あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

教官デビュー。

2018-05-29 | 日記
ニュージーランドでは16歳から車の免許が取れる。
以前は15歳だったが法律が変わって16からになった。
最初はラーナーというカテゴリーで、これは筆記試験のみ。
筆記試験に合格すると免許がもらえ、車にLのマークを付け免許を持った大人が横に乗っていれば、という条件付きで運転ができる。

僕が日本で免許を取ったのは高校3年生の時だった。
家から自転車で20分ぐらいの所にある自動車学校へ通い免許を取った。
教わるのはそこの教官。
机に座っての講義もあるし、実際に車に乗ってもあった。
車はマニュアル車でクラッチのつなぎ方を覚えるまでに何回もエンストをおこしたものだった。
自動車学校内のコースで何時間か練習してハンコを貰うと路上へ出てテストを受けて仮免許をもらった。
そこを卒業して、運転免許試験場で筆記試験で合格して、晴れて免許を取った。
そうやって取った免許も今では日本にほとんど帰らないので失効してしまった。
だが日本に帰る時にはこちらで国際免許を取っていくので、何ら問題はない。

こちらでは自動車学校は無く、大体は親が教える。
諸事情で教えられない人には第三者によるドライビングレッスンもある。
それは公道を使ってする。
東京のような大都会でそれをやったら大変なことになるだろうが、ニュージーランドは所詮田舎。
道幅は広いし交通量は少ないのでそれでもいいのだ。
娘が15になる頃から近くのカンタベリー公園で運転の練習を始めた。
そこでは家畜のセリも行われるような場所で大型のトレーラーが何台も止まれるような場所も有る。
セリがない時はだだっ広いアスファルト舗装の場所が最初の練習にはもってこいである。
車はオートマなのでアクセルを踏めば走り出すしブレーキを踏めば止まる。
まっすぐ走らせるだけなら誰でもできる。
車の運転なんてものは走って曲がって止まる、それだけのものだ。
ただし曲がる時には減速しなければ道から外れるし、時にはスピンやひっくり返ってしまう。
車幅感覚というものは数多く運転して慣れて覚えるしかない。
さらには運転している時にタイヤがどこを通っているかなんて感覚も慣れて覚えるしかないのである。



娘が学校の秋休みにラーナーズ免許を取り、Lマークを付け、いざ路上実習へ。
大通りは交通量も多いが、そこから入った一角はほとんど車が通らない。
家の前の道は道幅が広い。4車線が取れるくらいの幅である。
そこで恐る恐る車を走らせる。
最初は助手席に乗っている感覚が抜けなくて、左に寄り過ぎていたがだんだん慣れてくるものである。
助手席に乗っていろいろと教えていると、自分がいかに無意識に運転しているか気づく。
対向車のスピードと位置関係、自車両のスピードとライン取り、駐車車両の動向、歩行者の有無、さらには猫などの飛び出しなど。
これが大通りに出れば、周りの車両との位置関係、道によって変わる制限速度、交差点、交通標識、信号、進路変更。
さらにはガンガン飛ばしている自転車や、前をウロウロ走っている車がレンタカーかどうかなんてものまで。
数多くの情報を取り込み、頭で整理して車という機械を操作しているのだ。
ニンゲンってすごいな。
そのうちに山道の運転の仕方とか、雪道でのチェーン脱着なども教えていこう。
娘もお年頃になり親と過ごす時間も少なくなってきたが、こうやって娘と一緒に過ごすのがオヤジの歓びなのである。

コメント (1)
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