先日、タイが我が家へやって来た。
タイは今年からマウントクックで山岳ガイドとなった。
僕の仕事もそうだが山岳ガイドもこの時期は全く仕事がない。
いわゆるオフシーズンである。
このオフシーズンにオーストラリアにクライミングトリップへ行くのだというので我が家に車を置きがてら1泊した。
肴を作りながら酒を飲んでいる時にふと思った。
「なあ、タイよ、何か音楽が欲しいな。何かかけてくれ」
「そうっすね、こんなのがありますよ」
ボーズのスピーカーからギター一本で唄う男の声が音楽が流れてきた。
曲調はシンプル、いわゆるフォークソングである。
この男の声が良い、そして歌詞が良い。
僕は一発で好きになってしまった。
「おお、いいなこれ。何て人?」
「竹原ピストルっていうんですけどね、最近では珍しいシンプルで骨のあるフォークなんですよ。」
確かに骨があるロックのようなフォークだ。
「竹原ピストルね覚えておこう」
彼の歌声をバックにその晩はいつものようにへべれけに酔っ払ってしまった。
翌日の朝早く、タイは出かけていった。
僕はネットで昨日のシンガーを探そうとしたのだが名前が思い出せない。
何だっけなあ山本ロケットだったかなあ、と検索したけど出てこない。
うーん福本ロケットだったかな、いやこれも違う。
だめだこりゃ、とタイにメッセージを送って教えてもらう。
「なあ、昨日のフォークの人の名前なんだっけ?」
「竹原ピストルです」
「竹原ピストルかあ、山本ロケットで探しても出ないわけだな」
「そりゃ出ないですよ!」
その通り、山本ロケットで検索して竹原ピストルが出てきたらそっちの方がおかしいのだ。
とにもかくにもユーチューブでいくつか見てみた。
やっぱりいい。
風貌も坊主頭にひげ面だったりして、僕にどことなく似ている。
歌を唄っている時はバリバリ硬派っぽいのだが、歌が終わってMCになると妙に優しくなる。
そのギャップもいい。
いくつか聞くうちに一つの歌に引き込まれた。
それが、『よーそこの若いの』という歌だった。
心が揺さぶられた。
本人には無断で引用させてもらう
よー、そこの若いの
とかく忘れてしまいがちだけど とかく錯覚してしまいがちだけど
例えば桜やらひまわりやらが特別あからさまなだけで季節を報せない花なんてないのさ
よー、そこの若いの
俺の言うことをきいてくれ
「俺を含め誰の言うことを聞くなよ」
よー、そこの若いの
君だけの花の咲かせ方で 君だけの花を咲かせたらいいさ
とかく忘れてしまいがちだけど とかく錯覚してしまいがちだけど
例えば芸能人やらスポーツやらが特別あからさまなだけで必死じゃない大人なんていないのさ
よー、そこの若いの
こんな自分のままじゃいけないって頭を抱えてる そんな自分のままで行けよ
よー、そこの若いの
君だけの汗のかき方で 君だけの汗をかいたらいいさ
よー、そこの若いの
俺の言うことをきいてくれ
「俺を含め誰の言うことを聞くなよ」
よー、そこの若いの
君だけの花の咲かせ方で
君だけの花を咲かせたらいいさ
君だけの汗をかいたらいいさ
ふう、どうでしょう。
これをギター一本で唄うのだ、かっこいいぜ、竹原ピストル。
この「俺を含め誰のいうことも聞くなよ」というのが自分が言いたいことでもある。
この歌のことで彼が言っていた。
「年輩の人などにあれやこれや言われ、言っていることは全くごもっともなことなんだけど、そのままで行ったらつまらない。自分はこういうやり方でやってやるぜと」
僕も若い時にはいろいろ言われた。
年輩というだけで尊敬もできないような人に説教されたこともあったし、社会的地位が高いだけでふんぞり返って威張っているヤツに目の敵にされた。
もちろんそれ以上に尊敬する人、大好きな人との出会いもたくさんあった。
好きだった先輩の言葉をそのまま自分が使ったこともあるし、心に残った言葉を実践したこともあったが、基本、自分は自分なりにやってきた。
気づいてみればワーホリでニュージーランドに来て30年近くの年月が経ち、クラブスキー場に出入りする人の中ではいっぱしの顔になった。
日本人という狭い枠で言えばの話なのだが、僕の前に人はいなく道はない。
敷かれたレールの上でなく、自分が自分のやり方で道を切り開いてやってきて、それは今も続く。
ある友達は僕のことを開拓者、パイオニアと呼んだ。
なるほどそう言われてみればそうかもしれない。
そうやって突っ走ってきた自分もいつのまにか後ろから人が来るようになった。
若い世代に酔った席で偉そうに話をする自分もいる。
それでもやっぱり言いたいのは僕の言葉を鵜呑みにするなということか。
聖さんが言ってたから、聖さんがブログで書いてたからでは何も始まらない。
僕の言葉など酔っ払いのたわごと、僕のブログなど便所の落書き。
「俺を含め誰の言うこともきくなよ」
なので僕は人に、あーしたらいいよとかこれをやりなさい、ということを一切言わない。
僕は君自身が決めて行動することを応援する。
なので若い世代に言う言葉はいつも同じ
「どんどんやりなさい」
これは自分に言う言葉でもある。
そんな竹原ピストル。
この人のライブを生で見たいな。
見たらきっと泣いちゃうだろうな。
