先住民族関連ニュース

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四島代表者、共同経済活動の協議難航に懸念 本年度ビザなし終了

2018-10-17 | アイヌ民族関連
北海道新聞 10/17 00:16 更新
 【根室】北方領土ビザなし交流で日本を訪れていたロシア側の四島住民代表者は16日、根室市内で記者会見し、日ロ両政府が具体化を目指す共同経済活動に関し「どちらの法律で行うかという課題を解決しない限り進展はしない」と述べ、法的枠組みを巡る協議が難航していることに懸念を示した。
 南クリール地区のコンスタンチン・ブタコフ地区長代行(48)=国後島=は「共同経済活動の展望は明るい。両国に有益になると考えている」と期待する一方、「日本側調査団が3回来たが、まだ足りない。一番の障害は法的枠組みの問題だ」と強調。セルゲイ・ウソフ斜古丹村長(58)=色丹島=は共同経済活動の協議に関し「日本側が近寄ってくれない場合、別の人たちが取って代わるだろう」と日本側の譲歩を求めた。
 訪問団は代表者5人のほか、富山県を訪れた四島住民59人、旭川のアイヌ関連施設などを視察した歴史文化専門家の3人で、16日午後に根室港を離れた。これで本年度のビザなし渡航の全日程(自由訪問、北方領土墓参、ビザなし交流)が終了した。(今井裕紀)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/238559

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アイヌ文化 冊子発行

2018-10-17 | アイヌ民族関連
読売新聞 2018年10月16日

 北海道観光振興機構は、2020年の「民族共生象徴空間」(白老町)オープンに向け、アイヌ文化の伝承や普及に取り組む人々やその活動などを紹介する冊子「ASIR(アシリ)」を発行した=写真=。「アシリ」はアイヌ語で「新しい」を意味する。来年3月まで毎月1回、計6回発行する予定。
 第1号では、平取町の二風谷を特集した。町立二風谷アイヌ文化博物館学芸員補の関根健司さんと、工芸作家の関根真紀さん夫妻や、今年4月にゲストハウスを開いた萱野公裕さん、狩猟をなりわいにしているアイヌの門別徳司さんらを取り上げている。
 今後は、阿寒、オホーツク、上川地域などを特集する予定。
 冊子はオールカラーで、A4判16ページ。道内外のアイヌ文化を展示している博物館や宿泊施設、象徴空間の応援ネットワーク企業など約130か所に計3万部を配布する。問い合わせは、同機構(011・231・2900)へ。
https://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20181016-OYTNT50085.html

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トランプ氏が「ポカホンタス」とやゆの上院議員、DNA鑑定で反撃

2018-10-17 | アイヌ民族関連
ロイター 2018年10月16日 / 11:57 / 19時間前更新

8月撮影(2018年 ロイター/Yuri Gripas)
[ワシントン 15日 ロイター] - 米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)は15日、トランプ大統領が同議員は自身が先住民を祖先に持つと家系を偽っているとして「ポカホンタス」という単語で揶揄(やゆ)した問題で、DNA鑑定の結果真実だったと発表した。鑑定では、6─10世代前に先住民がいたことが示されたという。
ポカホンタスは、17世紀の先住民族女性の名前。ウォーレン議員含め一部先住民が差別語とみなしており、トランプ大統領の発言は先住民団体などから批判を浴びている。
ウォーレン議員は15日、「2012年に上院議員立候補を決めたとき、先住民としての私の家系が攻撃の標的になるとは思わなかったし、また亡くなった親たちがうそつき呼ばわりされるとも思わなかった。さらに、米国の大統領が私の家族の歴史を人種差別的な政治ジョークに使うとは、まったく予想しなかった」との声明を発表した。
トランプ大統領は7月にモンタナ州で行われた集会で、「あなたが検査を受け、自分がインディアン(先住民族)だと判明したら、希望の慈善団体にトランプの名前で100万ドルを寄付する」と発言していた。
ウォーレン議員はツイッターでこの発言に言及し、「(100万ドルの)小切手を、National Indigenous Women's Resource Centerに送金してください」と投稿した。
トランプ大統領は今回の鑑定結果について質問されると、「知るもんか」と一蹴。(寄付に関する)発言があったことを否定した。その後ジョージア州で記者団に、100万ドルを支払う可能性を示唆したが、「個人的に検査できればの話。あまり楽しみなことではない」と付け加えた。
https://jp.reuters.com/article/pocahontas-idJPKCN1MQ076

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オーストラリアで国民的人気を誇るダンス・グループ、バンガラ・ダンス・シアターが埼玉初登場!

