先住民族関連ニュース

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アットゥシ織り修行中 男性担い手として期待 平取の協力隊員・柴田さん

2018-10-25 | アイヌ民族関連
北海道新聞 10/25 05:00
 【平取】十勝管内音更町出身の元調理師、柴田幸宏さん(29)が、7月に町の地域おこし協力隊員となり、アットゥシ(樹皮の布)織りの技術を学んでいる。アイヌ民族に伝わる優れた伝統工芸だが、現在、男性の職人はおらず、新たな担い手として期待されている。
 柴田さんは、函館の調理専門学校を卒業後、横浜市や滋賀県の中華料理店に計10年間勤めた。2016年夏、約2カ月間の休暇を取り、自転車で国内を旅行していた途中に平取に立ち寄った。
 子供の頃から作務衣(さむえ)など手織りに興味があったといい、平取で美しい工芸品の数々に触れ「工芸家に魅力を感じた」。その後も平取に興味を持ち続けていたところ、今年2月、町が協力隊員を募集しているのを知ったという。
 現在は町二風谷の町民芸品共同作業場「ウレシパ」を中心に活動し、二風谷民芸組合の講師らから毎週数時間手ほどきを受けている。オヒョウの樹皮をナタではぎ、採った繊維で糸を紡ぐ地道な作業を続ける。
★「アットゥシ」「ウレシパ」のシは小さい字
残り:213文字/全文:646文字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/241289
 柴田さんは「手間暇を掛けて作品が出来上がる過程は興味深い。早く一人前になり、生計を立てたい」と意気込む。
 アットゥシ織りは現在、主に町二風谷地区で40~70代の女性約10人が取り組む。1970年ごろまでは男性もいたが、需要の減少でいなくなった。アットゥシを半世紀以上織り続ける講師役の藤谷るみ子さん(69)は「奥が深く一人前になるまで努力が必要。こだわりの品を織ることができるよう温かく見守りたい」と話している。(川崎博之)

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中野区役所前広場で「チャランケ祭」 アイヌと沖縄が出会い、踊り歌う2日間

2018-10-25 | アイヌ民族関連
中野経済新聞2018.10.24

アイヌと沖縄の踊りの祭典「チャランケ祭」が11月3日・4日、中野区役所広場(中野区中野4)で開催される。主催はチャランケ祭実行委員会。
 同イベントは「祭りは天と地を継ぐ、踊りは人と宇宙を継ぐ」をコンセプトとし、今年で25回目を迎える。アイヌと沖縄人が東京で出会ったことがきっかけとなり、1994年から中野駅北口広場で、昨年は中野四季の森公園、今回は中野区役所前に会場を移して開催する。同祭は歌と踊りの祭典で、人と人とが触れ合い、交流を深めることを目的としている。
 「カムイノミ」というアイヌの儀式から始まり、「旗あげ」という沖縄の伝統儀式の下で2日間、歌と踊りが繰り広げられる。それぞれの民俗芸能とともに、アイヌ料理や沖縄料理などの屋台、木彫りや刺しゅうなどの文化交流コーナー、歴史を学ぶブースなどを用意する。イベントの名称である「チャランケ」は、アイヌの言葉で「とことん話し合うこと」を意味する「ちゃらんけ」と、沖縄の言葉で「消えんなよー」という意味の「ちゃーらんけ」が似ていることから、付けられたという。
 実行委員長の上里尭さんは「チャランケ祭は、アイヌと沖縄人の出会いから始まった祭。アイヌ・沖縄を中心とした日本各地の民俗文化、唄や踊り、飲食出店やブース展示などを通して人々が交流し、そして民俗文化への理解を深めていくことを願っている。今年は会場を中野区役所前広場に移し、かつての広場での祭を彷彿とさせるような、凝縮された空間が生まれるでしょう。関わる人みなが実行委員となって場をつくり、共に踊り、唄い、そして祈る。東京中野、北口広場があったからこそ生まれたこの祭、ぜひお越し頂きたい」と話す。
 開催時間は12時~19時(4日は10時~17時)。入場無料。雨天決行。
https://nakano.keizai.biz/headline/1532/

