あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

夏が来た。

2016-02-04 | 日記


2月になり気温が急上昇、やっと夏らしくなった。
僕の夏の間の主な仕事はルートバーンの1日ハイキングなのだが、普段は朝晩は冷えるので薄手の長袖を着て、日中の温度が上がった頃に半袖になる。
ここ数日は朝から暖かく、朝一から半袖で過ごせる気候だ。
日中は当然暑くなるのだが、それでもハイキングはほとんどが森の中なので直射日光がさえぎられ心地よい。



途中の川原では水をすくって飲む。
水は冷たく容器に水を取ると結露するぐらいだ。
天然の水は旨く、流れている水がそのまま飲める豊かさを味わう。
世界もで川の水がそのまま飲めるという場所はあまり多くないはずだ。
きれいな水というのは昔は当たり前にあったのだろうが、今の世の中ではそれ自体が貴重な財産なのである。



この日は天気も良さそうだったのでカメラを持っていった。
もう何百回歩いたか数え切れないが最後に写真を撮ったのは十年以上前だ。
たまには写真でも撮ってブログに載せてみようかな、という気になったのだ。
先日はブルーダックという非常に珍しい鳥を目の前で見れた。
普通なら人が来れば逃げてしまうのだが、その時はわずか数mの距離で逃げずにその場にいてくれた。
カメラを持っていないことを後悔したが、持っていないものは仕方ない。
そのすぐ後でガイド仲間のサダオに出会ったのでそれを伝えると、ヤツは急いでその場に行き百枚以上の写真を撮った。
結局、この日はブルーダックは見られなかったが、たまには写真を撮るのもいいものだろう。



フラットメイトのユキノは山歩きをしたくてニュージーランドにやってきた。
休みの日には精力的に歩きに出かける。
ルートバーンを通しで歩く日が重なったので彼女も途中まで一緒に歩くことになった。
お昼を食べる所まで一緒に歩き、僕らは引き返し彼女は先へ進む。
「あさってのお昼ぐらいには帰りますから」
「じゃあ美味しいものを作っておいてあげるよ」
僕も経験があるが、山歩きをした後はちゃんとした食べ物が欲しくなる。
新鮮な野菜や肉などを体が求めるのだ。
聞くと食事はインスタントラーメンが主だそうだ。
それならなおのことだな。
仕事も忙しくないし、何をつくってあげようか。



日中、とにかく暑く汗をけっこうかいた。
そうやって汗をかいた後のビールは格段に旨い。
夕方になっても気温は下がらず、キンキンに冷えたラガービールが旨い。
やっぱりビールは暑いときが旨いなあ。
こんな時は冷やし中華。
麺はスパゲッティの細いヤツで、タレは自家製。
前菜にはバターコーン。
コーンは今が旬なので、生のものを使いバターで炒め醤油をちょいと振ってできあがり。
豚肉がちょっと残っていたので、もう一品にしょうが焼き。
きっちりと歩いた後は、インスタントではなくしっかりとした物を食べたくなる。



夜になっても気温は下がらずベランダで湖をぼけっと眺める。
湖の上を渡ってくる夜風が気持ちよい。
家の中は西日が当たったので蒸し暑い。
気温は30度ぐらいまで上がったのだろうか。
30度はニュージーランドにしてはかなり暑い温度だ。
だがこれぐらいで暑い暑いと言っていたら到底日本の夏は過ごせないだろうな。
最後に日本で夏を過ごしたのはもう20年ぐらい前になるか。
入道雲、蝉の声、麦わら帽子、かき氷。
ここに無い物を懐かしがるのは人間の心か。



ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
コメント
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