2018-10-17 | 先住民族関連
MIKIKI 2018.10.16
オーストラリアのアボリジナル/トレス海峡諸島の伝統的な舞踊と、現代的なダンスを融合させた、同国で国民的人気を誇るダンス・グループ、バンガラ・ダンス・シアターが埼玉初登場!
 世界中を見渡しても、歌と踊りがない文明はないだろう。オーストラリア先住民族は文字を持たないが、壁画や儀式や踊りと歌を6万5千年にわたって受け継いできた。
 バンガラ・ダンス・シアターは、1989年創設以来、そうしたアボリジナルの文化を採り入れてコンテンポラリー・ダンスの世界に独自の存在感を示してきたのである。「バンガラ」とは先住民の言葉で「火をおこす」という意味だという。
 ただ、この手のものが苦手な人もいるだろう。「なるほど意義深いことはよーくわかりましたけど、パフォーマンスとしておもしろいかというと、それはまた別というか……モゴモゴ」となる作品も多いからだ。
 しかし彼らは、驚異的な身体性と伝統を踏まえながら、しっかりと現代のカルチャーにアクセスできるセンスが両立している。安心してオススメできるカンパニーである。
 これまで3度来日しているが、筆者が強く覚えているのは2008年にオーストラリアのアデレードで開催された国際ダンス・フェスティバルでのことだ。これは基本的にコンテンポラリー・ダンスを中心としたフェスティヴァルなのだが、この年は先住民族の文化を紹介し、オーストラリアがいかに占領迫害の過去を悔い、今は共に歩もうとしているかを示す展示や映像、パフォーマンス等、特別なプログラムが組まれていたのである。
 この2008年は特別な年で、当時のケビン・ラッド首相が、歴史上初めて公式に先住民の人々に謝罪したのだった。正式なカンパニー公演というわけではないものの、その中でバンガラ・ダンス・シアターも紹介されていた。当時の筆者のメモを見ても、身体能力の高さに驚愕する言葉が並んでいる。
 そしてじつは、バンガラ・ダンス・シアター芸術監督のスティーヴン・ペイジは、2004年に、先住民として初めて同フェスティバルの芸術監督も務めた人だったのだ。
 ……とカンパニーの説明が終わったところで、今回来日する2演目について語っておこう。

