ねかはくは花のもとにて春しなむそのきさらきのもちつきのころ
世にも有名な西行の和歌。
原文で書くとこうなる。
濁点がないので、読みづらい。
「もちつき」は「望月」で、満月のことだが、「餅つき」と読みそうになる。
まあ、どうでも良いこと。
「きさらき」は「きさらぎ」で、如月=2月のことである。
ところで、今年の大河ドラマ「平清盛」では、西行が結構大きな扱いを受けている。
らしい。
じつは見ていないから良くは知らない。
つい先日の放送で、佐藤義清が出家して西行となったとかなんとか。
新聞のテレビ欄で読んだような。
実際、西行が平清盛とかかわりが大きかったという話はあまり聞かない。
その辺りはフィクションということだろう。
さて、実際に西行は2月16日に亡くなったとされる。
自分の詠んだ歌の通りに死を迎えたわけである。
西行の亡くなった1190年の旧暦2月16日は、現行暦に換算すると3月30日。
満開とはいかないが、桜も咲いていておかしくない頃である。
ここまで出来すぎていると、事実を疑いたくなるのは、ひねくれ者故だろうか。
京都市の南西の果て、大原野と呼ばれる辺りに、勝持寺という寺院がある。
ここが西行所縁の地といわれ、西行桜なる桜の木がある。
史実であるのかどうか、定かではないが、確かなのは、ここが桜の名所であることである。
是非訪れてみて欲しい寺院であるが、京都中心部から遠いのが玉に瑕。
京都駅からだとJR東海道本線で2駅、桂川駅からバスかタクシーで行くことになる。
阪急の洛西口駅からも同様である。
それぞれの駅から歩いていけなくもないが、かなり遠い。
しかし、桜が満開の頃なら、行ってみる価値は十分にある。
ちかくには大原野神社や正法寺といった寺社もあり、桜の見所でもある。
大原野神社には千眼桜といわれる木があり、三日で散ってしまうという珍しい桜である。
写真はどれも数年前のものなので、現況は不明なので、あしからず。
ちょっとひねった観桜紀行をお考えならば、訪れてはいかがだろうか。
”あいらんど”