あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

自然の変化

2014-01-19 | 日記
地球が変わりつつある。
今シーズンから僕は古巣タンケンツアーズに戻り、山歩きの仕事も多くなった。
一度は離れた森に戻り、楽しく仕事をさせてもらっている。
この森と付き合い始めて10年を越えるだろうか。
その経験で言って「今までにこんなの見たことないぐらいの自然の変わりぐあい」である。
世界のあちこちで異常な事が起こっており、今までにないとか観測史上初なんて言葉を毎日聞くような世界で僕達は生きている。
寒波や熱波はとんでもないものになってるし、生き物の異変も然り。
自然の中に住む人々は、地軸のずれによる気象の変化に何年も前から気づいていたらしく、「星の上がる位置が違う。太陽の位置も違う」とあちこちの先住民が言っている話を以前聞いた。
僕も薄々は感じていたが、ここへ来てその変化も加速している。

まず、今年は花が多い。
今までも、今年は○○がよく咲く、というようにある種類の当たり年のようなものはあった。
だが今年は何から何までよく咲く。
ルートバーンでも普段はない場所で蘭が咲いているし、普段は地味で目立たないランタンベリーも沢山咲いていると可愛い。
森以外でもフラックス亜麻など毎年咲かない木が一斉に花を咲かしている。庭のフラックスも咲いた。
そう言えば、マウントクックリリーも今シーズンはよく咲いていた。
あの時は単純に、たくさん咲いてきれいだなと思ったが、今の僕はちょっと見方が違う。
「何?花が咲いたって? そりゃよかったじゃねえの。
え、おまえさん、それの何がいけねえんで? 
花が咲くってのはおめでたいことだろうに。
めでたしめでたし、一件落着でいいじゃねえか。
おい、おまえさん、また異変だ何だのって話になるんじゃねえだろうな?」
そう、その通り。
全ては繋がっている。
花が咲いてめでたい、で終わらない世界なのだ。
花が咲くのは何のため?
種をつくるため。
なぜ種をつくる?
子孫を残すため。
植物たちが一斉に種を保存しようとしている。
来るべき時に備えて。
こういう統計がある。
第一次世界大戦、第二次世界大戦の前には子供の出生率が上がったと。
地球規模の大きな出来事の時には人間もそうなるらしい。
鳥や動物の大量死はニュースになるが、花がたくさん咲いた、ではニュースにならない。
人間の目を喜ばせる為だけに花が咲くのではない。
子孫を残すための行動を、植物が一気に始めた意味は何か?
それは世界各地で起こっている出来事と繋がっている。

花がたくさん咲いた、そして早い。
いつもに比べ3週間から、ものによっては2ヶ月近くも早い。
季節が前倒しになっている。
秋の訪れも早いことだろう。
その証拠に柳は早々と黄葉になり始めているし、ななかまどの実も赤くなっている。
この分だと紅葉の見頃は三月半ばぐらいか。
そのあとに来る冬も早くなりそうな気がする。
去年は6月、まだシーズン前に大雪が降りスキー場関係者はてんやわんやだった。
今年は5月あたりにそれが来そうな気がする。
これはあくまで勘なので根拠はない。
根拠はないが、今までの経験では僕の勘は八割がた当たる。
そして肝心の7月や8月にはどうなるか?
これは何も分からない。
使えない勘だ。

今年、いつもと違うところは周りが暗くなる早さである。
クィーンズタウンの夏は日が長く、日が落ちても西の空はいつまでも明るいのだが、今年は暗くなるのが早い。
まるで秋のつるべ落としのような、そんな暗くなり方だ。
自然界の時の進みかたと人間界の時間がずれてきている。
そもそも時間というものは空間と密接な関係があり、今の世の時間だけが独立して動いている事がおかしいのだ。
今まではそれでもなんとかやってきた。今までは。
これからは今までの常識が通用しない世界である。
全ての物事に変化があるだろう。
それに対して、人間の都合のよい価値観を押し付け、思い通りにならずに神を呪うのか。
もしくはこれから起こる全ての出来事を、自分の死さえも前向きに受け止めるのか。
選択の時はすぐそこに来ている。






コメント
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