◆目撃証言(eyewitness testimony)〔心理学〕
目撃者を探すのは犯罪捜査の定石である。裁判でも、目撃者の証言が有罪判決の決め手になる。しかし、通常は一瞬の間に起こる犯罪の目撃内容そのものの不確かさに加えて、一定年月が経過してから行われる目撃証言には、とりわけ問題が多い。人間の記憶は、ビデオの再生とは違って、変容・再構成が普通だからである。目撃者への質問によって再生がゆがめられたり(誘導尋問効果)、マスコミ報道に合わせて再生内容を変容させたり、同じことを何度も再生しているうちに現実に起こったことと頭のなかで考えたこととの区別がつかなくなったり(現実性識別の混乱)、といったことが起こりやすいことが知られている。
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