ねえ とうさん
作・絵: 佐野 洋子
出版社: 小学館
税込価格: \1,470
(本体価格:\1,400)
発行日: 2001年10月22日
-あらすじ-
くまの子は、おかあさんとふたり(二匹ですけど)でごはんを食べます。
くまの子は、ホットケーキを6枚欲しがりましたが、おかあさんは3枚にするようにくまの子に言いました。
くまの子は、ホットケーキにかけるハチミツをスプーンに3杯欲しがりましたが、おかあさんは2杯にするように言いました。
こぶしの花が咲いて、くまの子とおかあさんのところに、とうさん熊が帰ってきました。
沢山のお土産を持って玄関に立ったとうさんに、くまの子は抱きつき、おかあさんはしっかりとキスをします。
とうさんは、それからベッドに入ると、動かない山のようになってぐっすり眠りました。
朝になって、くまの子はとうさんと一緒に森に向かいます。
くまの子と一緒のとうさんは、くまの子の言うことを何でも聞いてくれます。
手をつないだり、かたぐるまをしてくれたり、背中に乗せて泳いだりもしてくれます。
またあるときは、川に流された橋の代わりに大きな木を折って橋を渡してくれたり、高いところにある大きな蜂の巣を採ってくれたりもします。
*「ねえ とうさん、ぼく、とうさんの子どもでうれしいよ。すごく とうさんらしいもの」
*くまの子は とうさんを みあげて、いいました。
*「おれは ただ、くまらしいだけさ。くまだからね」
*とうさんは、しずかに いいました。
その夜、くまの子はとうさんとおかあさんの間でぐっすり眠りました。
その翌朝のごはんです。
くまの子はおかあさんにホットケーキの枚数を言いました。
*「ぼく、3まいね」
*「あら」と かあさんは いいます。
*「はちみつは、2はいね」
お父さんのお皿には、ホットケーキが6枚乗っていて、ハチミツはスプーンで3杯かけます。
*「ぼくね、とうさんに なってから 6枚にするの」
*くまの子は いいます。
*「でも、バターは たっぷりね。 ぼく、くまらしくならなくっちゃ いけないんだ」
-レビュー-
作者の佐野洋子さんは、このトピの最初の方で少しだけ触れたことのある「100万かい生きたねこ」の作者です。
そしでこの私は、この佐野洋子さんが描く人間の本質に魅了される一人です。
ここにあるのは、なんて微笑ましい家族でしょうか。
そしてまた、何と父親としての本質を突いた、父さん熊の在りようでしょうか。
この作品を読んだ子供は、こんなに熊らしく堂々としたお父さんを持ったくまの子を羨ましく思うでしょう。
また、この作品を読んだお父さんは、自分の遠い子供の頃の父親を思い出して、自分がどんな父親であらねばならないかに気がつくことでしょう。
人間は誰かを真似て育つ生き物だと思います。
子供に人間らしい生き方を望むなら、まずその親が人間らしくあらねばならないのです。
そして、子供が将来親となる時のイメージも、その親から受け継がれるものなのです。
もし親としての自分の中に、重く背負う何かがあったり、負の連鎖に繋がるものがあるのなら、それを断ち切ることも、親としての自分の役目でしょう。
そしてそれは、この素晴らしい絵本を手に取ることの出来る人であれば、誰であっても、決して不可能なことではないと私は思うのです。
作・絵: 佐野 洋子
出版社: 小学館
税込価格: \1,470
(本体価格:\1,400)
発行日: 2001年10月22日
-あらすじ-
くまの子は、おかあさんとふたり(二匹ですけど)でごはんを食べます。
くまの子は、ホットケーキを6枚欲しがりましたが、おかあさんは3枚にするようにくまの子に言いました。
くまの子は、ホットケーキにかけるハチミツをスプーンに3杯欲しがりましたが、おかあさんは2杯にするように言いました。
こぶしの花が咲いて、くまの子とおかあさんのところに、とうさん熊が帰ってきました。
沢山のお土産を持って玄関に立ったとうさんに、くまの子は抱きつき、おかあさんはしっかりとキスをします。
とうさんは、それからベッドに入ると、動かない山のようになってぐっすり眠りました。
朝になって、くまの子はとうさんと一緒に森に向かいます。
くまの子と一緒のとうさんは、くまの子の言うことを何でも聞いてくれます。
手をつないだり、かたぐるまをしてくれたり、背中に乗せて泳いだりもしてくれます。
またあるときは、川に流された橋の代わりに大きな木を折って橋を渡してくれたり、高いところにある大きな蜂の巣を採ってくれたりもします。
*「ねえ とうさん、ぼく、とうさんの子どもでうれしいよ。すごく とうさんらしいもの」
*くまの子は とうさんを みあげて、いいました。
*「おれは ただ、くまらしいだけさ。くまだからね」
*とうさんは、しずかに いいました。
その夜、くまの子はとうさんとおかあさんの間でぐっすり眠りました。
その翌朝のごはんです。
くまの子はおかあさんにホットケーキの枚数を言いました。
*「ぼく、3まいね」
*「あら」と かあさんは いいます。
*「はちみつは、2はいね」
お父さんのお皿には、ホットケーキが6枚乗っていて、ハチミツはスプーンで3杯かけます。
*「ぼくね、とうさんに なってから 6枚にするの」
*くまの子は いいます。
*「でも、バターは たっぷりね。 ぼく、くまらしくならなくっちゃ いけないんだ」
-レビュー-
作者の佐野洋子さんは、このトピの最初の方で少しだけ触れたことのある「100万かい生きたねこ」の作者です。
そしでこの私は、この佐野洋子さんが描く人間の本質に魅了される一人です。
ここにあるのは、なんて微笑ましい家族でしょうか。
そしてまた、何と父親としての本質を突いた、父さん熊の在りようでしょうか。
この作品を読んだ子供は、こんなに熊らしく堂々としたお父さんを持ったくまの子を羨ましく思うでしょう。
また、この作品を読んだお父さんは、自分の遠い子供の頃の父親を思い出して、自分がどんな父親であらねばならないかに気がつくことでしょう。
人間は誰かを真似て育つ生き物だと思います。
子供に人間らしい生き方を望むなら、まずその親が人間らしくあらねばならないのです。
そして、子供が将来親となる時のイメージも、その親から受け継がれるものなのです。
もし親としての自分の中に、重く背負う何かがあったり、負の連鎖に繋がるものがあるのなら、それを断ち切ることも、親としての自分の役目でしょう。
そしてそれは、この素晴らしい絵本を手に取ることの出来る人であれば、誰であっても、決して不可能なことではないと私は思うのです。