えば我が国の通信施策を決める重要な審議会だ。
放送と通信の融合を図る新情報通信法の審議も今回の地上デジタル放送の移行への問題を図るも情報通信審議会で協議され、国の施策、法案の元になったりする。

「地上デジタル放送推進に関わる検討会」で、デジタル放送の放送アクセシビリティについて具体的に取り上げられたのは平成16年から始まり35回を数える研究会で初めてだ。
デジタル放送は「誰にも優しい」ユニバーサルな放送になるはずだった。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/digital-broad/what.html

しかし、視覚障害者の聞く解説放送はステレオの片チャンネルを使う解説放送なので視覚障害者はステレオで聞けない。二カ国語放送は解説放送が出来ない。盛んに暄伝されている5.1チャンネルサラウンドは解説放送が出来るのかも分からない。

手話放送は、字幕放送のように見たい人が見たい時に見るクローズドのものは「クローズド・サインニング」は今の地上デジタル放送の規格では出来ない。
ということは、見える人のためのステレオ放送が優先されるのと同じで、視聴画面に手話が出る方式である限りは広がらない。

字幕放送はかなり拡充されてきたが、生放送の字幕表示方式や入力方式がまちまちなままだ。また、音声を聞いてから文字化するので映像と音声に遅れて表示されるので、理解が困難だ。
これも放置されたまま生放送の字幕が拡大されようとしている。

こうした事実が紹介された後、会場は静まりかえっていた。やっと発言した委員からは衝撃だった、全力で解決にあたるべきだとの意見が相次いだ。

大きな問題提起がされたので検討委員会は具体的に取り組む責任が生じた。村井純主査も検討委員会の責任を明言した。
後三年待ったなしだ。


ラビット 記
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