久々に音楽で感動した話でした。
タイは今年からマウントクックで山岳ガイドとなった。
僕の仕事もそうだが山岳ガイドもこの時期は全く仕事がない。
いわゆるオフシーズンである。
このオフシーズンにオーストラリアにクライミングトリップへ行くのだというので我が家に車を置きがてら1泊した。
肴を作りながら酒を飲んでいる時にふと思った。
「なあ、タイよ、何か音楽が欲しいな。何かかけてくれ」
「そうっすね、こんなのがありますよ」
ボーズのスピーカーからギター一本で唄う男の声が音楽が流れてきた。
曲調はシンプル、いわゆるフォークソングである。
この男の声が良い、そして歌詞が良い。
僕は一発で好きになってしまった。
「おお、いいなこれ。何て人?」
「竹原ピストルっていうんですけどね、最近では珍しいシンプルで骨のあるフォークなんですよ。」
確かに骨があるロックのようなフォークだ。
「竹原ピストルね覚えておこう」
彼の歌声をバックにその晩はいつものようにへべれけに酔っ払ってしまった。
翌日の朝早く、タイは出かけていった。
僕はネットで昨日のシンガーを探そうとしたのだが名前が思い出せない。
何だっけなあ山本ロケットだったかなあ、と検索したけど出てこない。
うーん福本ロケットだったかな、いやこれも違う。
だめだこりゃ、とタイにメッセージを送って教えてもらう。
「なあ、昨日のフォークの人の名前なんだっけ?」
「竹原ピストルです」
「竹原ピストルかあ、山本ロケットで探しても出ないわけだな」
「そりゃ出ないですよ!」
その通り、山本ロケットで検索して竹原ピストルが出てきたらそっちの方がおかしいのだ。
とにもかくにもユーチューブでいくつか見てみた。
やっぱりいい。
風貌も坊主頭にひげ面だったりして、僕にどことなく似ている。
歌を唄っている時はバリバリ硬派っぽいのだが、歌が終わってMCになると妙に優しくなる。
そのギャップもいい。
いくつか聞くうちに一つの歌に引き込まれた。
それが、『よーそこの若いの』という歌だった。
心が揺さぶられた。
本人には無断で引用させてもらう
よー、そこの若いの
とかく忘れてしまいがちだけど とかく錯覚してしまいがちだけど
例えば桜やらひまわりやらが特別あからさまなだけで季節を報せない花なんてないのさ
よー、そこの若いの
俺の言うことをきいてくれ
「俺を含め誰の言うことを聞くなよ」
よー、そこの若いの
君だけの花の咲かせ方で 君だけの花を咲かせたらいいさ
とかく忘れてしまいがちだけど とかく錯覚してしまいがちだけど
例えば芸能人やらスポーツやらが特別あからさまなだけで必死じゃない大人なんていないのさ
よー、そこの若いの
こんな自分のままじゃいけないって頭を抱えてる そんな自分のままで行けよ
よー、そこの若いの
君だけの汗のかき方で 君だけの汗をかいたらいいさ
よー、そこの若いの
俺の言うことをきいてくれ
「俺を含め誰の言うことを聞くなよ」
よー、そこの若いの
君だけの花の咲かせ方で
君だけの花を咲かせたらいいさ
君だけの汗をかいたらいいさ
ふう、どうでしょう。
これをギター一本で唄うのだ、かっこいいぜ、竹原ピストル。
この「俺を含め誰のいうことも聞くなよ」というのが自分が言いたいことでもある。
この歌のことで彼が言っていた。
「年輩の人などにあれやこれや言われ、言っていることは全くごもっともなことなんだけど、そのままで行ったらつまらない。自分はこういうやり方でやってやるぜと」
僕も若い時にはいろいろ言われた。
年輩というだけで尊敬もできないような人に説教されたこともあったし、社会的地位が高いだけでふんぞり返って威張っているヤツに目の敵にされた。
もちろんそれ以上に尊敬する人、大好きな人との出会いもたくさんあった。
好きだった先輩の言葉をそのまま自分が使ったこともあるし、心に残った言葉を実践したこともあったが、基本、自分は自分なりにやってきた。
気づいてみればワーホリでニュージーランドに来て30年近くの年月が経ち、クラブスキー場に出入りする人の中ではいっぱしの顔になった。
日本人という狭い枠で言えばの話なのだが、僕の前に人はいなく道はない。
敷かれたレールの上でなく、自分が自分のやり方で道を切り開いてやってきて、それは今も続く。
ある友達は僕のことを開拓者、パイオニアと呼んだ。
なるほどそう言われてみればそうかもしれない。
そうやって突っ走ってきた自分もいつのまにか後ろから人が来るようになった。
若い世代に酔った席で偉そうに話をする自分もいる。
それでもやっぱり言いたいのは僕の言葉を鵜呑みにするなということか。
聖さんが言ってたから、聖さんがブログで書いてたからでは何も始まらない。
僕の言葉など酔っ払いのたわごと、僕のブログなど便所の落書き。
「俺を含め誰の言うこともきくなよ」
なので僕は人に、あーしたらいいよとかこれをやりなさい、ということを一切言わない。
僕は君自身が決めて行動することを応援する。
なので若い世代に言う言葉はいつも同じ
「どんどんやりなさい」
これは自分に言う言葉でもある。
そんな竹原ピストル。
この人のライブを生で見たいな。
見たらきっと泣いちゃうだろうな。
久々に音楽で感動した話でした。