インテリジェント ワークス

子供達との泣き笑い

単純な算数

2020年09月03日 | 塾長の独り言

猛威を振るう新型コロナにより、職を失う又は失うであろう人数は今月までに5万人を超えると言う予測が出ています。
物凄い人数が職を失う事になるんですよね。
ただ、これだけ不景気だと経営者側としても止むを得ずと言う所があるかも知れません。
何しろ世界中がコロナの影響で経済が回らなくなっています。
どこの企業も商店も、余剰人員を雇っておく余力はありません。

ですが。
ちょっと待って下さい。

時給で働いている人達を解雇したり、勤務時間を減らす事は必ずしも経費削減になっていないどころか、逆に経費が増えている事に気付いていますか?
もしもこのブログを見ている経営者の方、またはそんな経営者に解雇された、もしくはシフトを減らされた方がいらっしゃいましたら、以下のシミュレーションをご覧下さい。

社員の人件費を減らして、経費の削減を行う為には一定の条件があります。
それは時間に関係なく、支払う給料が固定の場合に限られます。

対して、逆に経費の削減どころか経費が増えてしまうケースが存在します。
それは時給で働く従業員で構成された、決められた数の工程をこなして行く場合です。

仮にお客様が来ても来なくても時給が発生するような場合は、そのシフトを減らす事によって人件費の削減にはなります。
ですが、一定の工程を時給で雇われた従業員が製造して行く場合には、逆に経費が増大して行きます。
その理屈を解り易く説明して行きましょう。

仮にケーキを販売する商店で店番をする従業員が4人居たとします。
お店の開店時間は12時間であり、各々の時給は計算し易い1000円としましょう。

その場合は12時間×4人×1000円で、毎日48000円の人件費が発生する事になります。
これを3人で店番させると、1日に発生する人件費は36000円となり毎日12000円の経費削減に繋がります。

ですが、これを製造工程に置き換えてみましょう。

ケーキを作るこのお店では、以下の作業が必要だったとします。
解かり易く、各々の工程を全て4時間で固定します。

材料の準備作業4時間。
ケーキ製造時間4時間。
ケーキ梱包品出4時間。

ここも同じく合計時間は12時間です。

これを4人で作業したとしたら、一人が受け持つ時間は3時間で済みます。
つまり12時間÷4人で一人が3時間働けば全ての製造工程が終了します。

この時、かかる光熱費を100として、従業員の消耗体力も100としましょう。

製造にかかった人員は4人。
かかった時間は12時間。
実際の労働時間は3時間。
使用した光熱費は100。
従業員の労力は100となります。

ですが、これを何も考えない経営者が経費削減を謳い文句に、従業員の数を4人から3人に減らしたとします。

すると、上で示した時間が以下のように変化します。

製造にかかった人員は3人。
かかった時間は12時間。
実際の労働時間は4時間。
使用した光熱費は133。
従業員の労力は133となります。

ご理解頂けますか?
人員削減により、一番見込んでいた人件費の削減は全く変化が無く、逆に作業時間が増える事により光熱費と従業員の負担だけが増加する事になります。

もしも、皆さんが努めている職場で、上記のような決定が下されようとしているなら、このブログを紹介してもう一度しっかり計算するように上司に申し出て下さい。
御必要であれば、これを図解した表も用意してあります。
お申し付け頂ければ、いくらでも提供させて頂きます。
ご希望の方は、コメント欄に資料希望、公開不要を明記の上、送り先を書き込んで下さい。

みんな、コロナなんかに負けないで。


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