HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

「コロブチカ」はテトリス!

2020年09月05日 | コード奏法

M子さん(大人):

少し前に電子ピアノを新しく買い替えました。 

素敵な白いピアノです!

何種類もの音色が出たり、キーチェンジできたり、録音できたりと、楽しい機能が色々あるんですが、使い方がよくわからないので、いつもスイッチを入れてすぐ表示される「アップライトピアノ」で弾いているだけです…と言うので、ピアノの機能が使いこなせるようになるまで、しばらくの間ヒバリがM子さんのお宅までレッスンに伺うことにしました。

「今日はこの曲を弾いてみました」とM子さんが楽譜を開いたのは「コロブチカ」というロシア民謡です。

「前回『悲しき天使』をレッスンしていただいて、元の曲はロシア民謡と知りました。ロシア民謡っていいなあ、と思って本をみたら、この曲がロシア民謡と書いてあったので…弾いてみたら楽しかったです。何か親しみやすくて」

とM子さんが言ってる「コロブチカ」。

タイトルを聞いただけではピンとこないかもしれませんが、「テトリス」のBGMの曲だよ!と言えば、「あの曲か!」とわかる人、多いんでは。

「これ、『テトリス』っていうゲームに使われてるんですよ!お孫さんに言えば、ぜったい知ってます。コレ弾けるおばあちゃんって最高ですよ〜」

「あらー、そうなんですか?今度、孫に聞いてみます!

M子さんは、忘れないようにと楽譜に「テトリス」と書き込みました。

M子さんの使っている楽譜は、メロディーとコードネームだけの「リードシート楽譜」です。

コロブチカはコードをジャーンと押さえるだけの伴奏で弾いていたので、

「伴奏を少し変えましょう」と、2ビートの ブンチャ、ブンチャ、という軽快なリズムにしました。

そして音色は、ちょっとロシアっぽい感じをねらって、ハープシコードの音で弾いてみたら大成功!

ロシアのバラライカみたいな民族楽器っぽい音になり、弾むリズムで、すっかりテトリスになりました!

「すごいですね、まるで違う曲みたい」

M子さんも大喜びです。上手に弾けて、とっても楽しく仕上がりました。

ぜひお孫さんに聞かせてあげてください。

尊敬されますよ〜

 


練習は、小さな達成感の積み重ね

2020年09月05日 | ヒバリ先生のワンポイント・アドバイス

練習熱心なTさんに「あんまりいっぱい練習しないでね」と言ったことを、先のブログに書きました。

それは「無理な動作や姿勢を長時間繰り返すと弊害が起こる恐れがあるよ」という意味なので、真面目で努力家の生徒さんだからこその忠告です。

一生懸命努力したために、かえって手や身体を損なってしまったら残念すぎます。くれぐれも気をつけてください。

「長時間、無理に繰り返さないでね」ということと、もう一つ、努力家さんへの忠告。

それは「毎回、最初から最後まで弾かないでね」ということです。

もちろん、完成したレパートリーや、本番前の仕上げ練習の時は、最初から最後まで通しで弾くんですが、まだ練習し始めて譜読み段階とか、最後まで一通りたどり着いた、ぐらいの段階の時のこととして聞いてください。

今の時代、子どもも大人も忙しい。

なかなかまとまった練習時間が取れない人がほとんどだと思います。

例えば、ピアノの練習に充てる時間が30分間あったとします。

今やっている曲を初めからつっかえつっかえ弾き始め…音符を数えたり、拍を数えたりしながら…ようやく最後までたどり着いたら、大曲ならそれだけで30 分近くかかってしまうかもしれません。

しかも、どっこも上手にはなっていないんです。

翌日もまた、始めから終わりまでたどたどしく弾いて、時間が経ってしまいました。

出来ばえは相変わらず昨日と同じです。

このように弾いていては、毎日「今日も下手だった」と思うだけです。

「30分しか練習しなかったから、1回しか弾けなかった」という罪悪感まで感じてしまうかもしれません。

そうじゃなく、練習する分量をしぼって。

30分なら30分で上手になれる!というだけの分量を決めて、そこだけを集中して練習するのです。

どのくらいの分量なら可能か、というのは、あなたのレベルや、今やっている曲の難しさなどによって違うので、適切な箇所、適切な分量を見きわめましょう。

弾くのは、必ずしも始めから区切っていく必要はありません。

今この時間でやれる所、とか、一番苦手な所だけ、でもいいし、逆に一番好きな所をまず弾けるようにしたい、とかでもいいんですよ。

さて、30分間練習して、目標の分量が…2小節でも1小節でも…完成出来ました。

やったー。上手になった。

今日の目標が達成できた。

…となりますよね?!

翌日は、15分しか時間がありませんでした。

だから、一番ラストの、ジャン!と決める和音だけを、確実に弾けるように練習しました。

やったー。上手になった。

今日の目標が達成できた。

ね? これなら、毎日「上手になった」という達成感でピアノの蓋を閉めることができるんですよ。

しかも着実に、「完成した部分」が増えていくのです。

つまずきながら全体を弾いて「今日も下手だった。練習出来なかった」という敗北感と罪悪感で練習を終えるのと、どっちがいいですか。

毎日、毎回、小さな達成感を積み重ねて、小さな完成部分が増えていって、そうやって、長い大曲だって出来上がっていくのです。

千里の道も一歩から。

そうして地道な練習を続けつつ、たまには曲全体を弾いて、曲の雰囲気や流れを楽しみましょう。

その時は、ちょっぴりずつ完成させたパーツパーツが、なめらかに&心地よく歌ってくれますよ!

HP HIBARIピアノ教室 

Youtube HIBARI PIANO CLASS


「悲愴」のトレモロの弾き方は

2020年09月05日 | ヒバリ先生のワンポイント・アドバイス

Tさん(大人・男性)

ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」の第一楽章を練習しています。

ドラマチックで悲壮感あふれる冒頭、それはロマン派好みのTさんにぴったり♪

そこはなんの問題もなく、ヒバリ先生も安心してお任せしていられるのですが、それに続く本篇部分、特に左手のトレモロ連続で苦労しています。

この「悲愴のトレモロ」は、ピアノレッスンでも「苦労するトレモロ」として必ずと言っていいほど例に挙げられる、代表的な「難関トレモロ」なのです。

トレモロの弾き方のコツは

1. 脱力して

2. 回転運動を続ける

これに尽きます。

そのイメージを身近な物に例えると、「電球をキュッキュッと回してソケットにはめ込む」とか、「広口ビンの蓋を高速でねじって閉める(開ける)」の感じです。

それをイメージしながら手首を高速回転させると、それにつれて前腕〜上腕も回転してるのが分かるかと思います。そして、イメージ上の電球やビンのフタサイズをだんだん大きくし、もっと手を広げて鍵盤に置き換えたのが、オクターブのトレモロの感覚に近いかと思います。やってみて。とTさんにお伝えしました。

みなさんも試してみてね。

あと、Tさんにもう一つ言いたいことは、

「あまりいっぱい練習しないでね」ということ!

ヒバリ先生が生徒だった頃には、間違っても言われたことのない言葉ですが、Tさんは怠け者のヒバリとは違って、とっても真面目な優等生の生徒なのです。

放っておくと何時間でもトレモロを練習してしまって、かえって手を傷めてしまったり、時間をかけた割には効果が上がらなかったり、の恐れも出てくるのです。

みんなも、根を詰めて同じ動作を繰り返し練習しないこと、そして違和感や痛みを感じた時は一旦休止して、再度フォームや動きを見直すようにしましょう。

その方が効果も上がり、手のためにも安心だから。