NHK 10月19日
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、多文化共生の取り組みが進むなか、アイヌを先住民族として位置づける、新たな法案が次の通常国会に提出される見通しです。
平成元年の東京都の調査では、都内だけで2,700を超えるアイヌの人々が暮らしていて、その数はさらに増えていると考えられています。首都圏に暮らすアイヌの人々の思いを取材しました。

東京駅のすぐそばに、首都圏に暮らすアイヌの人々が集う場所があります。
この日行われていたのは、伝統的な踊り(剣の舞)の練習です。
アイヌにルーツを持つ人たちが中心となって、50年以上前に作ったグループで、2年後の東京オリンピック・パラリンピックは、アイヌへの理解を広げるチャンスになると考えています。
「私がアイヌだと言っても、知らない人が多い。このまま アイヌがないものとされてしまうのはすごく嫌だったので、少しでも知ってもらいたい」と話すのは北海道出身の女性。
また、千葉県出身の女性は「アイヌだと教えてもらえずに育った。それはすごく悲しいことだと思う。自分の子どもたちには、恥じることなく言えるよう、大きくなってほしい」と話していました。
古くから北海道などに暮らし、独自の文化を育んできたアイヌ民族。
明治以降、政府は土地を奪い、日本語での教育を徹底するなど 同化政策を推し進め、その後も厳しい差別が長く続きました。
首都圏の団体でリーダーを務める1人、北海道出身の 島田あけみさんは、親族や知人が就職や結婚で苦労するのを目の当たりにし、新しい土地で暮らそうと二十歳で上京しました。
現在、政府はアイヌに関する新たな法律を検討しています。
島田さんは、政府の会合に招かれた際、歴史を踏まえ、先住民族としての位置づけを確かにしてほしいと要望しました。
「アイヌがなにものであったかという、歴史的なことをきちんと理解してほしい」
政府は、アイヌを先住民族として法律に明文化する方向で検討を進めています。
「 “劣っている” とか “困っている” とか、そういうものではないということをきちんと見せるのが、いちばん日本中に住むアイヌのためになると思う」と島田さん。
法案が次の通常国会にも提出される見通しのなか、島田さんはシンポジウムを企画しました。
『文化伝承だけではないということを、マオリから学ぶべきだと思っている』
招いたのは、ニュージーランドの先住民族、マオリの人々です。
自身もマオリで、国の大臣として権利回復に努めてきたテ・ウルロア・フラヴェルさんが駆けつけました。
『私たちがニュージーランドで経験したことを伝えたい。マオリとアイヌは “植民地化された” という同じ歴史を持っている・・・』
1960年代から活発な運動を展開し、マオリ語を公用語にするなど、独自の文化を取り戻してきたマオリ。
フラヴェルさんは、法律が果たす役割の大きさを指摘しました。
「法律は重要だ。政府に先住民族に対する義務を履行させるだけでなく、国全体のあり方を示すモデルになる」
マオリの積極的な動きに刺激を受けた島田さん。今後、アイヌの存在をもっと広く知ってもらい、理解者を増やしたいと考えています。
島田さんは「アイヌはこうだと、直接私たちに触れて 一緒に考えてもらう場を持ちたい。いろいろなことを 1つずつやっていくうちに、何かが生まれてくるかもしれない」と話していました。
島田さんたちは、あす(10月20日)午後、横浜市でアイヌ文化を体験できるイベントを開催する予定です。
問い合わせ先
◇アイヌ文化の体験・交流イベント【アイヌ感謝祭】について
日時:10月20日(土)12:00~17:00
会場:「スペース・オルタ」(横浜市港北区新横浜2-8-4 オルタナティブ生活館B1)
電話・FAX:045-472-6349
内容:刺しゅうやアイヌ語の体験教室、歌と踊りのパフォーマンスなど
◇首都圏でアイヌ関連の情報を得るには…
「アイヌ文化交流センター」
東京都中央区八重洲2-4-13
電話:03-3245-9831
営業時間:午前10時~午後6時/日&月曜休み(祝日は営業、翌日休み)
http://www.nhk.or.jp/shutoken/ohayo/report/20181019.html?fbclid=IwAR2OYMigHIh1ULEHs45cHDfJF8czdu-LOo1Tmjre2JJD1TIDfT590TVQosQ