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マタギの世界を紹介【新ひだか】

2018-10-25 | アイヌ民族関連
日高報知新聞2018.10.24
【新ひだか】町教委と公益財団法人アイヌ民族文化財団主催のアイヌ工芸品展「キムンカムイとアイヌ―春夏秋冬―」(11月4日まで開催)の関連講演会「マタギの世界~阿仁マタギを中心として~」が20日、町地域交流センターピュアプラザで開かれ、35人の出席者が自然と共存する生き方について考えた。
 講師は、秋田県立博物館の丸谷仁美主査兼学芸主事(47)。東北地方のクマなどを狩猟して生活してきた秋田県の阿仁マタギについて講演し、①マタギについて②狩猟方法③マタギのくらしの3点を説明した。
 マタギとは、青森県や秋田県で狩りを生業とする人のこと。狩りの際に特別な儀礼を行い、シカリ(猟の統率者)は「山立根本巻」「山達由来記」という巻物を携帯し、クマ、カモシカ、ウサギなどを獲物にした。
 古くは、タテと呼ばれる槍や火縄銃、村田銃などを用いた。動物の大きさによりさまざまな罠も用いられた。集団で狩猟を行う「巻き狩り」や旅マタギなどで生活。主は農業4~10月、マタギは11~3月、明治の終わりごろから薬の行商も盛んに行われた。
 アイヌも豊かな大自然の中で狩猟、漁労、採取を中心に生活を営み、自然から学びとったさまざまな生活の知恵と風習、習慣、言語、信仰などが伝えられており、「共通部分もあるのではないか」という。
 丸谷さんは最後に「マタギの生活から、私たちの住む環境を考えるきっかけになれば」と話した。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/8288

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<金口木舌>明治150年は「事だよ」

2018-10-25 | 先住民族関連
琉球新報 2018年10月24日 06:00
 山之口貘の詩に曲を付け歌い、沖縄でも親しまれたフォーク歌手高田渡さんに「事だよ」という作品がある。この中で「明治百年」の祝賀ムードを取り上げている。1968年のことだ
▼慶応から明治へ元号が変わって100年を祝う騒ぎを「さあさあ 事だよ事だよ 明治百年は 事だよ」とはやし立て、「百年もよくもまあ 黙っていたのは 事だよ」とちゃかした。祝賀は唐突だったのだろう
▼沖縄はどうか。当時の本紙をめくっていると「明治百年」の文字がちらほら見える。那覇市内の宝石店は記念メダルを売り出した。民主団体は「正しい歴史意識をゆがめるもの」と抗議した。賛否両論あった
▼今年は「明治150年」。政府は諸行事を実施した。「明治以降の歩みを次世代に遺すことや、明治の精神に学び、日本の強みを再認識することは、大変重要だ」とは菅義偉官房長官の弁。それだけで良いか
▼歴史に学ぶのはいいが、「日本の強みを再認識」には引っ掛かる。沖縄、アイヌに対する明治政府の所業を忘れてはなるまい。アジア諸国に対してもだ。「明治の精神」をめでるだけでは済まぬ
▼「沖縄における明治百年の歴史は差別と屈辱の植民地的な歴史であったと私は考える」。68年末、本紙に載った投稿だ。政府による沖縄の植民地的扱いは相変わらず。50年何をやっていたのか。それこそ事だよ。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-823190.html

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伝統文化ポーラ賞 平取の貝沢雪子さんに地域賞

2018-10-25 | アイヌ民族関連
北海道新聞10/24 05:00
 伝統文化の伝承に力を尽くした個人や団体に贈られる「伝統文化ポーラ賞」の贈呈式が23日、東京都内で開かれ、アイヌ民族の伝統工芸アットゥシ織りの第一人者、貝沢雪子さん(77)=日高管内平取町=に地域賞が贈られた。
 ポーラ伝統文化振興財団(東京)の主催。全国各地で伝統工芸や民俗芸能の普及に取り組む男女5人と3団体に優秀賞、奨励賞、地域賞の各賞が贈られた。
 貝沢さんは樹皮の反物アットゥシ織りを伝承し50年以上にわたって制作。アイヌ民族の伝統を守りつつ、独自の工夫を重ねた植物染めによる個性豊かな作品を作り続けている。贈呈式に出席した貝沢さんは「やればやるほど難しさを感じる。これからも勉強を続け、アイヌ文化を未来に向かって広めたい」と話した。(大城道雄)
☆「アットゥシ織り」のシは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/240967