『Spirit 2018』は、ペイジ芸術監督の振付作品である。彼は2000年のシドニー・ オリンピックでは開・閉会式のセレモニーにおける先住⺠の場面の演出を手がけており、高い評価を得ている。これはいわば、彼らのベスト盤という構成である。年度が入っているのは、公演のたびに内容がアップデートされていくから。常に進化、常に最新版なのである。過去の映像資料を見ると、オーストラリア各地の物語や伝承が題材に採られている。白く塗られた身体で抽象的・神話的な世界を描くシーンもあれば、ディンゴ(オーストラリアの野犬)の魂を描く作品で現代の車が登場したりする自由さがある。
 ダンサー達はいずれも鍛え抜かれているが、バレエを中心としたヨーロッパのダンスに比べて圧倒的に腰が低く、中腰というより低空で移動するケモノがかった動きも多い。単なる民族舞踊の再現ではなく、オリジナル・メソッドの動きが見所だ。また過去作品には「黒い巨体に白い塗料をぬり、ラスボス感がハンパないド迫力キャラ」が出てくるので、ぜひ今回も期待したい。
もうひとつの『I.B.I.S』はトレス海峡諸島にあるマレー島を舞台にした作品。タイトルは諸島産業サービス委員会(Island Board of Industry and Services)という、島に点在するマーケットである。
 トレス海峡諸島はオーストラリア北部とパプアニューギニアの間の島々である。先住民と言っても、トレス海峡諸島民は、大陸系のアボリジナルとは別のメラネシア系の海洋民族だと言われている。とかく「先住民」とひとくくりに考えがちだが、そこには当然、豊かな多様性があるのだ。この2演目が上演されることには、そうした面でも大切な意味がある。
 描かれるのは現代の街中で、着ている服も都会の格好である。冒頭のマーケットのシーンでは、ダンサー自身が缶や買い物カゴなど金属製品を使ったパーカッションで踊る。また海に関連したシーンでは、新しくも美しい演出が展開される。とくに水族館のシーンは必見だ。身体的な強靱さは言うに及ばず、多様なリフトを使いこなし、現代的な動きを重ねつつ、やがて幻想的なラストへ向かっていく。
 振付はカンパニー若手のデボラ・ブラウンとワアンゲンガ・ブランコである。ちなみにブラウンのプロフィールが、あまりにも素敵なので紹介したい。
「バドゥ島ワカイド族、マレー島メリアム族の末裔で(略)ブリスベン生まれで、サメや蛾に対する信仰心がある」
 サメや蛾に対する信仰心! なぜその二つのチョイスなのかはわからないが、ステキという他はない。
 欧米中心の「いわゆるダンス」とはひと味もふた味も違う。そんなダンスと出会ってみてはいかがだろうか。
https://www.youtube.com/watch?v=86SLgo1C8KE
I.B.I.S
人々の笑顔があふれる美しいマレー島を舞台にした物語。立ち退きや気候変動の問題に遭遇しつつも、自らの文化を大切にし、陽気で楽観的に生きる人々の姿を描く。
Spirit 2018
芸術監督スティーヴン・ペイジがこれまでの作品から、傑出した力強いダンス・ストーリーを集め、構成。ディンゴの魂や、蛾のはかない一生など、オーストラリアの豊かな文化や歴史を称えた深遠な作品となっている。
INFORMATION
バンガラ・ダンス・シアター『Spirit 2018』『I.B.I.S』
○11月09日(金)19:00開演
○11月10日(土)15:00開演
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
演出・振付:
『Spirit 2018』:スティーヴン・ペイジ
『I.B.I.S』:デボラ・ブラウン、ワアンゲンガ・ブランコ
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/19368

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第15回ラテンビート映画祭 LATIN BEAT FILM FESTIVAL2018 いよいよ11/1より新宿・大阪・横浜で順次開催!

