安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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平泉・猊鼻渓~八郎潟の旅(1)

2008-06-28 22:46:55 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
岩手・宮城内陸地震の影響がまださめやらないまま、その被害が一番酷かった一ノ関周辺へ、よりによって出かけることになってしまった(平泉自体は大きな被害がなかった)。

某団体主催の「八郎潟農村交流ツアー」に行くために八郎潟に行くのだが、未乗区間の北上線・田沢湖線に乗りたいがために鉄道を利用することにし、どうせ途中で通らなければならないなら、行ってしまえ!とばかりに世界遺産候補の平泉に立ち寄ることに決めたのである。

今回の旅行には、柄にもなく「周遊きっぷ」を使った。ゾーン券は「田沢湖・十和田湖ゾーン」である。北上線と田沢湖線全線がカバーされていることが決め手になった。

国鉄時代に導入され、鉄道ファンに評判の良かった周遊券が廃止されてから、気付いてみればもう10年近く経っている。周遊券廃止は旅客制度の世紀の大改悪、と鉄道ファンからは袋叩きにされた。私自身も、周遊きっぷは肝心なところでいつも役に立たなくて、そのうちに「JRグループが周遊券廃止のアリバイ作りのために売り出したダメ切符」という認識になり、次第に頭の中から消えていた。だが今回、事前に計算してみると、普通乗車券より4,000円以上安くなることがわかった。

ちなみに、事前に駅に周遊きっぷを買いに行ったとき、駅員から「私の駅員人生で初の周遊きっぷ販売です」と言われ驚いた。私が「率直に言って、これ売れてるんですか?」と聞くと「売れてません」と即答され、もう一度驚いた。「アリバイ作りのための切符」という私の認識は、あながち間違いでもないらしい。

そんなわけで、日本有数の絶景といわれる猊鼻渓にはぜひ行ってみたいと以前から思っていたのだが、温泉旅館が土石流で倒壊し、死者を出した駒ノ湯温泉の悪夢が頭をよぎった。そんな状態の時に、土石流の危険がある渓谷に入ることは危険な行為のように思えたので、猊鼻渓入りは中止しようかと思った。

しかし、猊鼻渓は震源地となった内陸部から遠いこと、すでに2週間経っており、余震も収まり始めていたこと、駒ノ湯温泉に近い「厳美渓」への立入禁止がこの日から解除となったことから予定通りの猊鼻渓入りを決めた。

新幹線で一ノ関に着くと、いきなり「駅からハイキング」中止のお知らせが張り出され、地震の影響を痛感する。一ノ関で東北本線に乗り換え、平泉駅へ。すぐに発車待ちの平泉行きバスがあったので、乗り込む。

世界遺産候補となっている平泉は、中尊寺を中心に、写真のような大小様々な建物からなっている史跡である。金色堂を除けば無料で入れる。が、やはりここのメインは金色堂だ。奥州藤原氏の栄華を伝える金色堂に、しばし見入った。

妻と2人で平泉のほぼ全部を歩いたが、他の世界遺産のようなインパクトに欠けることは否定できず、「ちょっとこれでは世界遺産は厳しそうだね」が共通認識だった。

1時間で回り終える予定の平泉だったが、そこはさすがに世界遺産候補だ。足早に回っても1時間では回りきれず、1時間半程度かかる。これから行こうという方は、最低2時間、じっくり見たい方は3時間を見ておく必要があると思う。

結局私たち2人は、のんびりし過ぎて平泉11時ちょうど発のバスに乗り遅れ、タッチの差で猊鼻渓行きバスに乗れなくなってしまった。さあどうするかと思い、平泉駅前の観光案内所に入ったところ、3時間以内なら2,000円という格安レンタカーがあった。個人経営のレンタカー業者だったが、平泉駅~猊鼻渓のバスは片道500円。2人で往復乗ることを考えればバスと変わらないから、思い切って借りることにした。

猊鼻渓までは30分程度で到着、すぐに遊覧船に乗る。遊覧船から眺めた猊鼻渓は、さすが日本百景とうならせる美しさだった。水がきれいなせいか、もたくさんいた。

猊鼻渓観光を終えた私たちは、レンタカーを返却し、平泉から東北本線でさらに北上する。北上からは、いよいよ未乗区間の北上線だ。

この北上線、かつては臨時列車だがDD51けん引の20系寝台急行「おが」が運転されたこともあった。今はローカル気動車が走るだけの線区だが、キハ100系の登場によってずいぶんスピードもアップした。
途中、車窓に雄大な錦秋湖が見えた。錦秋湖は、空梅雨気味の今年の気候もあって、岩肌が露出し、貯水量が極端に減っていた。

農村では「大雪に不作なし」と言われる。冬に大雪が降ったときは、山に雪解け水が蓄えられるため、水不足の心配がなく、干ばつによる不作の恐れがないという意味だが、錦秋湖のこの貯水率を見る限り、そうとばかりも言えないのではないかと不安になった。

北上線で横手に出た後は、奥羽本線に乗る。「田沢湖・十和田湖ゾーン券」は通称「秋田新幹線」の特急に立席に限り乗車を認めており、大曲から「新幹線」に乗って秋田入りした(注)。秋田で、他のツアーメンバーと合流し、宴会。

【完乗達成】北上線

(注)「全国新幹線鉄道整備法」では、新幹線を「その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」と定義している。このため、当ブログは、この定義に当てはまらないミニ新幹線方式を新幹線と認めない立場をとっている。

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