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<社説>明治150年式典 礼賛よりも反省すべきだ

2018-10-25 | ウチナー・沖縄
琉球新報 2018年10月24日 06:01
 政府が「明治150年記念式典」を開催した。近代化を成し遂げた先人の偉業を振り返り現代に生かす狙いという。侵略、戦争で国内外に甚大な被害を与えたことを反省して、現在と未来に生かすのでないなら、式典を開く意味はない。
 安倍晋三首相は式辞で、今を「国難の時代」とし「明治の人々が、勇気と英断、たゆまぬ努力、奮闘によって、世界に向けて大きく胸を開き、新しい時代の扉を開けたことに思いをはせながら、私たちは、この難局に真正面から立ち向かい、乗り越えていかなければならない」と述べた。
 そして若い世代に向け「この機会に、わが国の近代化に向けて生じた出来事、人々の息遣いに触れ、光と影、さまざまな側面を貴重な経験として学び取ってほしい」と呼び掛けたが「影」の部分について具体的に説明しなかった。
 政府主催式典というと2013年4月28日の「主権回復」を祝う式典を思い起こす。1952年にサンフランシスコ講和条約発効で日本が独立を回復した一方で、沖縄や奄美は分離され米統治下に置かれた。この日を「屈辱の日」としてきた沖縄では、式典に強い反発が起きた。
 沖縄から見ると、明治150年の前半はアジア太平洋戦争と沖縄戦で終わった。そして後半の始まりが「屈辱の日」である。日本に復帰して46年を経た今も米軍専用施設面積の約70%を押し付けられ、民意を踏みにじられ続け、事実上の植民地支配、差別を受けている。式典会場近くで批判する集会が開かれたのは当然である。
 安倍首相は、幕末に松下村塾で維新の志士たちを育てたという吉田松陰を尊敬し、演説でしばしば引用してきた。その松陰は「幽囚録」で次のように説いた。
 「今、急いで軍備をなし、軍艦や大砲が備われば、蝦夷(北海道)を開墾して諸侯に統治させ、間に乗じてカムチャツカ、オホーツクを奪い、琉球を説得して諸侯と同じようにさせ、朝鮮を責めて古代のように従わせ、北は満州(中国東北部)を分割し、南は台湾、ルソン(フィリピン)を収め、次第に進取の勢いを示すべきである」
 まさにこの通りに、近代日本は膨張政策を推し進めた。1879年の「琉球処分」(琉球併合)と、アイヌ民族の土地を奪って進められた北海道開拓が、日本の膨張政策の始まりだったことを忘れてはならない。そしてその結末が、アジア太平洋戦争の惨禍と連合国による占領だった。
 安倍首相は「日本を取り戻す」というスローガンを掲げ、特定秘密保護法、安全保障関連法、共謀罪などを国民の根強い反対を無視して成立させてきた。戦前の強権国家の再来を懸念する。なすべきは明治150年を礼賛するのではなく、歴史に学び、植民地支配や戦争を二度と繰り返さないと誓うことである。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-823185.html