2018-10-17 | 先住民族関連
シネマトピックス 2018年10月16日

今年15年目を迎えるスペイン&ラテンアメリカ映画の祭典「ラテンビート映画祭(LATIN BEAT FILM FESTIVAL2018)」を、11月1日より新宿、大阪、横浜で順次開催いたします。本映画祭は、ラテン各国の最新作を含む選りすぐりの14作品を映画館で見ることのできる貴重な映画祭です。
今年のラインナップは、ロマのコミュニティーで生きる10代の女性同士のピュアな恋愛を描いたスペイン映画『カルメン&ロラ』、スペイン出身の新鋭グスタボ・サンチェス監督がニューヨークで生きるLGBTQの人々を10年間取材したドキュメンタリー『I Hate New York』、パラグアイ映画史上初のベルリン国際映画祭アルフレド・バウアー賞と女優賞をダブル受賞した心理ドラマ『相続人』や、日本にも多くのファンがいるヴィム・ヴェンダースがアルゼンチン出身のフランシスコ法王の本音に迫った新作ドキュメンタリー『ローマ法王フランシスコ』、ゴヤ賞受賞監督パブロ・ベルヘルの新作のヒューマンドラマ『アブラカダブラ』、コロンビアの先住民族の生活に密着した社会派ドラマ『夏の鳥』、昨年話題になった日本・キューバ合作、オダギリジョー主演の『エルネスト』、社会派アニメーション『アナザー・デイ・オブ・ライフ』、イーストLAの音楽を愛する宮田信の奮闘と執念を描いた短編ドキュメンタリー『アワ・マン・イン・トーキョー ~ザ・バラッド・オブ・シン・ミヤタ』など、バラエティに富んでおります。
また、今年はブラジルをフィーチャーし、バイオレンスやサッカー、サンバだけではない、ブラジルで生きる市井の人々の“今”にスポットを当てた5作品『ベンジーニョ』『夢のフロリアノポリス』『ハード・ペイント』『サビ』『激情の時』を上映します。毎年恒例の来日ゲストによる舞台挨拶ティーチインも予定しております。
【開催場所&日程】
新宿バルト9 : 11月1日(木)~4日(日)、9日(金)~11日(日)
梅田ブルク7 : 11月17日(土)、18日(日)
横浜ブルク13 : 11月23日(金・祝)~25日(日)
【来日/登壇予定ゲスト情報】
アランチャ・エチェバリア  『カルメン&ロラ』監督
パブロ・ベルヘル    『アブラカダブラ』監督
グスタボ・サンチェス  『I Hate New York』監督
オダギリジョー    『エルネスト』出演
阪本順治       『エルネスト』監督
*変更の可能性もございます。
オフィシャルサイト: http://www.lbff.jp
オフィシャルFacebook:facebook.com/LatinBeatFilmFestival
オフィシャルTwitter:@LBFF_2018
主催:LBFF実行委員会  プロデューサー・プログラミングディレクター:アルベルト・カレロ・ルゴ  会場運営:(株)ティ・ジョイ 
【上映作品情報】
『カルメン&ロラ』 Carmen y Lola
監督:アランチャ・エチェバリア/出演:ロシー・ロドリゲス、サイラ・ロメロ、カロリナ・ジュステ/2018年/スペイン/ドラマ/103分
マドリード郊外にあるロマのコミュニティーで暮らすカルメンは、他の多くの女性たちと同じように、適齢期になったら結婚して母になる人生を歩もうとしている。一方、ロラは同じロマ出身でありながら、大学進学の希望を捨てず、鳥の絵を描きながら自立した女性になることを願っている。ロラは町で出会ったカルメンに強く惹かれるが、カルメンはロラの従兄の婚約者だった…。古い慣習に縛られる閉鎖的なロマのコミュニティーで生きる若い女性の禁断の恋をストレートに描いている。ロマのリアルな生活や音楽・ダンスも見どころのピュアなラブ・ストーリー。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=beAhL6YQypg
『I Hate New York』
監督:グスタボ・サンチェス/出演:アマンダ・ルポール、クロエ・ズビロ、ソフィア・ラマール、T・ デ・ロング/2018年/スペイン/ドキュメンタリー/75分 (※『アワ・マン・イン・トーキョー ~ザ・バラッド・オブ・シン・ミヤタ』と同時上映)
鏡に囲まれた部屋で暮らす妖艶なドラァグクイーン、男装の前衛アーティスト、生き辛いキューバを脱出しニューヨークにやって来たトランスジェンダー、HIVと闘う元パンクバンドのボーカリスト…。ニューヨークのアンダーグラウンドシーンで生きるLGBTQの人々を2007年から2017年までの10年間取材し、舞台上で見せる華やかな世界とは違う裏の素顔、彼らが経験した差別や病気への恐怖、苦悩に迫ったドキュメンタリー。スペイン出身のグスタボ・サンチェス監督のデビュー作で『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のJ.A.バヨナ監督が製作総指揮を務めている。
予告編 https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=vyUy6jlqfNM
『アワ・マン・イン・トーキョー ~ザ・バラッド・オブ・シン・ミヤタ』 
OUR MAN IN TOKYO (THE BALLAD OF SHIN MIYATA) 
監督:アキラ・ボック/制作:全米日系人博物館(ロサンゼルス、カリフォルニア)/出演:テックス・ナカムラ、ルベン・ゲバーラ、ケッツァル、ルイス・J・ロドリゲス、デイヴィッド・W・ゴメス、エル・ハル・クロイ、チカーノ・バットマン、ジョー・バターン、ヘクター・ゴンザレス、宮田信/2018年/米国/ドキュメンタリー/18分(※『I Hate New York』と同時上映)
人口の約半分がラティーノを占めるロサンゼルスのなかで、文化・社会的拠点であるイーストLAの音楽を日本に20年以上に渡って紹介してきた東京のレコードレーベルのオーナー、宮田信の奮闘と執念について描いた短編ドキュメンタリー。イーストLAとの個人的なつながり、多様かつ本物のチカーノ文化を日本に紹介するにあたっての喜びと困難、太平洋の両サイドにおいて既成概念を打ち壊そうとする宮田の意識的な努力について探っている。グラミー受賞者であるケッツァル、大人気のチカーノ・バットマンやエル・ハル・クロイ、ローライダーを魅了してきたジョー・バターンなど多数のアーティストたちが登場する。
