京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

キモノリウム

2014-10-26 | まち歩き

二条城で開催中の「アートアクアリウム城」へ行ってきました。

 

京都が世界遺産に登録されて20周年という節目の年を記念した特別展として開催されました。

 

Sb_kyt2014_01

 

名前の通り、「アート」と「水族館」の融合です。
想像もしなかった形の水槽の中を沢山の金魚が優雅に泳ぐ姿は
現実を忘れてしまうほど神秘的でした。

 

 

3 5

4

 

それぞれの水槽が「作品」であり、そこに金魚が泳ぎ
音と光で演出することでこの「作品」の完成となります。

 

 

1

 

大変多くの来場者の為、並んで待たなければ見られない作品もありました。

 

2

 

 
1000匹を超える魚が泳ぐ水槽なのに、水も水槽も驚く程綺麗にされている
飼育技術の高さも見所かもしれません。
餌とかどうしているんだろう…?と想像は膨らみます。


京の夜を美しく彩る金魚に会いにぜひぜひ京都へおこしやす!

 

 

 
アートアクアリウム城
開催時間 17:00~22:00(最終受付21:30)
当日券  大人1500円・小人1000円

 

当館からのアクセス
地下鉄東西線「京都市役所前」から2駅「二条城前」下車

 

 

〈KURO・マキ〉


10月は享める如く

2014-10-26 | インポート

 

 日本の首都はどこだ、という論争がある。

 普通に考えれば、東京ということになる。

 議論の余地などなさそうだ。

 しかし、こういうことが言われてもいる。

 東京遷都の詔は出ていない、というものだ。

 江戸幕府が倒れ、新しい世になり、時の明治天皇が平安京から江戸へ移り、江戸が東京と改められた。

 歴史ではそう習う。

 しかし、この時、明治天皇はあくまで行幸、つまり、旅行であるとされていた。

 そのまま帰ってこないだけだから、都は京都のままだ、という論法である。

 まあ、実際上は、どう考えても、東京が首都であるのだけれど。

 

 さて、京都には、平安京以前にも都はあった。

 平安京の直前の長岡京はもちろんそうだが、それよりも前に、恭仁京というのがあった。

 京都駅からJRの奈良線に乗って快速で40分弱で着く木津駅から関西本線に乗り換え、ひと駅が加茂駅。

 そこがかつて恭仁京あった場所だ。

 

 駅前はそれなりの町であるが、恭仁京があったのは、そこから北へ行って木津川を渡った先になる。

 そこに広がるのは、本当にそこが都だったのかと疑ってしまうほど、のどかな田園風景だ。

 都だった痕跡は、ほとんど残っていない。

 そもそも都だった期間も3年ほどという短さだった。

 

 都の面影は残っていないが、この近辺には見所の寺院が少なくない。

 まずは、海住山寺。

 木津川を渡る橋から田園風景の中を抜け、その奥の山の中腹にある。

 勾配の中に点在する農村らしい民家の間を抜け、さらに奥へ、急坂を登った先にある。

 境内からは見晴らしも良く、登ってきた疲れも忘れさせてくれる。

 また、境内にある五重塔は、小ぢんまりとしていて、どこかミニチュアじみた可愛さがある。

 

 さて、もう一つの見所は、そことは盆地を挟んで南北に相対するような場所にある。

 その名を浄瑠璃寺という。

 名すら美しいその寺は、九体の阿弥陀如来が安置された阿弥陀堂で有名である。

 阿弥陀堂が池に面して建つ伽藍は、平安末期の浄土式庭園の典型である。

 『風立ちぬ』で知られる堀辰夫に『浄瑠璃寺の春』という作品がある。

 奈良のほうから歩いて登ってきたこの寺で見た馬酔木の美しさが印象的に描かれた作品だ。

 このあたりには野仏も多く、山村の趣も深いので、歩いて回るのが良い。

 

 京都市内も良いけれど、ちょっと足を延ばしてみると、また違った京都を知ることができることだろう。

”あいらんど”