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アイヌで知った自然への畏敬 中能登移住の横山さん

2018-10-25 | アイヌ民族関連
中日新聞 2018年10月24日
来月10日「建てる」鑑賞会
 アイヌ民族の映像作品の鑑賞会が十一月十日に中能登町黒氏で初めて開かれる。自宅で映像を流す横山昭吾(しょうご)さん(68)は「自然を傷つけないアイヌの生活を見て、現代社会を見つめ直す機会にしてほしい」と話している。(中川紘希)
 上映するのは、北海道のアイヌ文化振興・研究推進機構が二〇〇〇年に制作した「建てる-祖先の時代のチセづくり」。アイヌで家を意味する「チセ」を建てる工程を約六十分間の動画で再現している。
 入手しやすい木材で土台ではなく屋根から造った後、先端がY字形の柱を四方に立てる。大勢で屋根を持ち上げ、柱に載せて完成させるという。元建築士の横山さんは「最低限の材料を使い、地面も掘らない。これは現代建築から見ると驚くべきこと」と話す。さらに「家造りは村全体の共同作業。現在のように報酬ではなく、助け合いで家が生まれる」と指摘する。
 横山さんは福島県出身。一一年の福島原発事故の後、他県に避難し、一六年に知人がいた中能登町に移住した。避難前にもアイヌの映像を見て、自然への畏敬の念を持つ重要性に気づき、上映会を定期的に開いていた。
 参加費無料。鑑賞後には参加者が感想を語り合う時間を設ける。(問)070(6950)4989 
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20181024/CK2018102402000033.html

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(リレーおぴにおん)ちっちゃな世界:9 孤立した言語、蓄積は膨大 アンナブガエワさん

2018-10-25 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2018年10月24日05時00分
 言語は、知識や世界像を表します。言語を失うと、人類全体が非常に重要な部分を失い、貧しくなります。ですのでアイヌ語のような、消滅の危機にある言語の研究と保存に取り組むことは、大切な意味合いがあるのです。
 アイヌ語は、東北アジアの中でも系統が不明で、孤立した言語です。
 日本語と朝鮮語は文法や構造がよく似ています。満州語などのツングース諸語も似た部分が多い。でもアイヌ語は、文法的に北米大陸の西部に住む先住民の使うアサバスカ諸語に、むしろ似ている感じがあります。
 これほどの逸脱ぶりは、おそらくは非常に古い語族のなごりなのでしょう。日本語が成立する前から話されていたとしたら、古代の日本列島の文化遺産と見なすこともできる。そんな点も、とても面白いですね。
 日本やアイヌ語に興味を持ったのは、朝鮮語が専門の言語学者である母の影響が大きいです。母の先生は、旧ソ連におけるツングース諸語研究の大家、ツィンツィウス博士でした。
 博士によるツングース・満州語比較辞典の編集や、シベリア・極東の少数民族言語の現地調査に、母も加わりました。自宅にはニヴフといった少数民族の言語を話す人たちが遊びにきて、そうした言葉が飛び交っていました。
 こんな環境の中で日本の浮世絵などに関心が生まれ、サンクトペテルブルク大学の日本語学科に入りました。
 ポーランド人で帝政ロシアの革命運動に加わり、流刑先の樺太(サハリン)で樺太アイヌなどの研究を始めたピウスツキ。アイヌ語研究などに偉大な業績を残しながら、旧ソ連帰国後に粛清されたネフスキー。ロシアには、アイヌ研究の豊かな伝統があります。
 私も大学で日本語の系統論を勉強するうちにアイヌ語の魅力を知り、1996年に来日。アイヌ語の千歳方言の現地調査などをしました。いまは学術研究への補助金である科研費を受けてのアイヌ語の変化に関する共同研究や、アイヌ語を日英両語に翻訳して文法解釈をつけたデータベースの運営や拡大に力を入れています。
 アイヌ語のすごい点は、消滅危機言語の中で並外れた量のテキスト、資料の蓄積を持つことです。金田一京助先生や知里真志保先生をはじめ、先人の研究者の長年の努力のたまものです。
 この膨大な資料の蓄積からは、まだまだできることがたくさんあり、言語学にさらに意義深い成果を加えることができます。それには研究の蓄積と新たな成果を英語に訳し、世界へ発信する必要があります。今のアイヌ語研究者にとって、重要な課題です。
 (聞き手・大野正美)
     *
 Anna Bugaeva アイヌ語研究者 1973年、ロシア・サンクトペテルブルク生まれ。東京理科大学理学部第一部教養学科准教授。北海道大学大学院で言語類型論、アイヌ語を学ぶ。文学博士。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13737081.html?_requesturl=articles%2FDA3S13737081.html&rm=150