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、多文化共生の取り組みが進むなか、アイヌを先住民族として位置づける、新たな法案が次の通常国会に提出される見通しです。
平成元年の東京都の調査では、都内だけで2,700を超えるアイヌの人々が暮らしていて、その数はさらに増えていると考えられています。首都圏に暮らすアイヌの人々の思いを取材しました。

東京駅のすぐそばに、首都圏に暮らすアイヌの人々が集う場所があります。
この日行われていたのは、伝統的な踊り(剣の舞)の練習です。
アイヌにルーツを持つ人たちが中心となって、50年以上前に作ったグループで、2年後の東京オリンピック・パラリンピックは、アイヌへの理解を広げるチャンスになると考えています。
「私がアイヌだと言っても、知らない人が多い。このまま アイヌがないものとされてしまうのはすごく嫌だったので、少しでも知ってもらいたい」と話すのは北海道出身の女性。
また、千葉県出身の女性は「アイヌだと教えてもらえずに育った。それはすごく悲しいことだと思う。自分の子どもたちには、恥じることなく言えるよう、大きくなってほしい」と話していました。
古くから北海道などに暮らし、独自の文化を育んできたアイヌ民族。
明治以降、政府は土地を奪い、日本語での教育を徹底するなど 同化政策を推し進め、その後も厳しい差別が長く続きました。
首都圏の団体でリーダーを務める1人、北海道出身の 島田あけみさんは、親族や知人が就職や結婚で苦労するのを目の当たりにし、新しい土地で暮らそうと二十歳で上京しました。
現在、政府はアイヌに関する新たな法律を検討しています。
島田さんは、政府の会合に招かれた際、歴史を踏まえ、先住民族としての位置づけを確かにしてほしいと要望しました。
「アイヌがなにものであったかという、歴史的なことをきちんと理解してほしい」
政府は、アイヌを先住民族として法律に明文化する方向で検討を進めています。
「 “劣っている” とか “困っている” とか、そういうものではないということをきちんと見せるのが、いちばん日本中に住むアイヌのためになると思う」と島田さん。
法案が次の通常国会にも提出される見通しのなか、島田さんはシンポジウムを企画しました。
『文化伝承だけではないということを、マオリから学ぶべきだと思っている』
招いたのは、ニュージーランドの先住民族、マオリの人々です。
自身もマオリで、国の大臣として権利回復に努めてきたテ・ウルロア・フラヴェルさんが駆けつけました。
『私たちがニュージーランドで経験したことを伝えたい。マオリとアイヌは “植民地化された” という同じ歴史を持っている・・・』
1960年代から活発な運動を展開し、マオリ語を公用語にするなど、独自の文化を取り戻してきたマオリ。
フラヴェルさんは、法律が果たす役割の大きさを指摘しました。
「法律は重要だ。政府に先住民族に対する義務を履行させるだけでなく、国全体のあり方を示すモデルになる」
マオリの積極的な動きに刺激を受けた島田さん。今後、アイヌの存在をもっと広く知ってもらい、理解者を増やしたいと考えています。
島田さんは「アイヌはこうだと、直接私たちに触れて 一緒に考えてもらう場を持ちたい。いろいろなことを 1つずつやっていくうちに、何かが生まれてくるかもしれない」と話していました。
島田さんたちは、あす(10月20日)午後、横浜市でアイヌ文化を体験できるイベントを開催する予定です。
問い合わせ先
◇アイヌ文化の体験・交流イベント【アイヌ感謝祭】について
日時:10月20日(土)12:00~17:00
会場:「スペース・オルタ」(横浜市港北区新横浜2-8-4 オルタナティブ生活館B1)
電話・FAX:045-472-6349
内容:刺しゅうやアイヌ語の体験教室、歌と踊りのパフォーマンスなど
◇首都圏でアイヌ関連の情報を得るには…
「アイヌ文化交流センター」
東京都中央区八重洲2-4-13
電話:03-3245-9831
営業時間:午前10時~午後6時/日&月曜休み(祝日は営業、翌日休み)
http://www.nhk.or.jp/shutoken/ohayo/report/20181019.html?fbclid=IwAR2OYMigHIh1ULEHs45cHDfJF8czdu-LOo1Tmjre2JJD1TIDfT590TVQosQ