マチルダ、フィルタリングに進みました。
乾燥地帯で日差しが強いことを意識して迷彩色のコントラストを少し落とすのが目的です。
▼油彩、ネイプルスイエローにホワイトを少し混ぜて車体全体に塗っていきます。
筆に塗料を付け過ぎないよう注意して、伸ばすようにして塗っていきました。
▼結果、あまり変わりませんでした
迷彩色のダークグリーンはそのままで塗ってしまいましたが、今から思えば少しダークイエローを混ぜればよかったと少し後悔しております。
▼まあ、くよくよしても仕方がないので次の作業にかかります。
次は、車体が日差しや埃、雨、露などなどの影響を受けて塗装が傷んだ状態にするための作業です。
これをドッティングと言うそうですが、そういう何でもカタカタにするのは個人的に嫌いなので私は「経年変化処理」と呼んでいます。あくまでも個人的な意見ですので聞き流していただければと。
お詫び:ドッティングと言う呼び方に関して個人の好みで意見を言ってしまいました。この言い方に抵抗のない方も当然いらっしゃると思います。不快な思いをした方もいらっしゃると思います。この場を借りてお詫びいたします。
というわけで、経年変化処理は油彩を使っていきます。
使った油彩は、チタニウムホワイト、イエローオーカー、ネイプルスイエロー、ウルトラマリン、バーントシェンナの5色です。
▼細筆に少しつけて車体にちょんちょんと付けていきます。
多分、この点付けをドットとに見立ててドッティングっていうのだと思います。
▼細筆にペトロールを少しつけて伸ばして基本塗装になじませるようにしていきます。
平面では丸く広げていく感じで。側面では上から下へ筆を動かして馴染ませていきます。
▼車体側面も同じように作業します。色の乗せ方は光がよく当たる上面はホワイトやネイプルスイエローなどを多くして、エッジには錆ダレを意識してバーントシェンナ、下面はイエローオーカーやシャドウを意識してウルトラマリンなど、それぞれをランダムに点付けしました。
▼綺麗なペトロールを少し筆につけて上から下へ拭き取るようにしていきました。
▼経年変化処理をしたため、前の油彩のローアンバーでの墨入れの効果が薄れてしまったので、今度はもっと強めにするためにタミヤパネルラインのダークブラウンでボルトを中心に再度墨入れをします。
▼フィルタリング、経年変化処理、墨入れをしました。
写真を撮っていませんが、墨入れの後にホワイトでコントラスト、バーントシェンナで錆ダレ処理を追加しています。この辺りは効果を確認しながら作業が行ったり来たりしていくことが多いです。
訂正:フィルタリング(退色表現)とドッティング(いわゆる点描技法)を別物にように書きましたが、フィルタリング(退色表現)を行う方法の一つとしてドッティング(点描技法)があります。どちらもウエザリング作業の一部となります。いろいろ書きましたが、絶対こうだと言うことではなく、汚し作業のいろいろなやり方の一つだと個人的に捉えています。
ここまでの反省点は、チッピングの浅い傷の色が白すぎました。
もう少しダークイエロー寄りにしたほうが自然な感じになったと思います。そしてチッピングが少し雑ですね。しかし言い訳ですが、老眼にヘッドルーペの状態ではこれがある程度限界でした。
迷彩色のダークグリーンが強すぎました。基本色のダークイエローを少し混ぜればよかったと思います。
少し時間をおいて塗装状態をチェックして、足りないところがあれば再作業します。
そのあとでつや消しクリアーをエアブラシして、極薄の油彩ローアンバーでウォッシングし、最後に足回りと車体下部の汚し作業をして完成させたいと思います。
あれ、アンテナがない
チッピングの処理で
歴戦の車体になりましたネ。
激しい戦闘で
アンテナも吹き飛んだ感じ
ですかね・・・?
私も飛行機で完成まぢかに
ピトー管や機銃の銃身が
無くなってる事よく有ります(^^;)
ミニスケールのウエザリングは目が悪いと結構キツイですね。改めて実感しました。反省点もありますが、でも、またやりますよ〜。
アンテナ、探して見つけました 写真でもわかる様に根元のプラも一部一緒に取れていました。最後に取り付けることにします
も用材の種類が増えて、リキッドのものでは地域の風景に合わせた色味のものも出てきてそれはそれなりに便利にはなってきましたね。
油彩で多色を用いる場合、溶剤を強→弱と三段階くらい変えて色が混ざりにくく(濁りにくく)したりしていました。
フィギュアのフィニッシャーさんに教わった話だとドッティングが出てきた背景は細かい範囲に油彩の膜を載せることでなるべく複数色の絵具が(上に被さることがあっても)混ざらないようにする意図ということでした。絵具が混じるとグレー方向にトーンが落ちてしまうためです。
作り手の好みだけの話なのでやり方は無限にあると思います。
ただ展示会やコンペでも色の考証的なイメージよりも彩度を高めにし、強いて言えば絵画的な色合いの作品が増えているのは確かです。
光線の強さを出すための水色や明度を上げる黄色のフィルターは3-4年前から増えてますね。
ちなみにm今年は中止になりましたが、東京AFVの会の会場に入るといきなりターペンタインやペトロールの臭いが充満しています(徹夜完成組が多い?)
ウエザリングの塗料はAKなどのスペインものが幅を利かせていますね(笑)。一つ一つの用途ごとに製品があってまさに至れり尽くせりです。自分的にはお金がかかるので本当は国産で済ませたいのが本音です。パステルは100均、油彩も100均に近いもので済ませればいいなと思います。溶剤はタミヤのアクリル、エナメルで済みますし。
ドッティングは側面で特に威力を発揮すると思います。雨だれ、錆ダレ、埃による表現にピッタリですし、ここは確かに各色があまり混ざりあわず適度な加減で済ます必要があると思います。理論的にすべての色は、例えば印刷インキ(青:シアン、赤:マゼンタ、黄:イエロー)の三原色で全て作り出すことができます。そしてその3色が混ざり合えば黒になるはずなのですが、実際は黒に近いグレーとなります。ですので補色として黒インキを足しています。ドッティングもこの理論で言えば複数色が完全に混ざりあってしまうとグレー方向になるのは間違いないですね。
ウエザリング作業の塗料は油彩が最強だと思います。チッピング、墨入れ、ウォッシング、フィルタリング、錆ダレ、雨だれ、工程ごとにアクリルクリアーを挟めば多分油彩で全部済ませられます。
彩度高めはブラック&ホワイト技法をベースとした塗装に油彩、ピグメントてんこ盛りのウエザリングが主流になったことではないでしょうか。自分の理想は、綺麗な汚し塗装なのですが、なかなかジレンマから抜け出せません。
ターペンタイン、ペトロールの渇きを待ってクリアコートをかける時間がない:まさに徹夜完成に違いないですね。