6月21日、野口種苗代表野口勲氏による「タネ屋さんに聞く種の話し」講演会を開催しました。
私たちは生ごみを堆肥化したり自家製腐葉土を作ったりして
無農薬無化学肥料の安全でおいしい野菜を育てたいと勉強を続けていますが、
この講演はその元になる種について、深く重く考えさせられる内容でした。
命の源として守られてきた種に今何が起こっているのか、
野口氏のお話に驚いたり感心したり、
衝撃的なお話もあり、
長時間の講演でしたが長くは感じませんでした。
私たちがスーパーで買って毎日食べている野菜も、
庭先やベランダで大切に育てている野菜も、ほとんどがF1種です。
F1の野菜は姿かたちの良い美味しい野菜だと思っていましたが、
「雄性不稔(ゆうせいふねん)という雄しべのない遺伝子を持った野菜だ」とのお話には、
自然の営みに人間がここまで干渉して、「将来とも大丈夫なのか」という思いとともに、
雄性不稔の野菜を、生ごみ堆肥で無農薬栽培して、
「良くできた~」と
喜んでいるいる現実に大きな矛盾を感じました。
さらには、ターミネーター遺伝子という次世代以降は発芽しない種の研究が進んでいるとの事。
「自殺遺伝子」を組み込まれた種で、発芽しようとした瞬間に枯れる野菜、
遺伝子組み換えや雄性不稔よりもさらに不気味ではありませんか。
花を咲かせ命をつなぐはずの種が未来に繋がっていないという異常さを知った私たちにできる事は、
固定種の種をまき育て、種を取る事を繰り返して、
命のある種を未来に残す行動を起こすことかも知れません。
それは家庭菜園や集合住宅のベランダ菜園など、個人でもできる事で、
固定種の特徴を生かした野菜作りを楽しむ事ができます。
当クラブでは今年度、野口種苗の固定種、
伏見甘長唐辛子(左)とステラミニトマト(右)の種を会員で分け合って育てています。
白菜は芯まで白いので白菜と名付けられたそうですが、
私たちが食べている白菜の芯は黄色です。
江戸川区特産の小松菜も昔の小松菜とは違うものになっているとのお話でした。
将軍徳川吉宗が、江戸川区小松川に鷹狩りに来て食べ、
「美味じゃ!」
と言ったという本当の小松菜や、芯まで白い白菜を栽培してみたくなりました。
当クラブの実験菜園でも固定種・在来種の野菜を育て種を取り、
その種をまく野菜作りを目指したいという思いが湧いています。
長時間でしたが途中で帰る人は一人もなく、
みっちり勉強したという思いの講演会でした。(ikiiki)