HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

タマゴとニワトリ、Rくんの解明

2020年09月08日 | レッスン日記(幼児)

Rくん(年長):

「今日はこの本!」と「たのしいピアノ・レッスン」の楽譜をピアノの譜面台に置きました。  

右手のメロディーに左手で伴奏をつける、少し難しい弾き方も載っています。

Rくんは真剣に楽譜を見ながら、伴奏付きの「ちょうちょ」を最後まで弾きました。

右手と左手のタイミングを慎重に合わせて、最高に集中しています。

弾き終わってホッとしたように、本のページをめくりながら、一つ一つの曲に添えてある表現のガイドを読んでいきます。

「『ちょうちょ』は『やさしく』だね。『メリーさんのひつじ』も『やさしく』だ。ほかのは何かな…『ふしぎなポケット』は『たのしく』だ!『ビッグ・ベン』は『しずかに』だね。」

今まで弾いたり歌ったりした曲を、一つ一つ思い出して味わっているのかな。

説明を見て「なるほど、この曲は『しずかに』の感じだ…」と納得しているのが感じられます。

最後にRくんは、一番最後の「たまごとニワトリ」のページを開きました。

習うのはまだ先ですが、タイトルと挿し絵、歌詞が面白く 興味を引かれたようなので、時々一緒に歌って楽しんでいた曲です。

たまごとニワトリ、どっちが先だ? という内容の歌なんですが、この歌に出会った子どもたちと、さあ、どっちが先だか?という議論を戦わすのは愉快です。

子:「タマゴが先でしょ?だってニワトリはタマゴから産まれたんだから」

先生:「でも、そのタマゴはニワトリが産んだんだよ?」

子:「そっかぁ。ニワトリが先なのか…」

先:「でもさ、そのニワトリは、タマゴから産まれたんだよ?」

子:「あれ〜?」

議論は果てしなく続き、大抵は子どもたちが煙に巻かれてウヤムヤに終わっていきます。

Rくんとも、以前に何度か、この議論を戦わせたことがあったのですが、彼はその後もずっと考えを馳せていたのだと思います。

その証拠に、今日は「タマゴが先だよ。ぼくはタマゴが先だと思う」とキッパリ言い切ったのです。

「そうなの?でもそのタマゴは…」と、いつもの議論を吹っかけようとすると、Rくんは言いました。

「タマゴはね、最初に「あった」の。何か、木の穴とか、そういう所にタマゴがあって、そこから初めて、ニワトリが生まれたの。だから、一番初めはタマゴなの!だって動物はみんな、タマゴから生まれるんだから」

「そうか。そのタマゴから、最初のニワトリが生まれたのかー」

「そう! そのニワトリがタマゴを産んで、そこから、ニワトリ、タマゴ、…って、つながっていったの」

6歳の人生の、知恵の限りを総動員して導き出したRくんの結論。

その堂々たる理論にヒバリ先生が思ったのは、何あろう、旧約聖書の冒頭です。

神の言葉により、何もなかった「渾沌(こんとん)」に光が「在り」、それから最初の生き物を造った神は言いました。「生めよ、増えよ、地に満ちよ」と。

同じだ…  きっと、それが全宇宙の真理なのかも…

幼い人こそが知り得る真理なのかもしれないよ…

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クシコスポストのパート練習は ♪

2020年09月08日 | レッスン日記(小中高生)

Lちゃん(小5):