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【エンタメ小説月評】差別なき世界へ 試される心

2018-10-25 | アイヌ民族関連
読売新聞 2018年10月25日 05時20分
 舞台が遠い過去でも未来でも、あるいは異世界であっても、小説は現実を映す鏡となり得る。今村翔吾『童の神』(角川春樹事務所)に、改めてそう思わされた。平安時代の京での戦を描きながら奏でられるのは、なぜ人は自分と異なる者を差別するのか、そもそもその差異とは何か、というテーマ。それを重々しい物語とはせず“一気読み”のエンターテインメントに仕立てたのは著者の慧眼けいがんだろう。読者を楽しませつつ、人間のあるべき姿も考えさせる。
 人とは違う髪と目の色をした桜暁丸おうぎまるは朝廷に父を殺され、復讐ふくしゅうのため京に上った。そこで出会ったのは、虐げられながらも朝廷にくみせず生きる山の民。彼らは差別なき世を夢見て蜂起し、その強く潔い戦いぶりには胸がすく。だが、多勢に無勢。仲間たちは夢半ばにして散り、桜暁丸も追いつめられる。
 読後に残るのは哀かなしみだ。ただ、絶望とは違う。夢を託された、とも感じたからだ。桜暁丸は人の善き心と、差別なき未来の到来を信じた。その「未来」に私たちはいる。今の日本は桜暁丸の目にどう映るだろうかと、しばし思いを巡らせた。
 葉真中顕はまなかあき『凍いてつく太陽』(幻冬舎)も終戦間際の北海道で事件にあたる特高刑事の物語ではあるが、根底で民族とは何か、国とは何かと問う。
 息つく暇もない展開となる。アイヌの母を持つ日崎は自らを朝鮮人と偽り潜入捜査もすれば、出自を蔑さげすむ同僚に嵌はめられ、窮地に立たされもする。軍の無謀さも描かれれば、冒険小説のような味わいもある。やがて、スルクと名乗る人物による連続殺人の捜査に加わった日崎は、陸軍の軍事機密に触れる。スルクとは誰だ? 機密とは?
 大きくうねる物語の一方で、一貫して描かれるのが、皇国臣民として日本に組み込まれたアイヌや朝鮮の人々の苦悩と叫びだ。権力は時に、都合よく人を「仕分け」する。その前に力なき者はうつむくしかないのか。否、と著者は最後に一筋の光を見せる。それは国や民族から離れ、ひとりの人間としてたどり着ける「正しさ」。やはり、試されるのは人の心である。
 中脇初枝『神に守られた島』(講談社)は、あの戦争の悲劇を沖永良部島の少年の目からつづる。しかし、反戦を声高には語らない。少年の淡い恋や友情、家族との生活といった、どこにでもあるはずの日常が次第に侵されていく様子を、丁寧に描写するだけだ。けれど、その筆致が物語を他人ひと事ごとにしない。見ず知らずの人々の笑顔が、泣き顔が、目の前に浮かび上がる。
 心に残る場面がある。島に不時着した特攻機の操縦士と会った少女は以後、別れの際に手を振らなくなる。それが「呪い」になると思ったからだ。特攻兵は成功=死を望まれ出撃した。少女がかつて、お国のために頑張ってねと手を振り送った父と兄は、戻らなかった。そんな時代を繰り返してはならない。著者の静かな祈りが聞こえる。
 岩井圭也『永遠についての証明』(KADOKAWA)は天才数学者の孤独と、彼と関係を絶ったかつての仲間の後悔を描く。天才と呼ばれた瞭司は、未解決問題「コラッツ予想」の証明らしきものをノートに残し、失意のまま死んだ。熊沢は贖罪しょくざいの思いから、その解読に挑むが……。デビュー作だが、高い筆力に驚かされた。2人の内面の表現もそうだが、何より、証明のシーンが美しい。数学は苦手なはずなのに、なぜか涙がこぼれた。(文化部 村田雅幸)(続きあり)
https://www.yomiuri.co.jp/life/book/news/20181017-OYT8T50020.html

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「2018 MTV EMA」が「ジェネレーション・チェンジ・アワード」を新設!

