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オタクはすでに死んでいる

2008-05-18 23:42:08 | 芸能・スポーツ
岡田斗司夫「オタクはすでに死んでいる」

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 朝日新聞2008年5月4日付けの「著者に会いたい」に、オタク評論家の岡田斗司夫さん(49)が登場し、著書「オタクはすでに死んでいる」(新潮新書) について語った。

この本を書くきっかけは最近の若者に違和感を持ったこと。本来のオタクは、世間の多数派とは違うことを自分で掘り起こし、世間に対抗する知性と精神力を備えていた。しかし、今は「消費するばかりの存在。かつてオタクが共有した価値観」が失われてしまったのだという。

新製品の発売を待つだけ。好きなジャンルから少しでも外れると関心を示さない。こうした変化は社会の変化と連動しているとし、「経済成長と勤勉な国民性のもとで咲いた花がオタク。経済が行き詰ると皆が大人になりたがらず、自分の気持ちが何より大事な私至上主義となり日本は変わった」などと語っている。
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かのオタキングも、どうやら最近のオタクのあり方にはついて行けないらしい。
若いオタク層には、オマエがオッサンなんだよ、という反発もありそうだが、私にはオタキングの言っていることは非常によくわかる。

オタキングの主張の要諦は、「オタクという名の“共和国”が崩壊し、オタクたちがそれぞれの分野は違っても、虐げられている者同士、共有しあっていた文化の土壌がなくなった」というものだ。要は日本社会同様、みんな自分のことしか考えなくなり、自分と異なる者に対する思いやり云々以前に、自分と異なる者が存在するということにすら気づかなくなってきている、ということらしい。

これは、オタク第2世代の中心的論客であり、日本で最も新進気鋭の評論家として注目されている東浩紀が「動物化するポスト・モダン」で主張していたこととかなり論旨は似ている。東は、人間社会の動物回帰とも思える諸現象の原因を、イデオロギーのような「大きな物語」の崩壊の中に見ようとしていた。

オタキングは、これからはひとりひとりが自分のオタク道を極めればよいとしているが、それが幸せにつながるかどうかは、正直言ってよくわからない。
オタクの一般人への拡散は、直ちにそのアイデンティティーの喪失につながりそうだし、ひとりひとりが結合されず、バラバラにされている状況の中では、社会的強者だけが一方的に利益を得るということにもなりかねない。実際、政治・経済の分野ではすでにあちこちでそうなりかけている。

最後の砦である趣味の世界だけは、予定調和的空間であってほしいと思っているのだが、この本を見る限り、どうやらそれは不可能のようである。

日本のオタクの実態を知るとともに、文化論として読み解きたいと思っている方にとっては、とりあえず読んでおいて損はないと思う。

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