発表会の曲が「クシコスポスト」に決まり、練習を始めています。

先週宿題になっていた「A」の部分が大体出来てきました。

アルペジオ的な装飾音符をもう一度切れ味良く弾けるように少し練習して、今日は先へ進めて大丈夫そうです。

「B」の部分、ここでメロディーが左手に移ります。

と思ったら、たった4小節で、メロディーはまた右手へ戻る。

安心する間もなく、またまたメロディーは左へ、そしてまた右へ。

そう、「B」の部分は、メロディーが左手、右手とあちこち移って目まぐるしいのです。

まず、メロディーをずっと追って、左手、右手、左手、右手と代わる代わる弾いてみます。

次は伴奏。まずは何のコードか使われているかを考えて、コードネームを書き込んでから弾くと、スイスイはかどります。

伴奏は、メロディーと反対の手なので、右手、左手、右手、左手、と動くことになりますね。

メロディー、伴奏、それぞれのパートの流れを確認したら、次は担当別。

右手だけ(伴奏→メロディー→伴奏→メロディー という動き)、

左手だけ(その逆)、それぞれ弾いてみて確認。

これで、「メロディー & 伴奏」、そして「右手 & 左手」と、2種類の「パート別音取り」をしたことになります。

ピアノのパート練習というと、一様に「右手」と「左手」に分けることだと思っている人はいませんか。

手で分けるのは、弾き手の都合。言ってみれば「物理的都合」ですが、どの手で弾くかにかかわらず パートに分けて確認するのは、音楽側の都合です。

クシコスポストに限らず、音楽を演奏するときは、必ずパートごとに流れを確かめてみるってこと、覚えておいてね。

さて、Lちゃんは、すべてのパート練習をしっかりこなしたので、来週は「B」の部分をまとめてくる、ということになりました。

順調順調。(^_^)v

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最後まで弾きたいのは山々だけど(再度)

2020年09月08日 | クラシック曲

K子さん(大人):

今年のクリスマス発表会には、バッハの「イタリア協奏曲」を弾くことに決めました。

いかにもイタリア風、といった感じの明るく軽快な曲。親しみやすいメロディーは、きっと誰もが「聞いたことある!」と言うと思いますよ。

「夏休み明けぐらいから、そろそろ発表会の曲を始めましょう」と言ってたんですが、先週、初めてK子さんが練習してきた「イタリア協奏曲」を聞かせてもらってびっくり!

なんと、最後まで全部一人で予習してあって、しかも暗譜なんですよ!!

この曲、何ページあると思います?なんと7ページですよ〜

複雑なバロック曲を一人でここまで弾きこなして、しかも暗譜してるなんて、並大抵の練習でできるものではありません。

「すっごいですよね〜 すばらしい!」と絶賛したヒバリ先生ですが、

「来週 聞かせてもらうのは、1ページだけでいいからね。」とは。なんでや〜?

それはね、バッハの音楽にはいろんな仕掛けや約束事、弾き方のルールとかがいっぱいあるので、ひとつひとつ丁寧に譜面を読み取って、丁寧に音…音楽として表現していくことをレッスンで伝えるには、1回に1ページでも精いっぱいなんです。

…と、それを言ったのが先週のことでした。

今日、最初の1ページをレッスンしたのですが、まず出だしのフレーズでいきなり壁に阻まれることに。

細かくいうと冒頭から3小節目と4小節目。

譜面の右手パート、赤くなぞったのがメロディーです。

そしてすぐ下に重なった緑色の音列が「ファソラーシ♭ー、ラーシ♭ーシ♭ラ」とハーモニーを添えています。

この2つのメロディーが、それぞれ独立してきれいに聞こえてくるように、右手だけで正確に弾かなければいけません。切る音、伸びてる音、ごまかしのないように。

これで全部と思いきや、さらにその下にもうひとつ。

黄色でなぞった音が、バス的な役割を担っています。

この3つの旋律を、3つとも「メロディー」として綺麗に聞こえてくるように独立させ、かつ他の2つのメロディーとのカラミを正確に『右手だけ』で弾かなければならないのです。

指づかいや音の保持など、かなり難しいですが、しょうがない。

なぜって、左手は左手で、別のパートを弾かなくてはならないので、右手のパートを手助けするわけにはいかないのです。

バロック特有の「ポリフォニー」とはコレですね。

1ページ目には、もう1箇所、ややこしいポリフォニー部分があるので、その部分も集中レッスンし、この2箇所だけでレッスン時間が全部終わりました。

しんどいですが、これがバロックの楽しみでもあるので、がんばりましょう。

あんまりいっぱいやらないで、少しずつ丁寧にね(笑)

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バーナムの使い方

2020年09月08日 | おすすめ楽譜・アイテム

 

先日の「Tくんの観察力&バーナムの遊び方」の日記にアクセスくださった方が多かったようなので、「バーナム」の使い方にご興味をお持ちの方が多いのかな、と感じました。

「バーナム」って、すごくシンプルなんですよね。

表紙の色が、易しい順に 紫 → オレンジ → ピンク → 緑… と進んでいき、短い課題曲に一つ一つタイトルが付いていて、それを示す「棒人間」のイラストが添えてあります。

  

皆さんどう使って(or使わないで)いらっしゃいますか?