2018-10-25 | 先住民族関連
MTVジャパン 24 10月 2018
いよいよ、開催まで2週間を切った「2018 MTV Europe Music Awards」(以下EMA)が新設のアワード「ジェネレーション・チェンジ・アワード」を発表。5人の若き活動家がノミネートされたことを明かした。
この「ジェネレーション・チェンジ・アワード」は、現在世界中で起こっている様々な問題に対し具体的な方法で立ち向かい問題解決に尽力している若き活動家が対象で、今年はシューテズカトル・マルティネス、ソニータ・アリザデ、モハメド・アル・ジュンディ、ハウワ・オジェイフォ、エレン・ジョーンズの5人がノミネートされた。
シューテズカトル・マルティネスはアメリカ出身の18歳で、先住民族の生活環境に関する活動を行っている他、ヒップホップ・アーティストとしても活動している。

アフガニスタン出身の女性ラッパー=ソニータ・アリザデは、歌を通して強制結婚への抗議を行っている21歳。

今年17歳になるモハメド・アル・ジュンディは、シリア人難民の子供たちの人権を訴える活動をしており、2017年には「International Children's Peace Prize」を受賞している。

26歳であるハウワ・オジェイフォは、ナイジェリア出身の女性で、ファッションデザイナー、マインド&メンタル・コーチ、そして財務アナリストという様々な顔を持つ活動家で、近年増加する自殺者の数を減らすため精神的な病に悩む若者の支援を行っている。

そしてイギリス出身の20歳、エレン・ジョーンズは、LGBTQ+や女性の権利問題などを題材にキャンペーンを行っている活動家。YouTubeなどのプラットフォームを用いて権利問題をわかりやすく紹介するなど、クリエイターとしての一面も持っている。

「ジェネレーション・チェンジ・アワード」の受賞者を決める投票は、ツイッターとインスタグラムにてハッシュタグを付けて投稿するだけ!投票期間は本日から10月31日(水)の7:59(日本時間)までとなっている。
シューテズカトル・マルティネスへ投票したい場合は「#MTVEMA #GenerationEarthGuardians」を付けて投稿!
ソニータ・アリザデへ投票したい場合は「#MTVEMA #GenerationEndChildMarriage」を付けて投稿!
モハメド・アル・ジュンディへ投票したい場合は「#MTVEMA #GenerationRefugeeRights」を付けて投稿!
ハウワ・オジェイフォへ投票したい場合は「#MTVEMA #GenerationSafe」を付けて投稿!
エレン・ジョーンズへ投票したい場合は「#MTVEMA #GenerationInclusion」を付けて投稿!
「2018 MTV EMA」は現地時間11月4日(日)、今年はスペインのビルバオ・エキシビジョン・センターにて開催!授賞式の模様は日本でも生中継でお届け!さらに週末には字幕をつけた完全版もお送りする。その他EMAに関する情報は、EMA公式サイトをチェック!
番組情報
2018 MTV EMA Main Show
字幕なし:11月4日(日)29:00-11月5日(月)7:00(生中継 ※最大延長8:00) ほか
字幕あり:11月10日(土)21:00-23:00 ほか
2018 MTV EMA The Red Carpet
字幕なし:11月4日(日)28:00-29:00(生中継) ほか
字幕あり:11月10日(土)20:00-21:00 ほか
http://www.mtvjapan.com/news/um4mld/181024-09

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史上初!オーストラリアの絶景「カタ・ジュタ」をドローン撮影

2018-10-25 | 先住民族関連
TABILABO 2018/10/24

カタ・ジュタは、ウルル(エアーズ・ロック)と並び、オーストラリアの先住民族アボリジニの聖地とされています。これは、その景色を、世界で初めて正式な撮影許可を取ってドローンで空撮した貴重な映像です。
視界を遮るものがない、広大な赤土の大地のなかに立ち並ぶ巨大な岩の群れは、その間にある「風の谷」と呼ばれる場所と同時に紹介されることも多く、人気がある観光スポット。
太陽光の動きとともに刻々と変化していく姿を見ると、その場に立って風に吹かれているような気持ちにも。訪れたことがある人も、そうでない人も、ぜひ一度再生を。
https://www.youtube.com/watch?v=JQhHg6lXhkI
https://tabi-labo.com/289565/wt-kata-tjuta

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