おだんごぱん
作: (ロシア民話)
絵: 脇田 和
訳: 瀬田 貞二
出版社: 福音館書店
税込価格: \1,155
(本体価格:\1,100)
発行日: 1966年5月1日
ある日 おじいさんは おいしいものが 食べたくなって おばあさんに おだんごぱんを 作って欲しいと 頼みました。
そこで おばあさんは 粉箱をこすってはたいて 集めた粉で おだんごぱんを 作りましたが おだんごぱんは 窓辺に 冷やしているうちに 転がって 外へ出て行ってしまいました。
そうです これは おばあさんが作った おだんごぱんの 冒険の物語なのです。
ころころ転がっていった おだんごぱんは うさぎにも おおかみにも くまにも 食べられないで もっともっと 転がって行きました。
おだんごぱんは 得意になって歌います。
*「ぼくは、てんかの おだんごぱん。 ぼくは、こなばこ ごしごし かいて、あつめて とって、それに、クリーム たっぷり まぜて、バターで やいて、それから、まどで ひやされた。 けれども ぼくは、おじいさんからも、おばあさんからも、にげだしたのさ。 おまえなんかに つかまるかい」
この歌には、その時までに逃げた相手の呼び名を入れていきますが、同じ言葉の繰り返しが、より高みに昇っていくのを感じさせて、実に心地のよいものです。
それで、最後には*「けれども ぼくは、おじいさんからも、おばあさんからも、うさぎさんからも、おおかみさんからも、それに、くまさんからも、にげだしたのさ。 あんたからも、にげだすよ」となるのですが、最後に出会ったのは「きつね」でした。
きつねは多くの国で、ずる賢さのシンボルになっている動物ですが、この絵本でも期待を裏切ることはありません。
おだんごぱんは、きつねの知略で褒められ・おだてられて、ついにきつねの鼻の上で歌うことになりました。
すると、きつねはもっとよく聞きたいからと、舌の上で歌ってくれるように、おだんごぱんに頼んだのです。
おだてられたおだんごぱんが、ぺろりと出したきつねの舌の上に乗った時、きつねはたちまち口を閉じて、おだんごぱんを食べてしまいました。
ここまで書くと・・・・そう、もう皆さんはお気付きですね。ぷっ♪
ということで、今回の私のレビューのオチは、
こんなところでいかがでしょうか?
冗談っぽいレビューになってしまいましたが、40年も読み継がれている素晴らしい絵本です。
この絵本のお話はロシアの民話ですが、私にとっては絵が一番の魅力でした。
絵は日本の作家の「脇田 和」さんによるものですが、2005年に亡くなっておられて、手に入る絵本はもう二つしかありません。
線画による描写が多い今の絵本はつまらないです。
もっと沢山の絵本を手掛けて欲しかったのですが、実に残念です。
脇田先生の情報は
こちらからどうぞ。