Tくんの観察力は鋭いです。
常に周りのことにアンテナを張っていて、見たこと、気づいたことをちゃんと記憶し、そこに独自の工夫を加えて人生を豊かに生きている男。
それがTくんなのです。
上の写真はTくんの「バーナム」です。
新しい課題に入る時はいつも、楽譜をじっくり見るTくん。そして
「こことここはおんなじだから、繰り返し記号書けばいいじゃん」とリピートマークを書きます。
「そしたら次の小節はいらないね」とバツで消す。
ほら、これでちゃんと曲が再現できます。
もっと長い曲のときは、リピートマーク、1かっこ、2かっこ、ダル・セーニョ、ダ・カーポなども駆使して、元の楽譜と同じ小節数が表現できる楽譜を作り上げるというゲームを楽しんでいます。
…って、こう書いてきたら、Tくんって実はアタマいいのかも…って気がしてきた。
今、ピアノではオレンジ色の「バーナム」をやっていて、一つ前に修了した紫色のバーナムを「復習」として使っています。
復習のバーナムは、ルーレットを回して出た数字の課題を弾く、というものです。
今日はルーレットの数字が10と出たので、グループ1〜5まで、それぞれの10番を弾くことに決まりました。
さて、このところ指がよく動くようになり、先生に褒められることが増えてきたTくん。「紫は簡単!簡単すぎる」と余裕の発言です。
「グループ1からじゃなくて、反対に弾こう♪ グループ5の10、グループ4の10…って逆に弾いてくの」
ただ普通に弾くんじゃ面白くないから、ちょびっとイレギュラーにしてみよう、というTくんのアイデアだ…
「なるほど。そしたら、だんだん簡単になっていって、最後 一番簡単なグループ1でおわるんだね?ww」
「そっ、あはは」
最初に弾く「グループ5の10」を開いたTくん。
「簡単だから、全部♯で弾いちゃおうかな」と、さらに余裕の変形を思いつきました。
もう一つ難易度を上げて、スリルを増そうというアイデアのようです。
「へー、いいじゃん♪ やってみてよ」
「よーし。では行きます!」
5-10の曲は、ド、ド、ソ、ソ、ド、ド、ミ、ミ、〜 という出だしで始まります。
Tくん、弾く鍵盤を一つ一つ確認しながら
ド#、ド#、ソ#、ソ#、〜 と的確に黒鍵を弾いていきます。
「えーっと、次はミか…」
Tくんの手が一瞬止まりました。
ミの鍵盤の右側には黒鍵がありません。
( 絶対 ミ♭ の鍵盤弾くよね )と先生は思いました。「♯(シャープ)= 黒鍵」と思っている、ありがちな勘違い…
そうしたら、Tくんはちゃーんと
「ミのシャープだから…ここだ!」と、ミの隣の白鍵、ファの音を弾いたのです。
\(^o^)/えらいっ。Tくんすばらしい!さすがだね。
やっぱ、実はアタマいいんだ〜