僕が子供達に野球を教えようと思ったのは、ほんの些細な出来事からでした。
或る日、散歩がてらいつもとは違う道を使って自宅に帰る途中の事です。
大きな歓声が聞こえるので、その方向に立ち寄ってみると、そこはまさに少年野球の大会が行われている真っ最中でした。
最初は単なる好奇心で見学していました。
ですが、野球に限らずスポーツ経験者が他人のスポーツを見学すると、どうしても自分の経験したポジションに目が行ってしまいます。
その時の僕も目の前で試合をしているチームの内野手、それもショートやキャッチャーを見つめていました。
10分ほど見学していてその時感じたのは、身体能力の高い子供達だなぁと言うのが正直な感想でした。
最近の子供達はもっと体力も無く、自分達の子供の頃に比べるとひ弱と言う思い込みがあったからです。
ですが、そこにいた子供達は体躯もしっかりして、肩も強く、見るからに健康優良児ばかりでした。
それから30分ほど見学していると、妙な事に気が付きます。
明らかに自分の子供の時よりも体格が良いのに、ショートは送球が一塁に届かず、キャッチャーは盗塁したランナーを二塁で刺せません。
二塁が刺せないだけで無く、ランナーが出たらほぼ一塁から三塁まではフリーパスの状態でした。
これが少年野球?と訝し気に見学していると、どうも子供達は正しい構え方や投げ方を教わっていない事を理解します。
みんなお揃いのユニフォームを着て、立派な道具を使い、恐らく毎週末に練習して、季節ごとの大会に参加しているだろうに、本当の基本を教わっていないのです。
これはベンチからの監督やコーチの掛け声を聞けばよく解かります。
グラウンドに居る選手たちに飛ぶ注意が、およそ野球経験者のものでは無かったからです。
それが解ってから改めてグラウンドを見ると、何故か選手たちが哀れに思えて来ました。
みんな一生懸命野球を上手くなろうとしているこの時期に、正しいフォームを教わらなければ時間の無駄になるだけで無く、後から取り返しのつかない妙な癖が付いたり、それこそ故障の原因になってしまいます。
グラウンドのそばでアップしていた他の少年野球チームも、どうやら指導陣は野球経験者では無さそうです。
この日から、子供達にきちんと野球を教えてあげたいなぁと思う日が始まったのです。
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