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心身一如

2009-01-29 | 健康・スポーツ心理学
● 心身一如 
 心身一如(しんしんいちにょ)とは、心とからだは一体(一如)という意味です。
 これは古くから、心身問題、心とからだとがどのように関係しているのかという問として、哲学的あるいは科学的に追及されてきた大問題です。
 最近の脳科学の目覚しい進歩によって、心の問題は脳の問題となってきていますので、「身」の代わりに「脳」、したがって、心脳問題と呼ぶほうが適切だと思います。
 「心の問題は脳の問題」と言ってしまいましたが、これは、素直にとれば、心は脳ですべて説明できることとなります。まさに、心身一如です。確かに、今の脳科学のめざましい発展からするとそれでどこが問題なの、と思われてしまいかねないのですが、ことは、そうは問屋がおろさないのです。
 このように、心はすべて脳で説明できるという立場を脳還元論、あるいは心脳一元論と言います。
 しかし、我々のような心理学者は、心の世界には、脳には還元できない(説明できない)世界があるとの確信のようなものを持っています。
 ここ確信を支えているのが、心脳2元論です。心と脳とは別世界、ただし、2つの世界を行き来するところはあるとする立場です。かの有名な哲学者・デカルトがこの説をかつて提唱しました。
 脳還元論は、暗黙裡に、心の現象を引き起こす原因として脳を想定していますが、そこまでは強い立場ではなく、心脳並行論というのが、心脳2元論との折衷的な立場としてあります。心と脳、それぞれの世界の独自性は認めながらも、しかし、一方から他方への因果的な影響は想定せずに、しかし、心と脳は並行的に機能している、というものです。
心理学者や心に関心を持つ脳科学者の多くが、この立場に立って研究をしていますが、両者の究極のねらいは異なっています。

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