『アブラカダブラ』 ABRACADABRA
監督:パブロ・ベルヘル/出演:マリベル・ベルドゥ、アントニオ・デ・ラ・トレ、ホセ・モタ/2017年/スペイン/ドラマ/96分
カルメンは夫のカルロスを連れ甥の結婚式に出席。カルメンの従兄ペペの余興の催眠術ショーを茶化してやろうとカルロスは被験者を買って出る。一度はインチキだと笑い飛ばしたものの、まもなくカルロスの性格が一変。サッカーにしか興味のないダメ夫から家事に勤しむ優しい夫へと変貌する。妻カルメンは夫の身に何が起こったのか突き止めようと奔走する。『天国の口、終りの楽園。』で知られる女優マリベル・ベルドゥと個性派俳優アントニオ・デ・ラ・トレの演技が光るサスペンスタッチのヒューマンコメディ。監督は『ブランカニエベス』のパブロ・ベルヘルが務めている。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=v7LM0T-cIyA
『相続人』 Las herederas
監督:マルセロ・マルティネッシ/出演:アナ・ブルン、マルガリタ・イルン、アナ・イバノバ/2018年/パラグアイ・ウルグアイ・独・ノルウェー・ブラジル・フランス/ドラマ/97分
外交的なチキータと部屋で絵を描いて過ごすのが好きなプライドの高いチェラは、長い間生活を共にしてきた熟年のレズビアンカップル。二人は生活のため、チェラが親から相続した高価な調度品を売りながらなんとか生計を立てている。ところがチキータが逮捕されたことでチェラの生活は一変。一人で生きることを余儀なくされたチェラは、近所の裕福な老婦人のための運転手を始める。悩み多き中年女性の心の揺らぎを繊細に描いた心理ドラマ。パラグアイの新鋭マルティネッシ監督は長編初監督作となる本作で2018年ベルリン国際映画祭アルフレド・バウアー賞と女優賞を受賞した。2019年開催の米国アカデミー賞外国語映画部門パラグアイ代表作。
予告編 https://vimeo.com/275240511
『夏の鳥』 Pajaros de verano
監督:クリスティナ・ガジェゴ、シーロ・ゲーラ/出演:カルミニャ・マルティネス、ホセ・アコスタ、ナタリア・レイエス/2018年/コロンビア・メキシコ・フランス・デンマーク/ドラマ/125分
マリファナの栽培・密輸産業が暗躍していた70年代後半のコロンビア。北部ラ・グアヒラの砂漠で暮らす先住民族ワユーの一族は、マリファナの密輸で冨を得ようとする者と、昔ながらの伝統的な暮らしを続けようとする者たちとで激しく対立する。コロンビアの荒野を舞台に、麻薬取引によって先住民族の文化・伝統が壊されていく様を描いた社会派ドラマ。前作『彷徨える河』が世界各国で絶賛され、コロンビア史上初の米国アカデミー賞外国語映画賞候補となったシーロ・ゲーラ監督と、プロデューサーのクリスティナ・ガジェゴ夫妻が共同で監督している。2019年開催の米国アカデミー賞外国語映画部門コロンビア代表作。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=5oT6gCpc1r0
『ローマ法王フランシスコ』 El Papa Francisco, un hombre de palabra
監督:ヴィム・ヴェンダース/出演:フランシスコ法王/2018年/スイス・バチカン市国・イタリア・ドイツ・フランス/ドキュメンタリー/96分
『ベルリン・天使の詩』『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』など、数々のフィクションやドキュメンタリーの名作を手掛けてきた巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、バチカン市国の協力のもと、フランシスコ法王とのインタビューを敢行。アルゼンチン人として初めて法王となったフランシスコ法王が、世界が直面している貧困、環境問題、社会問題など、さまざまな質問に対して真摯に応えている。フランシスコ法王に対するヴェンダース監督の尊敬と愛情が詰まったドキュメンタリー。
予告編 https://www.facebook.com/ThePopeMovie/videos/10156824120260730/
『アナザー・デイ・オブ・ライフ』 Another Day of Life
監督:ラウル・デ・ラ・フエンテ、ダミアン・ネノウ/声の出演:ミロスワフ・ハニシェフスキ/2018年/ポーランド・スペイン・ドイツ・ベネルクス・ハンガリー/アニメーション/86分
1975年のワルシャワ。ベテランのジャーナリスト、カプシチンスキは、ポルトガルから独立して間もないアンゴラの首都ルアンダへ取材のために赴任。そこでカプシチンスキは、混乱を極めるアンゴラの実情を目の当たりにする。原作は、現代のジャーナリズムの巨人とも評されるリシャルト・カプシチンスキが、アンゴラ内戦の3カ月間を記したノンフィクション「Another Day of Life」。監督のラウル・デ・ラ・フエンテは『Minerita』で2014年のゴヤ賞短編ドキュメンタリー最優秀賞を受賞している。
予告編 https://vimeo.com/266690790
『エルネスト』
監督:阪本順治/出演:オダギリジョー、永山絢斗、ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ/2017年/日本・キューバ/ドラマ/124分/配給:キノフィルムズ (C)2017“ERNESTO”FILM PARTNERS
