酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

さらにが。

2012-07-05 | 酒風景
さて、さらにがとは何ぞや。


昨夜、いつもの女将の店で。
ゴーヤーがあるけどどうする?と女将。

つまりは、さっと湯がいてお浸しのようにたべるか、豆腐とともに炒めるか、天ぷらにするかということなのだが、
対して自分、掻き揚げにしてと注文。

ゴーヤーはごく薄く切り、あまり大きくしないで揚げるのだよ。
また、衣を足したりしてあえて大きく膨らませることも必要とせぬ。

と、秋山小兵衛ふうに言ってみる(※)

やったことはないが、うん分かったと女将。


さすが女将。期待通り。

案外ゴーヤーは歯応えがあって、かみ締めると余計苦く感じるものだ。こうすることで、ゴーヤーの苦い食感がさらりと緩和され、旨い。サクサク感とともに楽しめるので飽きずに沢山食べられる。
そう、さらりと苦い。だから「さらにが」。

本来ゴーヤーはその苦さが旨く自分はそれを好物とするが、苦手とする者も少なくはない。そんな時にこそこの食べ方は有効。

これには女将も美味しいと言う。

夏であるし、苦い野菜はぜひ摂りたいものだ。

かくして、何を作るか客に問う店と、それに乗じてわがままをいう客の関係は、このように円満なのであった。

※秋山小兵衛=池波正太郎作「剣客商売」の主人公。剣の達人にしてグルメ。