京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

ニンニキニキニキ

2012-03-18 | インポート

 

     ねかはくは花のもとにて春しなむそのきさらきのもちつきのころ

 

 世にも有名な西行の和歌。

 原文で書くとこうなる。

 濁点がないので、読みづらい。

 「もちつき」は「望月」で、満月のことだが、「餅つき」と読みそうになる。

 まあ、どうでも良いこと。

 「きさらき」は「きさらぎ」で、如月=2月のことである。 

 

 ところで、今年の大河ドラマ「平清盛」では、西行が結構大きな扱いを受けている。

 らしい。

 じつは見ていないから良くは知らない。

 つい先日の放送で、佐藤義清が出家して西行となったとかなんとか。

 新聞のテレビ欄で読んだような。

 実際、西行が平清盛とかかわりが大きかったという話はあまり聞かない。

 その辺りはフィクションということだろう。

 

 さて、実際に西行は2月16日に亡くなったとされる。

 自分の詠んだ歌の通りに死を迎えたわけである。

 西行の亡くなった1190年の旧暦2月16日は、現行暦に換算すると3月30日。

 満開とはいかないが、桜も咲いていておかしくない頃である。

 ここまで出来すぎていると、事実を疑いたくなるのは、ひねくれ者故だろうか。

 

 京都市の南西の果て、大原野と呼ばれる辺りに、勝持寺という寺院がある。

 ここが西行所縁の地といわれ、西行桜なる桜の木がある。

 史実であるのかどうか、定かではないが、確かなのは、ここが桜の名所であることである。

 

 Syojiji_sakura_3

 

 是非訪れてみて欲しい寺院であるが、京都中心部から遠いのが玉に瑕。

 京都駅からだとJR東海道本線で2駅、桂川駅からバスかタクシーで行くことになる。

 阪急の洛西口駅からも同様である。

 それぞれの駅から歩いていけなくもないが、かなり遠い。

 しかし、桜が満開の頃なら、行ってみる価値は十分にある。

 ちかくには大原野神社や正法寺といった寺社もあり、桜の見所でもある。

 大原野神社には千眼桜といわれる木があり、三日で散ってしまうという珍しい桜である。

 

 Oharano_sakura_2

 

 写真はどれも数年前のものなので、現況は不明なので、あしからず。

 

 ちょっとひねった観桜紀行をお考えならば、訪れてはいかがだろうか。

”あいらんど”