酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

イメージ戦略

2012-07-28 | 旨かった話
昨日は土用丑の日。

この日に鰻を食べるメリットは特にないのに、すっかり楽しみにしている自分は何と小市民。
鰻は年に何度か食べるも、夏の鰻はなぜか美味しい。

平賀源内にすっかりやられているのである。土用鰻は、鰻の販売促進のために平賀源内が考え付いた口実だということはどうやら史実らしく、すなわち、単なる広告である。
戦時下の初等教育は別として、国民がこんなにも、まんまとイメージ戦略に乗せられた事例というのはあるだろうか。

という訳で、今年も友人デザイナーTが取引のつきあいで買った鰻のお裾分けに与る。


型も良く、味も良い。
さすが取引の鰻だけあってヘタなものはつかまされぬ(笑)。いや、これは失敬。焼き具合よろしく、確かにうまかった。

これはこれとして、たまには白焼きが恋しい。
コチラの地方では関東系なので白焼きはスタンダードではないものの、以前は白焼きで出す鰻屋が旭川にあり、その違いを知ることができた。しかし店主高齢につき惜しまれつつ閉店。以来、おのが近所では白焼きを口にすることがないのである。
何度か行き、それを肴に呑んだことがあるが、今思えばあれはあれで旨かったなと思い出す。鰻のイロハも分からぬ若造の頃、脂っこい感じが苦手であったが、今なら美味しい気がする。これはひょっとして、記憶の中で白焼きが美化されているのだろうか。