Rちゃん(小4):
発表会の曲、もう1曲。
「歌のある曲がいい。ドラマとかTVでやってる曲」と言っていたRちゃんに、先生の一存で 歌のない、TVやドラマでもない曲をソロ曲として納得してもらったので、連弾曲はRちゃんの希望通りJ-POP系にしてあげたいと思っていました。
でも、今 J-POPのトレンドは、 リズムも音程やコードもすごく複雑な傾向にあり、残念だけど、とてもRちゃんに弾かせてあげられるものがありません。
どうしようかなー、と思っていた時、Rちゃんがピアノの上にあった「歌は友だち」を見つけました。この間、Tくん(小2)が置き忘れていったのです。
「あっ、『歌は友だち』だ!これ、Rも持ってるよ。発表会、この中の歌でもいい?」
RちゃんはTくんの「歌は友だち」を手に取って、パラパラめくっています。
先生は、ちょっとホッとしました。
これまで大人っぽいドラマの曲ばかりを「弾きたい曲」として挙げていたRちゃんだけど、こういう「小学生の歌」でもいいんだ?
「いいよ。じゃこの中で選ぼう。前にも『ありがとうの花』とか弾いたことあったね。『ビリーブ』もあるし、『虹』とかも好き?」
先生は小学生のみんなに人気の曲名をいくつか挙げてみました。本当は、Rちゃんにはもっとかっこよくて大人にも通用する曲を弾いてもらいたいけど、Rちゃんの気持ちを尊重しようと思ったのです。
そしたら「これは?」
Rちゃんが指さしたのは「WAになっておどろう 」のページです。
おお、コレはいいじゃないか。
こんなところにこんな歌があったとは。
「WAになっておどろう」は今から20年以上前のヒット曲だと思うけど、芸術性も高くセンスよく、ポップスタンダードとして、大人にも子どもにも通用する作品です。
「弾いてみて?」
Rちゃんが言うので、先生は弾いて歌いました。
私も大好きな曲なので、ノリノリです。
「これがいい。この曲にする」とRちゃん。
「いいね!この歌、好きなの?」と聞くと、なんとRちゃんは
「知らない。」と言うのです。
「えっ。知らないんだ? 知らない歌でいいの?」
「うん、いい。知らない歌だけど、好きだからいい。いい歌だもん」
ひょー。
「WAになって踊ろう」すごい。
初めて聴いた小学生の心をつかむとは、その魅力やいかに。
また、Rちゃんの眼力もすごい。
初めて聴いた「WAになって踊ろう」の価値を見抜くとは。
真に芸術性高い作品は、やっぱ訴えるものがあるんだなー
などと思いながら、Rちゃんにオリジナル演奏を見せようとYouTube画面を開いてみたら。
うわー、たくさんの人が「WAになって踊ろう」をカバーしてる。
これだけみんながカバーするってことは、その曲がそれだけの価値を持ってるってことのバロメーターです。
その中に コロナ禍の中 King & Princeが歌ってコラージュ動画でUPしてる動画があった。
なんと、古い曲と思っていた「WAになっておどろう」、今めちゃめちゃトレンディーだったんじゃないか。
「あっ、キンプリだ!」
Rちゃんは大喜び。
先生も大喜び。
これで、先生の希望「センスよくかっこいいスタンダードナンバー」、それでいてRちゃんの希望「J-POP」で「トレンディー」も 同時にクリアできた\(^o^)/
「WAになっておどろう」、偶然「歌は友だち」で見つけられてよかった。
Tくん、忘れてってくれてありがとう。