米国の2022年11月に行われた中間選挙は、事前の共和党前大統領トランプ派の大勝利との予想に反して縺れに縺れ上院は上院は51対49で民主党が、下院は222対213の僅差で共和党が勝利を得ました。
年明け下院議長の選出で多数派の「共和党の院内総務マッカーシー議員」がすんなりと決まるかと思われたら共和党内の右派が造反し7日未明にマッカーシー氏が過半数を得て選出されるまで15回の投票をくり返しました。造反を続けた20人のほとんどは 保守的な強硬派だそうで、彼らを説得するためにいろいろ妥協をしたので、下院議長の立場は不安定になり、「今後も少数の保守強硬派に振り回される議会運営を強いられることになりそうです」と見られています。
バイデン政権にとっては交渉の余地が残ることになりそうです。
写真:米下院議長に選出された共和党のマッカーシー院内総務=7日、ワシントン(EPA時事)
世界日報:
アメリカ議会で下院議長が決まらない異常事態が続いていましたが、通算15回目となる投票でようやく決着がつきました。ただ、今回の混乱は今後に大きな影響をもたらしそうです。 10回の投票を終えても下院議長が決まらないという、実に1859年以来の異常事態となったアメリカ議会。 造反を続ける議員に同僚が詰め寄る場面も見られるなど紛糾を繰り返しましたが、15回目の投票で共和党を率いるマッカーシー院内総務がようやく過半数の票を獲得しました。 マッカーシー新下院議長 「この国のより良い未来のために、情熱を分かち合えるすべての人と私は一緒に行動します」 笑顔を見せたマッカーシー新下院議長ですが、勝利の代償は大きくなりそうです。 造反を続けた20人のほとんどは 保守的な強硬派です。 その説得のためにマッカーシー氏は、▼議会の審議を左右する重要な委員会のポストや、▼議長を解任しやすくするルール改定など強硬派の要求をのんだとみられています。 下院の奪還を達成し、バイデン政権を追い込みたい共和党指導部ですが、今回の妥協で議長の立場はより不安定になり、今後も少数の保守強硬派に振り回される議会運営を強いられることになりそうです。
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