難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

ろう者にとっての電話

2008年03月27日 11時30分57秒 | 放送・通信
080325_0026~001.jpg080325_0028~001.jpg最近、ろう者と話す機会が続いたが、共通して、「電話」が一番強い関心ごとであることがわかった。

一人は、アメリカの大学で研究をしたろう者で、情報・コミュニケーション支援で一番求めるのは何か聞いたら即座に電話と挙げた。
アメリカでは電話リレーサービスが普及し、音声と文字による会話が「普通」に出来る。留学中は研究にも生活面でも電話リレーサービスを駆使していたのが帰国後出来なくなってしまったのだから、そのストレスは分かる。

もう一人は、聴覚障害者の相談支援に関わるろう者で、人工内耳について相談を受けているらしい。
人工内耳の機器のことや効果を聞かれたが電話が出来るなら奨めるという。相談している子供ではなく、自分の問題になってしまっているがあちこちに相談支援や支援の連携のためには電話が不可欠なのだろう。

中途失聴・難聴者は電話が出来る場合もできない場合もある。出来ない場合に電話リレーサービスは不可欠だ。


聴覚障害者は社会の中で活発に活動しようとすると、電話社会の壁に阻まれる。
これは通信サービスのアクセシビリティの問題だ。情報アクセシビリティのJISは制定されたがサービスは対象外になっている。JISは工業製品を対象にした規格だからという理由だった。

情報通信機器のアクセシビリティの検討をした情報通信アクセス協議会でも全難聴は、Webや個々の機器がアクセスフリーになっても、このシステムやサービスのアクセシビリティが確保されなければ十分でないことを繰り返し強調した。

その結果、通信機器のJISの付属文書にはシステムとサービスが課題であることが記述されている。
日本が主義した通信アクセシビリティのガイドラインはITUの規格となったがそれには電話リレーサービスが含まれている。


我々の次の課題は「電話」キャリアの責任を果たすように求めることは間違いない。


ラビット 記