清水寺の正面、仁王門左側の道を奥に行ったところにある塔頭、成就院。
ここは幕末の勤王僧として知られる月照上人と、その実弟信海が住職を務めたことで知られ、ここで西郷隆盛とよく密談したと伝えられます。
「明治維新150年記念」と「西郷隆盛」をテーマとした「京の冬の旅」で特別公開され、隆盛と月照が鹿児島湾で入水した際に身に着けていた衣や、月照上人と信海上人の木像など、ゆかりの寺宝を公開。
こちらの庭園は東山三十六峰を借景した池泉鑑賞式庭園「月の庭」。
成就院を出て清水寺の北総門の近くには、月照上人と信海上人の辞世の句碑、隆盛が月照上人の死を悼んで送った弔いの詩碑の、三つの石碑が建ち、その手前右に近藤正慎碑、左に忠僕重助碑が建つ。
音羽の滝から帰り道には、五軒の茶屋がありますが、その中に少し変わった名前の茶屋が2軒。
「下僕茶屋」と「下切茶屋」。
この2軒の茶屋はいずれも今から150年前、安政の大獄で非業の死を遂げた月照、信海両上人に仕えた近藤正慎(俳優、近藤正臣の曽祖父)、大槻重助に由来する茶屋。
清水寺参拝の折にはぜひ一服を。
子安の塔をさらに進むと隆盛と月照が謀議したと伝わる清閑寺があります。
「平家物語」の悲恋で知られる高倉天皇と小督局ゆかりの寺。
ちょうどこの日は参拝者の安寧を祈願する行事、青龍会が行われ、躍動感にあふれる龍が境内を巡りました。
清水寺にも春がそこまでやってきています。
京都好き男 細木