ヒバリ教室では、バーナムをずっと使っていて、子どもたちも楽しくやっています。

使い方は、大体次のような方法です。

まず一番初めは「紫のバーナム」から始めるのですが、紫の本が全部修了して 次のオレンジの本に進んだら、紫はおしまい、になるのではなく、次からはオレンジと紫、2冊持ってくるようにします。

新しいオレンジの本は普通に 家で予習・復習しながらレッスンしていくのですが、そのほかに、すでに修了している紫の本から、その場で選ばれた課題をパッと弾く、という課題が加わります。

課題の選び方は、ルーレットを回して当たった番号、3番なら3番を、1から5まであるチャプター全て弾くので、1の3、2の3…と、5曲弾くことになりますね。

(ヒバリ教室のルーレットは、古い『人生ゲーム』からもぎ取ってきたものです)

バーナムは基本、テクニックの教本なので、手や指の形、打鍵の方法、身体のフォーム、素速い正確な指運び…など色々な課題を身につけるのが目的です。

けれども、1つ1つの曲で要求された課題を、そこで完璧に仕上げるのにはかなりのレッスンや訓練が必要です。というか、いくらやっても「これで完璧に技術が身につきました!」とはならないものなのです。

逆に言うと、テクニックの訓練は1つの曲で完結するものではなく、何度も何度も、繰り返し繰り返し、練習・訓練し続けることが大切です。

上記の2つの理由から、ヒバリ教室では、現在進行形の本に完璧を求めず、8〜9割ぐらいの仕上がりで先に進めていきます。

次の巻に進んだ時、「復習巻」として、何度となくルーレットで当たることになるので、その時にまた「もう合格した曲なんだから!」と、「現役巻」だった時より高い完成度を目指してしごくので、大丈夫。

「現役巻」だった時には本人に余裕がなくて言わないでおいた指の形や音色、フレージング、そして速いテンポなど、100%よりもっと上のレベルまで引っ張り上げる事も、「復習巻」でなら可能なのです。

こうして、オレンジ&紫、ピンク&オレンジ…といった具合に、「現役巻&復習巻」の2本立てで進めていきます。

「復習巻」では、だいぶ前にやって忘れていた曲でも突然当たって弾くことになるので、初見力も鍛えられます。 バーナムの音域は「バイエル」とかの比じゃないくらい広大なので、広い範囲の楽譜を読み取る力がつきます。

先生側としては以上のようなメリットがあるのですが、生徒側としては、毎週何が当たるかわからないスリルとドキドキ感があって、お決まりレッスンじゃない新鮮なものになります。

また、各曲に添えられた棒人間が面白く、小さいうちは、棒人間がやっているのと同じポーズ…でんぐり返しや側転をやったり、少しお姉さんになった子は、棒人間に色を塗って可愛いファッションにしたり、もっと大きくなったら「地面から浮いてる〜」と突っ込んでみたり、など どの年齢になってもそれなりに楽しめる!?

  

あ、そうそう、生徒がバーナムを弾く時は、先生がイメージ豊か&リズミカルな伴奏で「共演」してあげてますよ。

こうして、「バーナム」ひとつやってるだけでも、読譜力、テクニック、リズム感、イマジネーション、色んな要素を身につけることができるのです。

バーナム教本そのものの内容や価値については、色んなサイトで有益な解説がされていますので、ぜひご覧になってください。

下記はヒバリ教室のHPです。バーナムは別として、ピアノレッスン全般に触れていますので、見てみてください。

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