日本とキューバの合作映画『エルネスト』は激動の時代を駆け抜け、祖国ボリビアでの抵抗運動に身を投じた“日系二世の若い戦士”の鮮烈な知られざる生涯を描いた作品である。ゲバラからファーストネーム「エルネスト」を授けられ、戦士名〈エルネスト・メディコ〉と呼ばれ、ボリビアの山中にて25歳で散った青年、フレディ前村。短くも決然と濃厚な命を全うした彼は1941年、鹿児島県出身の父とボリビア人の母のもと生を受けた。フレディは医師を志しキューバの国立ハバナ大学へ留学。そこでキューバ危機のさなか、自分の運命を変えるチェ・ゲバラと出会い、人間的な深い魅力に心酔した彼は、やがて軍事クーデターから祖国を解放すべくゲバラの組織する部隊に参加、社会の不平等是正と貧困の根絶を胸にボリビア軍事政権へと立ち向かっていく。
予告編 https://www.youtube.com/watch?time_continue=8&v=BFJ8HGRD5xI
CINEMA do Brasil -ブラジル映画特集-
『夢のフロリアノポリス』 Sueno Florianopolis
監督:アナ・カッツ/出演:メルセデス・モラーン、グスタボ・ガルソン、マルコ・ヒッカ/2018年/アルゼンチン・ブラジル・フランス/ドラマ/106分
1992年の夏。精神分析医のペドロとルクレシア夫婦は10代の子供たちと共に、ボロ車でブエノスアイレスからブラジルのビーチリゾート、フロリアノポリスへ向かう。旅の途中、ガス欠で立ち往生した彼らにガソリンを譲ってくれたブラジル人マルコは、ルクレシアに連絡先を渡し、自分の別荘に来るよう誘う。のどかなリゾート地を舞台に、離婚の危機にある中年夫婦の心の機微をリアルに描いたヒューマン・ドラマ。『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』(LBFF2017)で詩人ネルーダの妻役を熱演した女優メルセデス・モラーン主演。監督は女優としても活躍するアナ・カッツ。2018年のカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭では審査員特別賞と女優賞を受賞している。
予告編 https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=9eU8nFnQ43E
『ベンジーニョ』 Benzinho
監督:グスタボ・ピッツィ/出演:カリネ・テレス、オッターヴィオ・ミュラー、アドリアナ・エステヴェス/2018年/ブラジル・ウルグアイ・ドイツ/ドラマ/95分
リオ郊外に住むイレーニとクラウスの夫婦は4人の子供を育てながら、家を買うために仕事と育児に追われる日々を送っている。生活は楽ではなかったが、イレーニは家族で一緒に過ごすことに幸せを感じていた。そんな中16歳の長男フェルナンドがハンドボールのプロ選手としてドイツに招待されることになった。イレーニは愛する我が子の旅立ちを素直に喜ぶことができない。修復不能なボロボロの我が家、夫の仕事の問題、さらには姉家族のトラブル等々、問題山積みで心が折れそうになりながらも、家族のために立ち上がる母親の奮闘を描いたファミリー・ドラマ。主演のカリネ・テレスは共同脚本も務めており、2018年のグラマード映画祭ブラジル映画部門で女優賞を受賞している。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=uOjeD6K469Y
『ハード・ペイント』 Tinta bruta
監督:フィリペ・マッツェンバシェル、マルシオ・ヘオロン/出演:シコ・メネガチ、ブルーノ・フェルナンデス、ゲガ・ペイショット/2018年/ブラジル/ドラマ/118分
内気な青年ペドロは、狭い部屋の中で、体中を派手な蛍光塗料でペインティングして踊るパフォーマンス動画を撮影することを日常にしている。時には金のためにユーザーからの要求に応じた行為に及ぶこともある。ペドロの唯一の家族である姉のルイザが家を出ていった後、彼と似たような動画を流すライバルの存在を知ったペドロは、部屋を出てそのライバルに会いに行く。閉塞感の漂うブラジル南部の中都市ポルトアレグレを舞台に、デジタルな世界でしか自己表現できない孤独な青年の日常を個性的な視点で描いたアート作品。2018年のベルリン国際映画祭テディ賞受賞。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=CCr9vHOu19I
『サビ』 Ferrugem
監督:アリ・ムリチバ/出演:ティファニー・ドプケ、エンリケ・ディアス、クラリッサ・キスチ/2017年/ブラジル/ドラマ/100分
タチは、スマホで映像を友達と共有し、SNSを使ってコミュニケーションをとることが好きな16歳の女子高生。ある週末、学校の友人たちと旅行に出かけたタチは、どこか影のある口数の少ない同級生ヘネと親しくなる。だが、スマホを失くし、タチのプライベートな映像が流出したことをきっかけに、彼女の平穏だった日常が狂い始める…。スマートフォンやSNSを使ったコミュニケーションによって生じる人間関係のひずみやプライバシーの流出、10代の若者が陥りがちな孤独感等、世界共通の社会問題に鋭く迫ったシリアスドラマ。2018年のグラマード映画祭では最優秀ブラジル映画賞を受賞している。
予告編 https://vimeo.com/251212900
『激情の時』 No Intenso Agora
監督:ジョアン・モレイラ・サレス/2017年/ブラジル/ドキュメンタリー/127分
1966年文化大革命初期の中国、1968年五月革命時のパリ、プラハ、そしてリオデジャネイロ。学生運動の高まりや東西の対立といった歴史だけでなく、その時代を生きた人々の高揚感や怒り、失望といった感情にも迫ったアーカイブ映像の数々。また当時の中国を訪問した監督の母親の映像記録や、残されたドキュメント等を、監督独自の視点でまとめ上げ、歴史の意味についても切り込んでいる。ジョアン・モレイラ・サレス監督は、日本で大ヒットした『セントラル・ステーション』で知られるウォルター・サレス監督の弟で、『Santiago』(2007)、『Nelson Freire』(2003)等のドキュメンタリー作品で数々の賞を受賞。本作では2017年の山形ドキュメンタリー映画祭で審査員特別賞を受賞している。
予告編 https://vimeo.com/240841267
http://www3.cinematopics.com/archives/95258

