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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

伝統芸能「能楽を学ぶ」

2011年11月02日 | もっと文化を!そして歴史を!
お知らせ

古典芸能「能楽を学ぶ」
~名作「井筒」を題材に、能の基礎的知識の解説と実演~

日 時 11月19日(土)午後2時~3時30分
会 場 島本町立歴史文化資料館
講 師 吉浪壽晃氏(観世流能楽師・シテ方)
      東京藝術大学にて25世観世宗家 故観世左近師に師事
      京都観世会理事 朝日カルチャーセンター講師
内 容 謡曲「井筒」独吟 みどころとあらすじ
    謡ってみよう!(謡曲体験)
    面(おもて)の解説 鳴り物のあしらい
    仕舞など
入 場 無料

※「井筒」は、島本町ゆかりの人物、在原業平の伊勢物語の恋物語を題材にした謡曲
※座席77席。入場者多数の場合は制限されることがあります

主 催 島本町教育委員会
問合せ 島本町立歴史文化資料館 075(961)3411

the能.com「井筒」


明治時代、すべての学校にピアノが設置されるまでには、官民ともに多くの方のご尽力があったと聞いたことがあります。今では、ほぼすべての学校にピアノがありますが、日本古来の鼓や太鼓を備えている学校は、おそらくほとんどありません。今や義務教育に「和」の伝統文化芸能をとり入れることがひとつの挑戦となっています。いまさら古典が、いまこそ古典に。できれば自分の根っこの部分、自ら生まれ育った土壌で培われた文化・芸能に親しみたいと思う日本人が増えていると、わたしは感じています。

時代が「和」を求めています。子育て世代にとっても、小さな子どもたちにとっても能、狂言、歌舞伎、舞の世界は新鮮かつミステリーゾーンです。国際社会で活躍するとき、語学力以前に求められるものは、母国の歴史や伝統文化の知識やそれに由来する感性であることを、多くの成功者が語っておられます。クリスマスキャンドルの灯りよりも、和ロウソクのゆらぎが、結局、日本人にはしっくり胸に沁みる・・・そういうこともあると思います。

「和」の古典芸能に目を向けた、歴史文化資料館でのはじめての企画。作者の世阿弥が自ら最高傑作とした「井筒」を縦軸に、能の基礎知識を横軸に、実演を交えた講演になります。拍子盤を使った鳴り物のあしらい、解説をともなった仕舞の実演は、お能に縁がなかった方にも、鑑賞経験のある方にも魅力的な体験になるはず。みなさまのご参加をお願いします

そして、こんな話も・・・
宗教哲学者・梅原猛氏は著書『観阿弥と正成』で、「観阿弥・世阿弥は楠木氏と血縁関係にある」と明言しておられます。伊賀の旧家、上嶋家に伝わる「上嶋家文書」の中の「観世福田系図」に「観阿弥の母は橘正遠の娘」と記されているそうです。楠木氏は橘姓なので、正遠は正成の父ではないかと考えられていて、つまり系図によると、観阿弥は正成の甥になるのだそうです。梅原説に否定的な説もあり、本当のことはわかりかねますが、楠公父子別れの地と伝承される島本町の町民には、興味深い話です。

画像は、史跡・桜井の駅跡にある観世流「楠の露」の解説文
ほぼ「太平記」の写しで、楠木父子の別れを描いた曲(明治時代の新作)
題は、芭蕉の句からの引用とされています

なでし子にかかる涙や楠の露  芭蕉