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バンクーバー国際映画祭で「万引き家族」が外国作品観客賞 「カメ止め」は再上映作に

2018-10-17 | 先住民族関連
バンクーバー経済新聞 2018.10.16

 10月12日に閉幕した「バンクーバー国際映画祭(VIFF)」で各賞の発表があり、是枝裕和監督の「万引き家族」が外国作品部門で最も人気が高かった作品に贈られる「外国長編映画観客賞」を受賞した。
「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)は追加上映作に選出された
 観客の投票により決定される同映画祭の各観客賞。最高賞にあたる「Super Channel 観客賞」は地元バンクーバー出身のキャット・ジェイミー監督が、幼い頃大ファンだったNBAチーム「バンクーバー・グリズリーズ」の元スター、リーブス選手を探し出し会いに行くドキュメンタリー「Finding Big Country」が受賞した。ジェイミー監督のグリズリーズへの愛と、今は存在しないNBAチームを懐かしむファンの熱意も相まって、大型劇場で追加上映が行われるほどの話題となった。
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 「外国ドキュメンタリー映画観客賞」は多くの有名ミュージカル作家が駆け出しの頃に手掛けた企業向けミュージカルの世界を振り返る「Bathtubs Over Broadway」(Dava Whisenant監督)が、「カナダ長編映画観客賞」は現在は20人ほどしか流ちょうに話せる話者が残っていない先住民族のハイダ語で撮影された「Edge of the Knife」(Sgaawaay K’uuna監督)がそれぞれ受賞した。
 開催中「万引き家族」は1800人以上の大劇場ながら2回ともチケットは完売、追加上映も行われた。22時以降と遅い時間の上映回もほぼ満席となった邦画「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)は人気16作品を再上映する「VIFFリピート」の一作に選出された。
https://vancouver.keizai.biz/headline/2521/

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